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ソファベッド  作者: 中島 世期 seki
1章 猫にマタタビ:僕の憂鬱
75/88

75話 おあいこ

【夏梅はどうなの?】


「SEXするたびにオルガスムスに達するの?」


 なんだよ?僕は天十郎の顔をマジマジとみた。こいつ本当になにがしたい。自分と夏梅の関係を探ろうとしているのか?


「うん、そうだな」


 夏梅は、一般論から夏梅自身に絞られて、素直に考えている。おい、話すのか?僕は驚き、夏梅はそこまで心を開いているのか?こいつに?聞きたいような…。聞きたくないような…。複雑だ。


「オルガスムスも毎回だと疲れるからな…。その時のSEXの主旨によって違う。自分で調節するようなところがあるな…」

「調節が出来るの?」天十郎が驚いた顔をした。

「出来ない」夏梅が笑いジワが出来るほど、顔をくちゃくちゃにしてケタケタと笑った。さらに天十郎は、突っ込み始めた。

「夏梅さ、俺のSEXと塁のSEXの違いはなに?」

「なに?何か演技の勉強?」

「いや、そうじゃなくて、知りたいかな?」

「知りたいか…、知ってどうするのかな…」少し考えて「塁との一番の違いはね」



【おい、夏梅、答えるのか?】


 この二人はいったい、なんの話をしている?焦り気味の僕だが夏梅は淡々としている。


「愛しているって感情を分け合う他に、ストレス解消みたいなところがあるでしょ。だから仕事とか、育児とか、何かほかに夢中になって、満たされている時はSEXしなくてもいい。SEXしたいと考える事もない。だけどSEXが必要だと思うときに、呼びたい人とそうじゃない人の違いかな」


「つまり、SEXしたい時に、塁の事は呼ぶけど、僕は呼ばない。と言う事か?」

「基本はそうかな」

「呼びたい人は、傍にいるだけでも安心するし、SEXしなくても胸に顔を埋めているだけで、ストレスが解消する」

「つまり塁以外では、ストレスは解消されないという事か?」

「そうかもね」

「じゃあ、SEXしたい時はどんな時?」

「呼ばれた時」

「呼ばれた時って?」

「ストレスが解消できる相手に、呼ばれた時に、とってもSEXしたい」

「ふーん『SEXしたいよ』と、呼ばれた時?」

「ちょっと違う。いやそうかな?あー。面倒だ。その白黒付けたがる天ママの性格」

「なんだよ」

「そうかも、SEXという言葉や行為ではなく、名前を呼ばれても、その時の相手の気持ちは伝わって来る」


 考えながら天十郎はひとつひとつ夏梅の気持ちを確認しているようだが、そもそも論が違うような気がする。



【僕は混乱した】


「じゃあ、その夏梅が感じるストレスってなに?」

「怒っているよ、つらいよ、悲しいよ、悔しいよ、嬉しいよ、楽しいよ」

「嬉しい、楽しいも入るの?」

「入る」

「それじゃ、自分の感情を、相手に丸投げしているようなものじゃない」

「そうかも、だけど相手の感情も、丸投げしてもらっているから『おあいこ』」

 夏梅はこんな事を考えていたのか『おあいこ』ね。僕は思わず噴き出した。確かにそうだ。それぞれ、自分では吐きだした感情を自身で受け入れられないから、それを相手にぶつけて、SEXしているところはあるな。


 だから、体があるときは、どんな外部的要因のストレスがあっても、SEXで耐え抜いているようなところはあった。天十郎は『おあいこ』という感覚が、つかめないように不思議そうだ。


「それが『おあいこ』でなくて、一方的に感情を押しつけられたら、吸収することも、納めることも出来ずに、押しつけられた方は逃げたいよね」

「うーん」



【俺はSEXで、感情を押しつけている方か?】


「いや、天十郎のSEXは感情のない、SEXだから平気」

「はあ?」

「感情のあるSEXは、蒲としているでしょ?」

「まあ、そうか?相手を蒲に例えると、意味あいもわかるような気がする。相手の欲望だけに、付き合わされると、ご奉仕しているような気分で、SEXしたくなくなるな」

「天十郎は、雄の本能だけだから」

「本能だけだったら、いいの?」

「うん、でも男性で、そういう人は少ないじゃないの?おおよそSEXには、支配力や優越感などが加味されるよね。今のところ、天十郎から感じない」


 天十郎は納得できないような顔をしている。


「だからさ、みんなの憧れバル乳の私とSEXする事で、他の男を蹴散らした気分になる?」

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