第113話 友達
「そうか……まぁ、とりあえず!」
「聖光・連弾」
俺の聖光は正確にケルビムの目玉を貫き、ケルビムは黒い灰となって消える。
「いきなり殺すなよ!」
俺の後ろからケルビムの声が聞こえる。
「相変わらずどうなってるんだ?」
俺の目の前には目玉を貫かれて動かなくなったケルビム。後ろには五体満足でこちらに話しかけているケルビム。
「いくら僕が何体もいるからって、いきなり殺すなよ!昔の君はそんな奴じゃなかったのに……」
「ケルビム、お前が俺の事をどう思っていたのかは知らないし、正直どうでも良い。だけど勘違いされっぱなしなのは気に喰わん!」
「勘違いも何もお前が全部殺ったんだろうが!」
あー、これじゃ埒が明かない。一旦倒すしか、無いな……。
「くたばれ下衆野郎!」
……上!?
上からケルビムの声が聞こえ、とっさに俺は右に飛ぶ。
プスーッ
俺の居た場所は紫色の光線により黒く焦げている。上を見ると先程のとはまた別のケルビムがいる。
一体何体いるのだろうか……一体一体が対して強い訳ではないから対処可能だが、攻撃は当たれば致命傷。
さらにケルビムは瞬間移動、幻影など、様々な技が使える。手数では負けない自信があるが、今までにラーニングした技は俺が使うにはまだ付け焼き刃状態。全く使いこなすことが出来ていない。
「なんじゃ、敵襲か!」
「大丈夫ですか、主様!」
烏月と葛葉やその他の妖達が騒ぎを聞きつけ集まってくる。この数がいればケルビム相手でも……。
「瞬間移動」
ビュンッ
景色は一瞬で変わり、恐らく山?の様な場所に俺は瞬間移動させられた。
「俺とあいつらを引き離した訳か……。」
「あれだけいると僕が何人殺られるか分からないしね、それに僕が殺すのは"君"だけで十分だ。」
ケルビムの後ろからさらにケルビムが10体程出てくる。詳しい場所は分からないが、国からは相当離れてそうだな……一人で倒すしか、無いな。
「聖光・連弾」
聖光が次々とケルビムを貫いて行くが、後ろからさらに多くのケルビムが出てくる。
「見ない間に随分と増えたな!」
「君こそ、威力が結構上がってる。もしや、力のためにミリシア様やみんなを……ゆ、許せない!」
あー、なんかどんどん勘違いが深まっている気がする。なんかあいつ面倒臭いな。
まぁ、何年経っても、どういう形であろうと、俺の数少ない友達だ。これ以上失う訳にはいかない。
※ケルビムは分身や幻影を使用しているわけではなく、分裂に近い事をしている感じです。なので、全て本体という解釈で大丈夫です。分かりにくくて申し訳ありません!




