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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第1章 君を知る

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10話 二人で映画

いつもお読みいただきありがとうございます。


好きな作品を語れる相手と、映画を観に行く約束をする。


それだけのことです。


決してデートではありません。


少なくとも本人たちはそう思っています。


今回はそんな二人の映画館での待ち合わせ回です。


どうぞお楽しみください。

「現在、待ち合わせ時刻30分前。」


腕時計を見てひとり呟く。


「早すぎても必死みたいだし、遅れるのは論外だしな。


丁度いいぐらいか。」


《っていうか、何で僕はこんなに気にしてるんだ?》


この状況がデートっぽいから?


いやいや、その思考はNGだろ。


「千春さんだってそんな邪な考えで来てないし、

僕が意識するのは違うだろう。」


酸素を吸って、頭を落ち着かせる。


「デートだと思わせない―――

そのうえで相手と自分が楽しむことを第一に。」


ふと、ガラス越しの自分の姿が見えた。


「にしても、まともな服がこれしかないとはな~。」


白のTシャツに黒のジーパン。


無難と言えば無難。


普通の一言に尽きるコーデだ。


「趣味以外に無頓着だったツケが回ってきた。


こんな機会があるなら、

服も新調しておくべきだったか……。」

``《あれ? 先客いた。》


待ち合わせだろうか?


休日の映画館。


洒落た格好。


おまけにさっきから何度も手鏡を見ている。


何だろう。


健気で可愛らしいな。


きっと、あの子の彼氏さんは幸せなんだろうな。


まぁ、僕には関係ない。


リア充爆発しろなんて、

考えるだけ虚しいだけだ。


だから目を逸らすようにスマホを開いた。【そっち着いたら連絡して~。】


【えっ、着いたんですか?】


【うん。】


【丁度、入り口付近の柱の前だよ~。】


【えっ?】


【私も、今そこにいるんですけど】


【うそっ?】


辺りを見回す。


カップル。


親子連れ。


高校生グループ。


カップル。


いない。


少なくとも周囲に、

彼女らしき影は見当たらなかった。彼女の恰好をまじまじと見る。


お団子ヘア。


黒縁メガネ。


黒茶の落ち着いた私服。


強い。


非常に強い。


オタク的に大変よろしくない。


「正直、眼福ものだよ。」


「えっ、なにもそこまで?」「時間ぴったしか……。」


胸躍ってるのは僕だけじゃないらしい。


嬉しさを隠し切れないのだろう。


千春さんは何度も、

背伸びするように踵を浮かせていた。


「それじゃあ行こっか。」


「はいっ、全力で楽しみましょう!」


その言葉に頷いた。


劇場公開初日。


隣には語り合える同志がいる。


限定特典もある。


さて―――


こっから面白くなってきたぞ。


気分は最高だった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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