第86話 結 お面
まさか、あの方が今回の主犯だったなんて……。
主犯に気付いた時には全てが終わっていた。レベリオは転生刑に処され、ミリシア様は処刑人に殺された。
せめての思いで主犯を神卓会議にかけようとしましたが、既に遅かった。
神達への聞き込みの最中、突如現れた天使が右手から聖光を放ち、アルフィナ様を貫く。
おかしい、おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい。
……こんなのおかしい
……こんなことをして許されるはずがない
私がアルフィナ様の死体の前でうずくまっているとお面をかぶった男が現れた。
「チャンスをやろう。今ここでお前も死ぬか、友を殺すか。」
「友を殺す、とはどういう……?」
「今転生刑を受けている天使・レベリオが転生し直す度に殺すんだ。」
「……わ、分かりました」
その後から私はレベリオが転生する度その世界に付いていき、様々な人物や生物に擬態してレベリオを殺した。転生刑は死ぬ度記憶がリセットされるからレベリオが私を思い出すことは無いだろうけれど、微かな希望を持ちながら私は殺し続けた。
……何度も
……何度も何度も
これで何回目だろうか?
私が殺した回数を数えるのを諦めた頃、レベリオは神に転生した。私はその世界の人間に化けて名のある者達を討伐して上り詰め、封魔師の長になった。
初めてだ。レベリオに負けたのは……。私は封魔師の軍勢を集めた合戦で"敗北"した。さらに何かの衝撃で記憶と能力を取り戻したレベリオにこてんぱんにやられてしまい、死んだよう偽装してからやむを得ず逃走した。
今度は妖に化けて襲い掛かってみたがやはり敗北。今回は逃げることもできなさそうですね……。
私はせめてレベリオに真実を伝えようと語る。こうなるに至った経緯を話した。
「主人が死んだ直後、私に貴方を殺すよう命令が下りました。恐らく、恐らく……ミリシア様や私の主人を殺させた神は……、、、、、です。」
、、、、、
声が出ない……意識が薄れていく。これだけは言わなければいけないのに、伝えなければいけないのに。レベリオの後ろに生えている木々の隙間からあのお面が見える。レベリオや狐の女は気付いていないようだ。
……私もここで終わりのようですね




