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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第1章 君を知る

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13話 それって、僕の名前?

いつもお読みいただきありがとうございます。


今回はアニメイトでの買い物を終えた後のお話です。


同じ作品を好きになった二人だからこそ過ごせた時間。そして、その時間が終わろうとしている駅のホームでのやり取りを書いてみました。


少しずつ距離が縮まっていく二人の空気感や、言葉にしきれない想いのようなものを感じていただけたら嬉しいです。


それでは、第13話をお楽しみください。


「気づいたらもうこんな時間か。」


「なんだか、あっという間でしたね。」


プラットホームに千春さんの一言が響いた。


アニメイトに行ってから数時間。


僕らは書店や眼鏡屋、服屋なんかに行ったりして

有意義な時間を過ごした。


最初は不安だったけどそれすら忘れるくらい、

気づけば二人で楽しんでいた。


「映画見て、グッズ買って、

他にも色んなお店を見て回りましたね。」


「うんうん、

正直まだまだ遊び足りないくらいだよ……。」


頭上の電光掲示板に目を向ける。


彼女の電車が10分後、

僕の電車が15分後に来るそうだ。


横を見ると、名残惜しそうな彼女と目が合った。


「家族以外の誰かと出掛けたり、一緒にオタ活するのって、こんなにも楽しいんですね。


私、初めて知りましたよ。」



頬にかかっていた髪を、そっと耳に掛ける。


「だからありがとうございます、小鳥遊さん。」


そう言って、一歩だけこちらに歩み寄った。


「今日、私を連れ出してくれて。」


千春さんの髪がふわりと舞う。


夕日を受けたそれは琥珀色に染まっていて、

見惚れてしまうほど綺麗だった。


「それはこっちのセリフだよ。」


そう言って、小包を千春さんに手渡した。


「えとっ、これは?」


「まぁまぁ、開けてみなさいな。」


戸惑いつつ、包みを開けていく。


「これって―――さっき私が買おうとしてた

缶バッジ?!」


驚きようが半端なかった。


「ど、どうして?」


「う~ん、今日のお礼みたいな?」


「そんなっ、受け取れません!!」


「待って待って、話を聞いて。」


慌てて袋に戻し始めた千春さんを制止する。


「さっき千春さんが言ってたみたいに、

僕も今日すごく楽しかったんだよ。」


子供をあやすように優しく静かに言った。


「雅之も含めて、 “はし恋” をここまで好きな人は

今までいなかった。


ずっとずっと、こんな機会を夢見てたんだ。」



「……それを言ったら私もですよ。」


俯きながら口を尖らせていた。


「他でもない君がいてくれたから、

今日夢が叶ったんだよ。」



「だから是非、もらってほしいんだ。」



「……。」


「その、ダメかな……?」


彼女からの返答を待つ。


「小鳥遊さんずるいです。

そんなの断れるわけ無いじゃないですか……。」


ボソッと呟いた。


千春さんは気を取り直すように深呼吸した。


「分かりました、ありがたく頂戴します。

ですがその代わり―――」


「その代わり?」


むっとした表情で、頬を赤らめている。


「……次行くときは、コーヒー奢ります。」


「え?流石に悪いって。」


「いいえ奢ります。決定事項ですからっ。」


「わ、分かったよ……。」


彼女の頑な態度に驚きながらも、何とか了承した。


「当日楽しみにしててくださいね、ゆうーーー

けふんけふん、小鳥遊さんっ。」


「……期待しとく。」


白い歯を覗かせ、へにゃりと眉を下げる。


その笑顔があまりにも眩しくて、一瞬言葉を失った。


[まもなく1番線に―――]


「あっ、電車来たので私はこれで。」


軽やかな足取りでドアの前に立つ。


「そ、それと、最後に!」


乗り込み際に振り向いて、


「また学校で会いましょうねっ!


優斗さんっ!!」



耳まで真っ赤に染めたまま、

彼女は電車の中へと消えていった。


―――ドクンッ


「……えっ?」


不意打ちみたいなその一言に、鼓動が大きく乱れる。


「今なんて―――」


聞き返すように伸ばした手の先に、

千春さんと電車の姿はどこにも無かった。


ただ二つ。


最後の言葉と、呆気に取られた僕だけが、

ひっそりと残されていたのだった。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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