表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。  作者: 棚から現ナマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/113

67 ちょうちょの受難



「やってらんねぇ」

ちょうちょは、やさぐれていた。


(見てみろ、俺の可愛らしさを!)

ちょうちょに反して、スーはごきげんだ。


「お前、それでいいのかよ……」

ちょうちょは、うんざりとした目をスーに向ける。


今のスーは、布袋に入っている。

まんまの袋だ。すっぽりと袋の中にスーが入り、入り口が少し絞られて、脱げにくくなっている。

顔というか、全体の1/3が袋から出た状態だ。

袋詰めのスライムが出来上がっている。


まあ袋とはいえ、少々手は込んでいる。

袋の色は白だが、全体に花が刺繍されているし、絞るための紐は共布で作られている。

ティナが前回言っていた、ティナ手作りの服だ。


ペットに服を着せる飼い主の気が知れない……。

ちょうちょは頭を振る。

自分も、しっかりティナから服を着せられているからだ。


ちょうちょの服は全体が黄色の貫頭衣で、胸のフリルが切り替えになっている。丁寧に作られており、ティナの思いが伝わるようだ。

が、こんなファンシーな服をちょうちょは着たくない。

可愛い系のちょうちょだが、自らを俺と言う、ワイルドを目指すオスなのだから。

厳密にいえば、魔素(マナ)の塊の妖精に性別は無いが。


「ウフフフ、やっぱり似合うわ。はい、これも付けてね」

「ウワワワワッ」

ティナはちょうちょの頭に貫頭衣の共布で作ったリボンを付ける。

ちょうちょは嫌そうに頭を振るが、ティナに分かってはもらえない。


(いいなぁ、ご主人様、俺には? 俺には?)

「そんなツルツル頭に、リボンが付けられるかよっ」

ちょうちょはスーに八つ当たりをしてしまう。


こんな屈辱、耐えられない。

今すぐにでも頭のリボンをむしり取り、服も脱いでしまいたい。

そんなことをしたら、スーが煩いのは分かっているが、そんなこと知ったこっちゃない。

だが、それが出来ない理由がある。


その理由は……。

「さあ、クライブ様が待っているわ、そろそろ出ましょうか」

ティナに促される。


そうこれだ、クライブだ。

クライブのせいで、ちょうちょは、こんな屈辱な目に合わされているのだ。

クライブはカーバンクルを失った悲しみに沈んでいたが、目の前にカーバンクル並みに可愛らしいのがいるのに気が付いた。

スライムの頭上を陣取っている、ちょうちょの存在だ。


クライブは神獣の加護があるために、ちょうちょが見えている。

言葉は通じないが、見た目可愛く小さなちょうちょは、クライブのタイプど真ん中だ。

なんせ、神獣がいても逃げないのだから。


そして、ちょうちょは食いしん坊だった。

しょうがないのだ、レベルアップで取得した特性ステルスの副産物として “飢え” がある。

お腹が空いて、お腹が空いて、どうしようもなくなってしまった時、ティナから貰って食べたサンドイッチは王宮シェフが作った、最上級の逸品だった。

おかげでちょうちょは、王宮サンドイッチが食べたくてたまらない。

食堂で作って貰う食事も美味しい。でも、王宮サンドイッチを求めてしまうのだ。


クライブへサンドイッチをくれと頼みたいが、言葉が通じないのでグリファスに頼んだら、どういう話をしたのか、交換条件を出されてしまった。

サンドイッチを食べている間、クライブと一緒に過ごすというものだ。


嫌だ。

王族なんて、人族の階級だから妖精のちょうちょには関係無いし、いくらキラキラしている美形だとティナが言っているとはいえ、こちとら可愛い系とはいえ、美形が基本の妖精族だ。容姿どうこうはノーカンだ。

せめてお姫さんだったら……。やっぱり嫌だ。


それなのに、クライブに会うことになった時、ティナは王子様に会うのだからと、ちょうちょに服を着せることにしたのだ。

せっかく服を作っていたから、おめかしをさせたいらしい。

非常に迷惑な発想だ。

王宮サンドイッチを食べるためには、嫌でも着飾ることになってしまったのだ。


クライブがいるのは王宮の王子宮という所らしいが、ティナが恐縮して王宮には近寄らないので、わざわざクライブは学園にサンドイッチを届けてくれる。

そこで一緒にお茶をするという流れだ。


サンドイッチを手に入れさえすれば、こっちのもんだ! と、ステルスを使ってみた。

もの凄くお腹は空くが、サンドイッチはあるのだし、俺の勝ち! と思ったら、加護持ちのクライブにステルスは効かなかった。

もちろんティナとグリファスにも効かない。スーだけが、ちょうちょを探してキョロキョロしていた。

ステルス、役にたたねぇ。


「さあさあ、行くわよ」

(はーい)

ティナは立ち上がり、ティナといれば、いつでもご機嫌のスーも一緒に動き出す。

スーの頭上にいるちょうちょも必然的に行動を共にすることになる。

なんせクライブに会うのは、ちょうちょのためなのだから、ちょうちょがいなければ話にならない。



コンコンコン。

寮の部屋から出ようと、ティナが扉に手をかけた瞬間、誰かがドアベルを鳴らし(木槌を叩い)たのだった。






※ ブックマーク登録が1,000件を超えました!

ありがとうございます。

とても嬉しいです。執筆の励みになります。

これからも頑張って投稿していきます。


まだの方は、ぜひ登録していただけたら嬉しいです。

よろしくお願いします。




※ ≪お知らせ≫  

ホームページをやっております。https://tanakara.sakura.ne.jp/ よろしければ、遊びに来てください。

「最強スライムはペットであって~」の更新予定は、そちらの『お知らせ』に記載しています。

自作ホームページのため、エラーやバグは、お友達です。突っ込みは、ご容赦下さい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
キレるとちょうちょクンと二匹してヤカラみたいになるのに、ご主人さまにはデレデレなスーちゃんが愛おしい。スライム好きにはたまりません! この回でおめかしさせてもらっての反応も良き♡ 設定やバトルシーンも…
 今んとこ『飢える』というデメリットしかないな、ステルス…(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ