出演陣による座談会!(3)【お題2】
「それでは続いてのお題は⋯⋯おっ!」
名無しくんが引いたのは。
「本編では語られていないこの人のこんな所が凄い!」
観客に見せている名無しくんと出演陣の悩ましい顔つき。
「おや?特にない感じですか?」
「「「「「いや、あり過ぎて困る」」」」」
ありゃありゃ?と言う名無しくんのガクンッとした表情。
「ではでは、書いていただきましょうか」
それぞれがフリップに書き込んでいく。
「それではご準備できましたかね?
では⋯⋯どうぞ!」
カタンという音と共に、全員のフリップを確認する名無しくん。
「おっ、伊崎さんは衣里のスペックが高すぎる。
衣里さん、理沙さんは揃って伊崎湊翔の知られてない一面が多過ぎる。
石田さんも同じく伊崎さんの功績の全て」
「真壁さんもすごい所が多いっていう似通った言い方ですね」
「オイオイお前ら⋯⋯特に何もしてないだろ。
俺を気持ちよくさせなくていいんだぞ?」
「アンタ自分の事何も喋らんじゃん」
「そうだよ。
もっと自分のこと喋らないと」
石田と理沙に詰められ、負け気味の伊崎。
「これは⋯⋯では、ですね。
ひとまず最初に書き終えた衣里さんと理沙さんから順にお聞きしますか」
「これは一応申し上げておきたいのですけど、大前提伊崎さんは普通の事もこなしているという事は脇に置いてお話しますね」
衣里は姿勢を正して語る。
「物語を読みましたが、そこから太くしていくということを考えると、障害者施設の支援、並びに孤児、児童放課後施設の投資額は日本で一番でした」
ウンウン、と石田は猛烈に頷いている。
「恐らく尺の都合上仕方なかったと思いますが、この時同時に個人のポケットマネーから回せるようにということで運用も並列で行いながらやっていました。
これだけでも十分凄まじいことですが、この後、日本の食料自給率を79%まで持っていったのはほとんど伊崎さんのおかげです」
「あーそれもあったね!衣里ちゃん!」
うんと衣里は頷いて続ける。
「物流の労働の仕組みや介護、保育士などの給料アップを行えたのも伊崎さんのおかげですし、少子化だった当時の日本を一気に結婚ラッシュに変えたのも伊崎さんです。
⋯⋯これは誇張ではなく、ほとんど一人の力で行い、やらせてたのは政治家に文句を付けて必要なところは自分で90%賄っていました」
「それは凄まじいですね」
「えぇ。
ですので、本当に英雄と称えられても仕方ないのですが、誰もこの男の名前を知る人は居ません。
右の党が褒められる一方で本当に知っている人たちは皆伊崎さんの所に集まって毎日会食の嵐でした」
一礼して理沙に話を振る衣里。
「ありがとうございます。
理沙さんはどうですか?」
「伊崎くんはこんな感じなんだけど、子供と疲労困憊の人たちには絶対に余計な事をしないというのもみんなの知らない側面かなぁ?
あとは農場にも必ず顔を出して、農家の人たちとコミュニケーションを取ったりして尊敬されてたりとか」
「⋯⋯メッチャクチャ恥ずかしいからやめてくんない!?」
振り返って大真面目に声を張る伊崎と笑う観客。
「真壁さんはどうでしょう?」
「⋯⋯正直今言ったものが全てだろうが、やはり身内にかける金の量は異常だな」
「物語でもかなり掛けているように思いましたが」
「あぁ。
だが、あれ以外にも日常的に外商やデザイナー、もっと言えば鈴と大地の私服の為に呼び付けて作らせたり、衣里なんかはコリックマの会社ごと買収して優先的に色々渡していたりしていた」
「なんだよお前ら!
下げとけよ!」
「「「「だって下げるところが無いんだもん」」」」
「⋯⋯泣けるぜ」
もたれて泣きそうな顔の伊崎。
そんな中名無しくんの顔は酷いものだ。
「さて、VTRが用意されています」
そこにはウン百万しそうなスーツを着こなすあの帝王。
"伊崎湊翔さんはご存知ですよね?"
『もちろんですよ。
俺達はズッ友ですから』
"伊崎湊翔について、まだ誰も知らなそうな情報を教えていただければ"
『あー⋯⋯強いて言えば、傍若無人に見えて、意外と落とし所は考えている所ですかね』
"もう少し詳しく知りたいです"
『あー。
例えば法案一つにしても、その場にいる全員の立場を理解した上でしっかりどこら辺が妥協出来るか。
またはラインをどの辺りから超えるのかっていうところをすごく良く見ているって感じですね。
やっぱり普通ならあの感じじゃないですか。
ワガママ言って⋯⋯俺だ俺だ!って。
けどそれをやるのはちゃんと理由があったり家族関連の時だけなんですよね。
ゴネても二回やって終わったりとか。
意外とそういう所がオジやマダムの皆さん方から好かれていた所以でもあったのかなと』
Vが終わり、伊崎の顔がフォーカスされる。
「ぶぐふっ⋯⋯」
隣の石田が限界で噴き出している。
「大人気じゃないですか、伊崎さん」
「名無しくんは後で裏な」
「うわっ!!嫌だ!!誰か助けて!!」
「ほら、伊崎さん!
あと俺がいるんで!」
「くそっ、ニマニマしやがって」
「あっ、では石田さん!」
「まぁ功績ってよりは、単純に個人的に"伊崎湊翔"という人間を通して悟った事ではあるんですが」
「ほう」
「やっぱりお金持ちや所謂社会的強者⋯⋯ですよね。
この人を見ているとこの世界でのお金の増やし方というか、そういうものが凄く見えた気がするんですね」
「というと?」
「まぁご存知の通り自分は横で秘書と運用だったり、色々な役割をやって来たんですけど、ボランティア、そして投資、人脈?
この辺りのやり口がほぼ同じなんですよね。
例えば孤児院なんか行ったときは、支援者ってあると思うんですが、そこには草薙の名前がありました」
「え!?あの人ですか?」
無言で頷く石田。
「意外でしょ?
伊崎さんにしろ草薙にしろ、写真に載ってるこの強者たちは笑顔で子供と笑っていました。
⋯⋯結局自分自分していない人間に天は味方をするのかなって何回も痛感させられました。
そして、例えばさっき上がった孤児院と施設の話からあるように、そこで作られたものが結果的に審判の日以降の必要物資として使われたり、身近な仲間たちの予備となったり。
巡り巡って全てが循環しているって事がこの人を通して凄く色々分かった気がします。
それでこの人の危機というか、株式が危うい問題が来た時なんかは何故か周りが全員助けようとするし、さっきも出た農場なんかに至っては、この人がいる時といない時で差があるくらい育ったりするんですね。
だからやっぱり傾倒はしませんけど、なんか目には見えない存在はいるんじゃないかなって思ったりは凄く感じました。
それから自分も持ってる配当なんかを結構貧しい子供たちや海外の本当に必要な所に届けるような努力をするようなりました」
「ね?コイツ、意外と俺のこと好きなのよ」
ドヤ顔で親指で差す伊崎を叩く石田。
「誰が好きか!」
「というわけでほとんどが伊崎さんについてのメインテーマでしたが、次のテーマに行きたいと思います!」
「サラッと俺無視されてるんだけど」
「この場においては空気ですからね」




