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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第1章 君を知る

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17話 オタクの決意

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は勉強会回です。


優斗が勉強を頑張る理由、そして千春が勉強を教える理由が少しだけ明らかになります。


いつもより穏やかな回ですが、二人の距離感を楽しんでもらえたら嬉しいです。


「それで、ここはこうして」


「なるほど。てなると答えは―――2だっ!」


「正解っ!」


彼女が嬉しそうに手を打った。


「優斗さんお見事ですっ」


「千春さんの教え方が上手いからだよ」


問題集のページをぺらりと捲りながら言った。


「流石、学年1位の実力は伊達じゃないね」


「お、大袈裟ですってば」


指先で髪の先をくるくると弄った。


「でも、お役に立ててるみたいで良かったです……」


彼女の顔が小さく綻ぶ。


控えめでお淑やかな笑顔だった。


「役に立つも何も超助かってるよ。今週の勉強会、雅之は無理そうで困ってたからさ」


「彼女さんとのおうちデート、楽しそうですよね」


「そうそう、羨ましいこって」


「ですね……」


しばし二人して遠くを見た。


「あれ? そう言えば僕、雅之の話したっけ?」


咄嗟に問いただす。


記憶が間違ってなければ、千春さんにこの手の話はしていないはず。


どうして彼女が知っているんだ?


「して、いませんでしたっけ……?」


「ふ~む?」


シャーペンを手の上で回しながら、さっきから感じていた違和感を整理する。


1 今週に限って、彼女が僕を勉強に誘ったわけ。


2 勉強場所ならたくさんあるのに、僕が文芸部部室にいると踏んで来た理由。


3 雅之の話を知っている発言。


そして、そのすべてに共通する答えが一つだけあった。


「はっ!」


これらを結び付けて、たどり着いた答えは―――


「もしかして、僕たちの会話聞いてた?」


ギクッと肩を震わせる。


ぷいっと顔を逸らし、へたっぴな口笛を吹き始めた。


《誤魔化してるのか? にしても、かわ―――》


じゃなかった。


「違くて、別に責めてるとかじゃないんだ」


「そ、そうなんですか?」


「うん。というか声も大きかったし、聞こえていても仕方ないよ」


ホッとしたように彼女は胸を撫で下した。


「すみません、結構しっかり聞いていました」


「ちなみに、テストヤバかったらオタ活禁止って話も?」


コクリ。


素直に肯定された。


「なるほどなぁ」


会話内容を聞いたって前提なら、全ての疑問が解消される。


雅之の話。


文芸部に僕がいるってこと。


ん? でも待てよ。


「どうして僕に勉強を教えてくれるんだ?」


ぽっと出の疑問だった。


別に彼女にとってメリットも何もないだろうし、それどころか学校で関わることがデメリットでしかないはずだ。


だって、彼女は僕との繋がりがあるって知れば、当然周りの人はその理由が気になるだろうし。


「……こ、これっ」


「え~っと?」


見せてもらったスマホ画面には、『はし恋コラボカフェ』と書かれたページが開かれていた。


「来月から、都内のカフェで開催されるらしいのですよ」


「おぉ! マジか!!」


ボルテージ急上昇。


「私、一人で行くのも楽しいんですけど……」


それから恥ずかしそうに視線を伏せた。


「テストで良い点取って……その、良かったら一緒に行きませんか?」


チラチラと上目遣いでこちらを見上げた。


「私、全力でサポートしますので」


おどおどしつつも、どこかやる気に満ち溢れた表情。


誰かのためにこんなに一生懸命。


それに女子にここまで言われて何もしないのは、男が廃るってものだ。


「……千春さん」


シャーペンを握る手に力が入る。


「次はここの問題、教えてほしいです」


「―――! はいっ、任せてください!!」


改めてきっちり座り直して、僕らは勉強を再開した。


「……本気で頑張ってみるよ」


「その意気ですっ」


ノートを捲る音と、シャーペンの走る音だけが静かな部室に響く。


来月のコラボカフェ、待ちきれそうにないな。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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