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遠く

 読んで戴けたら嬉しいです。

 聖流は一週間の間の殆どを部屋に籠り、誰とも顔を逢わせる事ができなかった。


 聖詞が心配して声を掛けても返事すらできない。


 何故貴都李にムカついたのか。


 何故貴都李に声を掛けたのか。


 何故貴都李にキスをしたのか。


 様々な出来事に答えを探した。


 そしてそれは、後々まで答えが出る事は無かった。


 八日目の午後、聖流はふらふらしながらリビングに降りた。


「聖流! 」


 学校から帰っていた聖詞が駆け寄って来た。


「大丈夫なの? 」


「聖詞、ごめんな

 心配したよな」


「今、ご飯持って来るから」


 聖詞はキッチンに飛んで行った。


 聖流はソファーに座った。


 リビングを眺めていると、何処かずっと遠くから帰ったような安堵が湧いた。


 聖詞が大きなどんぶりにご飯を山盛りにして持って来た。


「一週間も何も食べてないよ

 お腹凄く空いてるよね

 いっぱい食べなくちゃ」


 聖詞の優しさが身体に染み入る気がした。


 聖流は笑った。


 笑うと言う感情が懐かしい。


「有り難う、聖詞

 でもこんなに食べたら、お腹パンクしちゃうなあ」


 家政婦の河合さんが買い物から帰って来た。


 聖流の顔を見ると笑顔で言った。


「まあ聖流さん、良かった

 今、何か作りましょうね」


 河合さんは聖詞の手から山盛りご飯を取り上げた。


「聖詞さん、こんなに食べたら逆に吐いちゃうんですよ

 もっと柔らかい物から食べないと」


 河合さんは雑炊を作って聖流に出した。


 聖流がキッチンで雑炊を食べていると聖詞が寄って来て言った。


「貴都李さん、ずっと来ないね」


 聖流は胸が撃ち抜かれたように痛み、思わず目を閉じた。


 目を開けると聖流は優しく言った。


「聖詞、貴都李は家族の都合で遠くへ行っちゃったんだ」


「そうなんだ......

 お別れも言えなかった」


 聖詞はしゅんとした。


「そうだね.......」


 聖流は遠くを見ていた。




     貴都李の章    fin





 読んで戴き有り難うございます。

 貴都李の死に対して聖流が受けた衝撃は計り知れないです。

 後の聖詞への理解に繋がって行きます。


 久々にlynch.のアルバム買いました。

 相変わらず、めちゃくちゃハードな曲ぶちかましてくれて嬉しかったです。

 lynch.はadorと言う曲がインディーズチャート一位とる前から目をつけていたバンドで長い付き合いです。

 今はメジャーに行って、相変わらずドカドカうるさい音出していて、そしてメロディアックな曲も良くて、ファンになって良かったなあ、と思えるバンドです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完結お疲れ様でした。 最後は聖流の聖詞への優しさですね。
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