第133話 燐火結界
後半からは葛葉目線です
「敵襲です!」
烏月の言葉で我に返り、飛んできた紫色の光線を避ける。
「お仲間が殺られて傷心中な所悪いけど、今度こそ死んで貰うよ、レベリオ!」
「……ケルビムか。」
「そうだよ!僕で悪かったね。」
「主様、私が行きましょうか?」
前に出ようとする烏月を手で制止して自分が出ようとするが、後ろから肩を掴まれ、振り返る。
「葛葉?」
「わらわに殺らせてはくれぬか?」
「……ああ、頼んだ。死ぬなよ……」
牙王が死んだ後で「死ぬな」なんて言っても……
「ふっ、当然じゃ。ただ、お主の友であろうとなんだろうと手心を加えるつもりは無い。わらわは本気で殺る。」
葛葉が本当に怒っている。火霊土神と戦った時や、烏月との模擬戦の時とは比べ物にならないレベルで怒っている。
叫ぶ訳でも暴れる訳でも無く、ただ静かに淡々と……だが、目を見れば「本気で殺る」というその言葉が嘘偽り無く本気なんだと理解できた。
「はぁ~、僕の事、舐めてんの?下界の獣如きがでしゃばるな。」
「なんじゃ?その下界の獣に負けるのが怖いのか?連の位階の頭領と聞いてどんなのが出てくるかと思ったら……まさかただの目ん玉とはのぅ。実に愉快じゃ!」
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ただの目ん玉と言ったものの……奴から溢れ出ている"気"は明らかにわらわ達よりも格上。攻撃の相性によっては倒すどころか致命傷も負わせれずに殺られてしまう。
「火行術・燐火結界」
すると、狐の姿をした炎が現れる。
それはやがて巨大化し、ケルビムと葛葉のみを囲む炎の障壁へと変わる。
「かかるのじゃ……」
障壁の至る所から狐の姿をした炎がケルビムへと襲い掛かる。
「だから舐めんなって!」
紫色の光線が次々と狐火を消し去っていくが、それを上回る速さで狐火が出てくる。
「ぐっ、」
「どうしたんじゃ?手も足も出ないようじゃな。……全く、舐めておるのはお主の方じゃったな目ん玉。」
「目ん玉って言うな!」
「食らえ!」
「む?」
何故後ろからこやつの声が?まさか……分身!?
だとしたら厄介、燐火結界は外からの衝撃にはさほど強くない。……破られる。
バリンッ
「ふっ!やはり、やっぱり舐めていたのは君の方だったようだね!僕も本領を発揮しよう!」




