第128話 応龍技
「……儂の力は他の龍の力を借りる物。儂に力があるわけではない……だからこそ儂は数々の龍の元で修行した。自分が放てない無いなら他から盗めば良いからな。」
「何が言いたいんだ?」
はぁー、大龍は再びため息をつく。
「貴様は努力する方向を間違えた。正しい努力をするのも才能だ。」
「ハハッ……は、ハハッ…分かっていたさ」
ノビリスは少し苦しそうに笑う。
「だけど、これが僕のやり方なのさ!ハハッ!」
「ふっ、己を貫くその姿勢、嫌いじゃない。だが、儂のためにも貴様にはここでやられて貰うぞ!」
口から水で形成された小龍を大量に吐き出し、ノビリスへの攻撃を再開する。
思っていた程能天気な奴ではないが、やはり餓鬼。感情で動いている。
「龍技・雨龍」
人間程のサイズの小龍が波のようにノビリスへと押し寄せる。一体一体は大した強さではないが、何百もいるとなると話は別だろう。
感情で動く事は悪いことではない。感情あってこそ能力は本領を発揮し、強くなる。だが、儂は感情で動いて何度も大怪我をしている。
「光弾・屈折!」
小龍に当たる度に屈折して他の小龍へと次々に小龍が消えていくが、波の勢いは止まらない。
「感情に任せれば良いというものでは無いぞ!」
「ぐ、ぁ!」
ノビリスは完全に波に飲み込まれ、見えなくなる。強がってはいたが、さっきの拘束の際に食らった雷がかなり効いてるのだろう。
「光弾・屈折」
「な!」
なぜ後ろから声が…?
聞こえるはずの無い場所からノビリスの声が聞こえ、驚いてその方向を見ると飛んできた光弾をもろに顔に受けてしまう。
「……そうか、透明化か!」
「ハハッ、そうさ!これでやっとまともに一撃入ったかな?」
波に流されたように見せかけて儂の後ろに回り、攻撃。相変わらず姑息だが、悪くない。
「ハハッ!これからってことさ!」
「乗ってきた所悪いが……締めさせて貰うぞ。」
「え?」
「応龍技・龍宮千年海道」
空で戦っていたはずが周りが海のようになり、ノビリスは驚いているが、そんな事もお構い無しに技は進む。
キエェェェェッ
細長い魚のような龍のような生物が次々と現れ、その内の一匹がノビリスを咥えて海のより深くへ潜っていく。
「な、なんだこ、…れ…ゴホッ」
やがて海はノビリスと共に消えていき、その場には大龍のみが残る。
「はぁー、やっと終わったか……これであと千年は大丈夫だな。」
さて、連の元へ合流するか、牙王の手助けをするか……




