第130話 貫突
「ソノ剣ハ?」
「そうか、この世界の物は見たことが無いか。これはレイピアという武器の一種。」
「突き剣の一つと捉えれば良い。」
「ソウカ……」
あの細い突き剣と身体から放たれるとは思えない威力の一突……驚かされてばかりだな。
「我モ負ケテラレヌナ!」
「森ノ王・木々ノ怒リ」
巨木がエクエス目掛けて次々と突っ込んで行くが、全て一突きで粉々にされてしまう。
「同じ技は、食らわない」
「フハハ!誰モ同ジ技トハ言ッテオランゾ?」
「何!?」
巨木で球状に囲った。いくら壊しても木々が次々に生えてくるから脱出は奴では不可能なはず……。
殺さずとも動きさえ封じれれば今回はよい。連達の方へ少しでも戦力が行った方が幾分かは良くなるはず。そのためにもこれで終わって欲しいのだが……。
ザシュッ、ザシュッ
巨木が突きで壊されていく音はするが、即座に新たな巨木が生えてくるため、エクエスの姿は見えない。
「ウム、連ノ元ヘ行クトスルカ……」
「貫突」
「ム?」
「貫突」
「ムムム?」
エクエスの「貫突」という声と共にバキバキと巨木が壊される音が大きくなっていき、唐突に鳴り止む。
「ドウヤラシッカリ倒ス必要ガアルヨウダナ……」
「""貫突""」
耳鳴りが起きる程大きな掛け声と共に巨木の牢は全て破壊され、その隙にエクエスに抜け出されてしまう。
「私は能力が無い……だからひたすらにこの"突き"を極めてきた。私は突きに生涯を懸けている。あんな物で拘束できると思うなよ?」
我の渾身の新技をあんな物呼ばわりとは……だが、それでこそ倒しがいがあるというもの。
「ドウ捻リ潰シテヤロウカ……?」
「貴様が私に触れる頃にはその身体はさぞ風通しが良くなっていることだろうな!」
互いに睨み合い、構える。
「狼走」
先に動いたのは牙王。狼走の凄まじいスピードとステップで一瞬で近づき、顎を開く。
「貫突!」
やはり、こやつの突きはあまりにも捻りがない。直線すぎる。それ故にあれだけの威力を出せるのかもしれんが……。
身を翻して突きを避け、そのままの勢いで奴の首を……




