28 シルバックとは、どう?
薄々感じることはあった。
イコマとンドペキ。
避けあっている、ほどではないにしろ、できることなら一緒にいたくないという気持ちがあるのでは。
それはそうかもしれない。
全ての記憶を共有し、意識も同期していた。
それが一時期、大いに役立ったわけだが、今となっては、なんとも居心地の悪いことではないか。
それにしても、と思うことがもうひとつ。
ユウとスゥの間にも、微妙な間合いが感じられるのだ。
大人の世界ってことかな、と気に留めないようにしているが、今回のような事件が起きると、何とかならないのかな、と思ってしまう。
今も、そう。
パパを呼んでくると言うと、ユウがいたら無理に連れ出したりしないでね、とスゥは言ったのだった。
ユウも来ればいいじゃない。
でも、ライラの眼が変に煌めいたのを見て思い留まったのだった。
「ねえ。私」
隊員と並んで歩きながら、どうすればいい? などと聞きそうになって、急いで話題を取り繕った。
「思うんだけど、好きになった人と結婚するって、自然なことなんだね」
あまりに場違いな話だと思ったが、案の定、隊員は怪訝な顔をしただけだった。
行きがかり上、
「シルバックとは、どう?」と、聞いてみる。
ンドペキとスゥが家族として一緒に住むようになって、東部方面攻撃隊の隊員達に少なからず影響を与えていた。
異性を好きになるという当然の感情を、誰もが思い出していたのだ。
この隊員とシルバックの仲についても、噂が流れている。
「なにもこんなときに」
「ふうん。やっぱり、そういうことなんだ」
「チョットマ、待てよ」
「いいことだと思うよ」
「おい」
「シルバック、友達なんだけど、なにも話してくれないなあ」
そんなことを話しているとき、スゥが追いついてきた。
「交替」と、隊員を帰らせてしまった。
話題の収束の仕方に困っていたチョットマは、ほっとすると同時にうれしかった。
スゥもやはりパパを心配してくれていたんだ。
「イコマなら、なにか知ってるかも」
それもある。
イコマの部屋に行けば、ユウと会うことになるかもしれない。
それでもスゥが行こうという気になってくれたことを素直に喜んだ。
「だよね!」
しかし、イコマもユウもいなかった。
部屋で待つというチョットマを残して、スゥは出かけていった。
薬を探してみると。




