第118話 酸性雨
バチッ
振り下ろすタイミングで宝刀から静電気のような音が聞こえ、宝刀が黄色く光る。
宝刀がケルビムの身体に接触した瞬間、刃が入るよりも速く雷が落ちる。
「ぐぎゃっ」
断末魔とも言えないような情けない声が巨大化したケルビムから聞こえる。体が合体によって巨大化していたため、一撃で死ななかったようだ。
雷が直撃した部分は黒く焦げており、目?というか体からは涙が出ている。ケルビムは大きな目玉に翼が六枚生えているため、どこからどこが顔で体なのかがよく分からない。
「い、痛い…うっ、痛いよぉ……」
ケルビムは泣き出してしまった。元々少し幼い部分があったが、まさか戦闘中に泣き出すとは……
「おいおい嘘だろ?……はぁー、俺を殺しに来たんじゃ無いのかよ……」
そう言うとケルビムはこちらをギロりと睨み、泣くのを止める。
「そうだね……レベリオを殺して僕が終わらせなきゃ。これ以上犠牲を出すわけには……いかない。」
再びケルビムの目の前に紫色の光が集束し始める。光の球体はやがて巨大化し、放たれる。
光線が俺へ一直線に高速で向かってくる。
ケルビムの攻撃はとても速いが、攻撃は単調で一発のみ。まだ反応圏内!
プスッ
また肉を貫き焼く音が聞こえる。確かに放たれた攻撃は避けた。それなのに右の脇腹には新たに穴が空いている。
「……後ろか」
「別に全ての僕が合体したとは言ってないからね」
後ろを見ると手の平サイズのケルビムがいたので、軽く宝刀を振って斬り伏せる。
何故か力が湧いてきたとはいえ、出来るだけ温存して置きたかったんだが……それどころじゃないな。
「妖火」
紫色の炎が宝刀を包む。
「装甲」
右手を装甲で固める。
「狼走」
俺は狼走で素早くケルビムの右側に回り、射線を一時的に切ってから斬撃を放つ。紫色の炎を纏った斬撃はケルビムの翼を二枚斬り落とす。
プスッ
カスった。今度も後ろから打たれた。翼を広げて一度上へ上昇する。
改めて上から見てみるとまだ合体していないケルビムが少し残っている。一掃するか……。
「白虎、雨を頼む」
晴天だった空は次第に曇っていき、雨が振り出す。そこにあれを混ぜる。
「酸液」
ここら一帯全部溶かす。




