第127話 努力
「光弾」
先程同様の光弾。だが、それが突如爆ぜ、水龍による拘束を抜け出す。
「ほう?」
「光弾、屈折」
今度の光弾は大龍に当たるどころか全く違う方向へ放たれる。
「どうした?当てずっぽうに撃っても変わらんぞ?」
「ハハッ!それはどうかな?」
次の瞬間、全く違う方向へ放たれたはずの光弾が踵を返してこちらへ向かってくる。
「な!」
避けようとした時には既に全方位を光弾に囲まれており、全ての弾を被弾してしまう。
「ハハッ!あっけないね!」
被弾の際の爆発で発生した煙が少しづつ晴れていき、大龍の姿が見えていく。そこには光弾で全身を貫かれた大龍の姿……は無く、無傷であくびをしている大龍の姿があった。
「ノビリス、貴様今まで何人と戦った?」
「いきなりなんだい?何人と戦ったかなんて覚えてないしね!」
そうか、という風に大龍は頷き再び問う。
「なら、言い方を変えよう。貴様、前線に出たこと無いな?」
「ハハッは?何を言って……」
ノビリスの言葉を遮り、大龍は続ける。
「その光り輝く髪色、そしてうるさい口。見た目や口調だけならば貴様はもはや眩しいが、貴様の技にはどれも華が無い。」
「……。」
「消え分身し、不意打ち……それのみ。やっている事は人間の使う姑息な手と同じ。場合によっては人間の方がまだ華がある。」
「……。」
「まだ一緒に居た鎧の方が華がある。貴様はようするに見かけ倒しということだな。」
「ハハッ、ハハハハッ!言わせておけばベラベラと!華が無い?そんな事は分かっているさ!姑息な手?別に勝てればいいじゃないか!見かけ倒し?そうだよ!」
「僕には他の天使達みたいな大技も無いし、技も地味。正直下位階の天使とやっていることは大して変わらない!」
「そんな事は僕が一番!……分かっているさ……だけど、どうしようも無いじゃないか……才能は努力だけじゃ埋められないんだよ!」
はぁー、うじゃうじゃうじゃうじゃと!全く……やはり、ガキだな。
「ノビリス、貴様は"才能"を履き違えている。」
「……。」
「努力だけじゃ埋められない?そりゃそうであろう。儂は確かに華が無いと言ったが、それは大技を放てるだとかそういう話をしているのではない。」
「じゃ、じゃあどういう……。」
「……儂の力は他の龍の力を借りる物。儂に力があるわけではない……だからこそ儂は数々の龍の元で修行した。自分が放てない無いなら他から盗めば良いからな。」
「何が言いたいんだ?」
はぁー、大龍は再びため息をつく。
「貴様は努力する方向を間違えた。正しい努力をするのも才能だ。」




