24、夢?現実?
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「初めまして。私の名前は柏崎恵『かしわざきめぐみ』 鏡原さん、よろしくね。」
三つ編みにしていて文学少女と言う印象を受けた。きっと眼鏡が似合うだろうなと思う。
「同じく初めまして。私の名前は霧島香『きりしまかおる』 鏡原さん、よろしく。」
この子はボーイッシュな感じで男装が似合いそうだ。
「では私の番ね。初めまして。私の名前は日向綾子『ひゅうがあやこ』同じくよろしくね。」
ポニーテールにして実に活発そうな印象を受けた。
僕は2度目の人生で鏡原三花として転生して小学校初日で自己紹介した後、掛けられた言葉と感じた印象を思い出した。
彼女達と共に過ごしてきた時間を。
なぜ突然思い出したかと言うと、夢に出てきたからだ。
4人で一緒に遊んだ記憶。
僕は目覚めるとなぜか頬を濡らしていた。
そして共に思い出されるのが、当時お抱え運転手だった福島大貴『ふくしまだいき』さん。
彼女達や彼は今頃どうしているのだろうか?
縁があればいずれ再会を果たすと思う。
僕の中にいる魂の三花ちゃんも思い出した様で、
《雄蔵君、きっといつか逢えるわよ。》
《そうだね。》
それは2年後、高校に進学した時に訪れた。
名門校に入学して自己紹介の時に衝撃を受けたのである。
ちなみに三花ちゃんと僕は同じ高校の同じクラスになった。
これが必然であるかの様に・・・。
なんてことはない。特殊能力の一つ『設定』で同じクラスにしたからだ。
そして驚いた事に意図せず彼女達が同じクラスにいたのだ。
夢にまで見た、柏崎恵ちゃん、霧島香ちゃん、日向綾子ちゃんの3人だ。
僕は感慨にふけりながら彼女達の自己紹介を聴く。
『ああ・・・あの時と変わらない。』
しいていうなら3人共高校生になり立派な女性に成長していた事である。
印象は3人共小学校初日に感じた時と同じだ。
「では次の人。」
「はい。私の名前は鏡原三花と言います。趣味はピアノと水泳でございます。どうか宜しくお願い申し上げます。」
三花ちゃんがお辞儀をするとクラス中がざわついた。
「鏡原さん。なにか大事な事がぬけていないかな?」
担任の先生が言う。
「はい。一応芸能人をしています。芸名は『みかん』と言います。三花をもじってみかんとなりました。」
「「「おお~!本物だ~!」」」
「気になって仕方なかったんだよな。」
「俺も。俺も。」
「私も。私も。」
更にクラス中なざわついた。
「ねえ、木下悟郎さんとはどう言う関係なの?」
女子学生の1人が聞いていた。
「関係と言いましてもなんでもございませんわ。愚痴を言うならしつこくて困っていますの。」
三花ちゃんが答える。
「ふ~ん。そうなんだ。」
「皆、静かに!まだ自己紹介は終わっていないぞ。みかんちゃんの質問タイムは後で設けるから次の人。」
担任が言うとクラスが静かになり自己紹介が続行した。
そして何人か済んでいよいよ僕の番が来た。
「鏡原雄蔵と言います。皆さん宜しくお願いします。」
「ああ~!知ってる。と言うか覚えてる。確かみかんちゃんの初主演作品の相手役の人だ。」
クラスの誰かが指摘をすると、
「ああ~、覚えてる。覚えてる。」
「いいか、よく聞けよ皆。実はみかんちゃんとこの鏡原雄蔵は許嫁なんだぜ。」
クラスメイトの誰かが言うと、またクラスがざわついた。
「ええ~!」
「うそ~!」
そのクラスメイトは僕と三花ちゃんと同じ中学校出身であり、僕達の仲もよく知っていた。
「皆静かに!」
担任がこれまた制止し、
「これまた後からのお楽しみタイムだな。」
と言って来て自己紹介の続きを促した。
程なくして全員の自己紹介が終わり、僕と三花ちゃんに対する質問タイムになった。
「ねえ、みかんちゃんと雄蔵君が許嫁と言うのは本当なの?」
「はい。そうでございます。私達が物心つく前から許嫁でした。」
クラスメイトが質問し、三花ちゃんが答えた。
「ふ~ん。そうなんだ。」
「許嫁って響きいいわね~。」
「ありがとうございます。」
三花ちゃんと僕に対する質問。主に三花ちゃんに対してだったがチャイムが鳴り、質問タイムは終わった。
そして休憩時間になり、
「ちょっといいかしら?」
ふと声の方に顔を向けると、柏崎恵ちゃん、霧島香ちゃん、日向綾子ちゃんの3人組がいて、
代表として柏崎さんが言ってきた。
「どうしましたか?」
僕は懐かしい思いに浸りながら返事をした。
「鏡原雄蔵さんと言いましたわね。なんでか知りませんがわたくし貴方と会うのは初めてじゃない感じがするのでございます。ここにいる2人も同じ感覚をお持ちだそうですわ。それとわたくし達3人も初めてのはずなのに初めてじゃない気が致しますの。貴方も何か感じませんか?」
僕は何となく心当たりはあったが、
「僕に聞かれてもわかりませんよ。そういう事はオカルト研究部とかに相談して下さいよ。」
「そうでございますわね。変な事を聞いてごめんなさいね。」
ここで話を切り上げては後悔する事になるだろう。
僕も一応とだけ付け加え、
「僕もお三方の事は昔から知っていると言う感覚がありますね。最近貴女達にそっくりな子が夢に出て来たんですよ。」
「そうなの?年頃とか覚えていらっしゃらない?」
「確か小学生くらいだね。」
と、僕が答えると彼女達はお互いに頷き合った。
「わたくし達も小学生の貴方。すなわち鏡原三花さんの前世を夢で見たのでありますわ。」
内心どきりとしたが、
「へ~すごいね。」
「あくまでしらを切る様でございますのね。」
「所で内容はどうだったの?」
僕は質問をすると彼女達が答えてくれた。
「夢の中での三花さんは貴方その物でした。そして私達4人は無二の親友と言う間柄だったみたいの様でございますが、中学生のある日を境にもやがかかったみたいになり、今日わたくし達3人が出会い、鏡原三花と言う4人が一同に会した事なのでありますわ。そう。まるで人生をやり直している感覚があったのでございますの。」
「へ~すごい夢だね。一度にそんな夢を見たのかい?」
「いえ、数日に渡り連続した夢を見ていたのでありますわ。わたくしだけではなく他2名も同じ内容を見たらしいのでございますわ。あなた何か心当たりは無いかしら?」
彼女達がしつこく言ってくる。
「僕はわからないね。」
「そうでございますの?まあこれ以上詮索しないでおきますわ。あら?チャイムが鳴りましたわね。」
チャイムが鳴り休憩時間が終わった後、僕は三花ちゃんと相談した。
《3人組との再会は果たせたけど、前回の事を既に知ってるみたいだね。》
《そうね。今のままでは危険ね。この際『設定』で夢を見ていない世界に行きましょうか。》
《それがいいかもしれないね。》
《念の為に思念波で実在の三花ちゃんにも報告しとくね。》
ここでセーブ&ロードし、『設定』を変えて彼女達が僕の2度目の人生についての追体験をしていない世界に飛んだ。
高校生活1日目の朝に戻り、登校した。
また自己紹介の時間になり無事に質問タイムが終わり、また3人組の彼女達がやってきた。
「ごきげんよう。鏡原雄蔵君。宜しくお願い致しますわ。ではごきげんよう。」
タタタッと去っていった。彼女達は三花ちゃんに向かっていった。
既に三花ちゃんの周りには人だかりが出来ていて彼女達が三花ちゃんに挨拶していたのを遠目で確認した。
それまで笑顔だった三花ちゃんが暗い表情を浮かべた。そして僕に思念波を送って来た。
驚愕の事実だった。『設定』で彼女たちが夢を見ていない世界に来たはずだが、今度はターゲットを僕ではなく三花ちゃんに向けて来たらしい。
三花ちゃん曰く、
『私達はみかんさんの真実を知っています。そしてこの世界がまやかしであると言う事も。
すなわちこの世界は誰かの都合で作られた世界で、私達は作られた存在なのだと。
いいですか皆さん、この世界の発端はこのみかん事、鏡原三花。いいえ。鏡原雄蔵の想った世界なのよ!』
「「ええ~!本当かよ?」」
幾人かが疑問を投げかけた。
「ほら見なさい。鏡原三花の顔色を。これが動かぬ証拠よ。」
三花ちゃんの暗い顔色を嬉々とした表情で指をさし指摘をする。
どんどんどつぼにはまっていく感覚を受けた。
『『これ自体が夢であればいいのに。』』
僕と三花ちゃんは同時に念じた。
「うわ~!」
僕は目を覚ました。
すると家族達が僕の部屋に、
「「どうした?」」
「どうしたの?」
と声を掛けて入ってきてくれた。
「いいや何でも無い。ちょっと変な夢を見ただけだよ。」
「なんだ。夢かよ。驚かせやがって。」
「では続き寝るぞ。お休み。」
と家族達が部屋を出て行く。
だが三花ちゃんだけは部屋を出ずに着替えを持って来てくれた。
気が付くとすごい寝汗をかいており、着替えが必要だった。
寝間着を洗濯機に入れてついでにコップに水を三花ちゃんは持って来てくれた。
ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ!
水を飲んでひとまずリラックスをした。
しばらくすると三花ちゃんが話しかけてきた。
「もしかして雄蔵君も見たのね?」
僕はきょとんとしていると三花ちゃんが手を握って来た。
曰く三花ちゃんも嫌な夢を見たらしい。内容を聞いていると僕の夢とうり二つであった。
僕も三花ちゃんも高校生活1日目の自己紹介を終えた後3人娘に声を掛けられ能力についてかまをかけられたらしい。
そしてやり直しても今度はお互いに矛先が相手に向かっており、切羽詰まって夢であって欲しいと念じたら目が覚めたみたいである。
しばらくすると僕の絶叫で慌ててこの部屋に来たらしい。
まさに僕と同じである。
念の為に2人で日付を確認すると中学2年の夏休みのとある日であった。
現実の柏崎恵ちゃん、霧島香ちゃん、日向綾子ちゃんの3人組は共に同じクラスメイトであり、
僕の2度目の人生と同じく小学校入学式に出会う事が出来た。
それ以来僕自身も含め5人で仲良くしている。
しかし・・・僕と三花ちゃんが同時に見た夢。
何を示唆しているのであろうか・・・。
そうそう、運転手の福島大貴さんも現役で三花ちゃんの仕事場への専属運転手であるのをここに記るす。
どちらともなく今日も一緒に寝ようと言う事になり、三花ちゃんの枕を部屋まで取りに行き、手を繋いで横になった。
しばらくすると疲労の為か三花ちゃんが先に寝息をかいて眠りに落ちた。
緊張の為寝れなかった僕も限界が来て眠りに入った。
「やあ、お帰りなさい。ひっひっひっひ。」
気が付くとまた高校生になっていた。
「「「やあ、創造主君お帰り」」」
「うわ~~~~~~!」
『あれ?三花ちゃんはどこ?』
隣で寝ているはずの三花ちゃんを探す。
でも三花ちゃんは居ない。そもそも存在しないのだから。
どこからともなく声が聞こえてくる。
「三花ちゃんは存在しないよ。幻なのだから。全ては君の想像の産物だからね。」
「うわ~~~~~!」
「一体どうしたの?雄蔵君。大丈夫?」
今度こそ三花ちゃんの存在を確認して安心する。
「ずいぶんうなされていたけどまた怖い夢でも見たの?」
心配顔で三花ちゃんが僕に問いかけてくる。
「ごめん。心配かけて。」
「いいのよ。これもまた夢の続きなのだから・・・。」
三花ちゃんが消えた。
「うへ~~~~~~~!」
気が付くと朝を迎えていた。
今度こそ三花ちゃんを確認する。
『よし、本物だ。そして現実だ。』
「おはよう。よく眠れた?」
「何度も起こしても起きないんだもの。心配したわ。」
三花ちゃんが膨れ面で言ってきた。
「また怖い夢を見たの?」
僕は思わず、
『今度こそ目を覚ましてくれ。三花ちゃんが消えないでくれ。』
と念じた。
「一体どうしたの?怖い夢の続きだと思っているの?」
「そうだね。そうかもしれない。」
「ふふっ。安心なさい。ここは現実よ。さあ、早く起きて起きて。ラジオ体操に遅れちゃうわよ。」
僕は急いで身支度を整え、三花ちゃんや兄や弟と共にラジオ体操の広場まで向かう。
そして帰宅して学校の夏休みの宿題を片付けるべく部屋に入る。
あいにく三花ちゃんは仕事が入っており、福島さんに現場まで送ってもらっていた。
夜になり三花ちゃんが帰宅し、家族で夕食をとり風呂に入ってから三花ちゃんと今後について話した。
主に高校生になった時の話をした。まだ夢に引きずられているみたいだと我ながら思う




