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沙夜子の自殺

リスカ表現あります。

 図面を描いていた聖流はスマホを耳にあてた。


「はい、藤岡です」


「...........」


「もしもし? 」


「.........聖流......」


「どうした、聖詞? 」


「死んだ..............

 沙夜子さんが..........手首を切って........」


 聖流は思わず、勢いよく立ち上がった。


 他の同僚たちが驚いて聖流を注目した。


「死んだ......

 あああああああーーーーーーーっ!! 」


 聖詞は完全に正気を失っていた。


「聖詞!

 落ち着くんだ!

 今行くから!

 そこで待ってろ!! 」


 聖流は通話を切らずにスマホを上着のポケットに入れた。


 上司に、家で事故が起きたと説明し早退した。


 会社を出るとスマホを取り出して、歩きながら聖詞に話し掛けた。


「聖詞!

 聞こえるか!? 」


 応答は無かった。


 それでも聖流は聖詞に話し掛けながらアパートまで歩き、アパートから車で実家へ向かった。


 車を運転してる間も応答の無い聖詞に話し掛け続けた。


 実家に着いてリビングに飛び込むと聖詞は、顔を血だらけにして壁に凭れ、壊れた人形のように脚を投げだし、床に座り込んでいた。


 その傍に電話が転がっていた。


「聖詞!

 しっかりしろ! 」


 聖詞の身体を揺すったが聖詞は放心状態で反応しなかった。


「沙夜子さんは何処だ! 」


 聖詞はぼんやりとした表情で風呂場を指した。


 聖流は風呂場に行った。


 沙夜子は下着姿で壁に寄りかかり、降り注ぐシャワーの下で眠ってでもいるかの様に顔を傾げて、手首から血を流していた。


 聖流は取り敢えずシャワーを止め、スマホで救急車を呼んだ。


 放心状態の聖詞をソファーに座らせ、救急車を誘導する為に外に出ると会社の真聖に電話した。


「聖流、どうかしたのか? 」


「沙夜子さんが手首を切って自殺したんだ」


 真聖は黙った。


 暫くして、枯れた声で真聖は言った。


「..............それで容態は? 」


「解らない、今救急車を呼んだ処だよ」


「解った、今帰る」


 救急車が来ても沙夜子は暫く病院へ運ばれる事は無かった。


 警察や医者などが呼ばれ、真聖が帰って来る頃には、家の中は男たちでごった返していた。


 沙夜子の遺体が一端病院に運ばれた後誰かが、沙夜子が妊娠していた事を話していた。


 それは聖詞の耳にも聞こえていた。


 聖詞はただ大きく目を見開き俯いた。


 聖流は聖詞を二階の聖詞の部屋に連れて行きベッドに座らせた。


 絶え間なく質問されるが聖詞はそれに対応できる状態では無かったからだ。


 聖詞は項垂れ、気力の総てを奪われていた。


「僕が殺した..........

 僕が殺したんだ...........」


 聖詞が呟いた。


「違う!

 彼女は自分で勝手に命を断ったんだ!

 聖詞のせいじゃない! 」


 聖流は思わず怒鳴った。


「僕が殺したんだ! 」


 聖詞は立ち上がり頭を抱えた。


「僕が彼女を追い込んだ

 僕が愛したから........」


莫迦(ばか)、目を覚ませ!

 彼女はそんな綺麗言が似合う女じゃ無い!

 お前はただ、親父の身代わりに体よく性欲の捌け口にされてただけだ! 」


 聖詞はゆっくりと顔を上げると聖流を睨み付けた。


「彼女を侮辱するな.......

 例え聖流でも許さない」


 聖流を睨み付ける聖詞の目は、聖流が未だかつて見たことの無い、聖詞の怒りに満ちた目だった。


 聖流はこれ以上、聖詞の神経を掻き乱すことを恐れ、黙って部屋を出た。






 読んで戴き有り難うございます。

 聖詞の章は最初の方で核心が描かれています。

 ラプンツェルの接吻本編を読んだ方は別視点の同じシーンを読むことになります。

 比べながら粗探しすると面白いかもです。笑

 今頃言うなと云う話ですが、昨日水渕成分様の感想に返信した時、初めて気付きました。笑

 相変わらず呑気です。笑



 新作難しいです。(TT) 

 たった二人しか登場しなくて、同じ場所で最後までと言う代わり映えのしない構成で、どうやってストーリーを進めていいか、解りません。涙

 活字中毒の娘に読んで貰ったら、こりゃまたエコラリアに匹敵する癖の強い作品で、最初の一話で読む人、ふるいに掛けられるね、と言われました。泣

 と、言う事はまた、アクセス数伸びない決定だなあ。(T△T)

 とにかく、書き進めるのが難しい作品で、未だかつて無いほど、筆が進みません。苦

 書いてるの苦痛かもです。

 お陰様でやり応えありますわあ。笑





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