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22/31

22、とある番組

閲覧、評価、ブックマーク等ありがとうございます。

m(_ _)m


励みにしております。

木下悟郎さんが僕達の中学校に取材にやってくる。

このニュースは瞬く間に校内中に広まった。

木下さんのファンは多いに喜び、今か今かと待ちわびていた。


 取材に先駆けて番組スタッフが訪れ、理事長、校長と番組の趣旨と今回の訪問企画内容について話合われた。


 「う~ん。なかなか許可出来ないな~。

他の生徒達のプライバシーもあるし、本人の為に学校名は公にしないで欲しいんだけど。」


 「わかってますよ。大丈夫ですよ。」


 学校側の心配をよそに番組スタッフは問題無いと言う。


 「なら仕方ありませんね。許可しましょう。」



 それから数日後、木下さん率いる取材陣がやってきた。

そして数名の生徒にインタビューをする。


 「この学校には日本一の巨乳の生徒がいるらしいね。」


 木下さんが生徒達に尋ねる。


 「はい、そうですね。確かにいますね。可愛いし皆のアイドルと言っても過言ではありませんよ。」


 「はい。知っています。日本一かどうかはわかりませんが確かに巨乳だと思いますね。」


 取材は続く。

そして・・・


 「いよいよ、本人に関する有力情報を得ました。

彼女はなんと生徒会長の様です。

今から会うのが楽しみですね。」


 木下さんからは番組収録中だと言うのも忘れて嬉々とした表情が浮かび上がっていた。


 「いよいよくだんの生徒会長のお披露目です!」


 そうして三花ちゃんが登場する。ここまでは問題無く無事に収録されていた。


 「あれ?もしかしてみかんちゃん?僕だよ。僕。木下だよ。」


 木下さんが三花ちゃんに対し言ってくる。

それに対しポーカーフェイスで、


 「わが校にようこそお越し下さいました。要件はなんでしょうか?」


 興奮気味に木下さんが語る。


 「遂に登場しました。生徒会長のお出ましです。いや~日本一の巨乳の持ち主だとタレコミがあったんだけど本当かい?それにみかんちゃんだよね?」


 「私は自分が日本一だとうぬぼれてはいませんし、わかりかねます。仮に私がみかんだとして何の価値がありましょうか?」


 三花ちゃんは自分がみかんである事をはぐらかそうとする。


 「いやいやいやいや。君はみかんちゃんで間違い無い。この僕が忘れるはずも無い。

視聴者の皆さん、新進気鋭のみかんちゃんと遭遇出来ました。なんと彼女は生徒会長をしているらしいです。ではその仕事ぶりを拝見しましょう。」


 当初の番組の趣旨から離れていっている。


 「ここがみかんちゃんの務める生徒会室なんだね。」


 木下さんが生徒会室に入り、タイミングよく僕達は集められており待ち構える状態になっていた。


 「彼ら、彼女らがみかんちゃんの補佐ですね。あれ?よく見ると見知った顔がありますね。」


 木下さんが言うとカメラと共に僕に近づいて来た。


 「やあ、どこかで見た事あると思ったけど人違いだったかな?」


 わざとらしくのたまっていた。


 「はいっ!カット」


 番組スタッフは一時休憩を取った。


 「やあやあやあ、みかんちゃん。元気してた?僕は片時も君のことが忘れられないでいたよ。」


 木下さんが三花ちゃんに言い寄ってくる。


 スタッフはまた木下さんの悪い癖が始まったよ。

と、半ば呆れた様に見ていた。


 「それ以上は止めて貰えませんか?こちら側としても看過出来なくなります。」


 様子を見に来ていた理事長や校長、先生方は心配の面持ちで見ていた。


 「例えばこんな事かい?」


 木下さんは勝手知ったるなんとやらで三花ちゃんの肩に手をまわして来た。

三花ちゃんは嫌がっていたが、


 「どうだい?僕にこんな事をしてもらってとても光栄だろう?今後も悪い様にはしないからさ。」


 木下さんは完全に調子に乗っている。誰の目からも明らかだった。


 その一部始終はこちら側でも撮影していた。

木下さんが来ると言う事で何か良からぬ事が起きる気がしたからだ。


 「やめて貰えませんか。木下さん。」


 三花ちゃんが懇願する。が一向にやめる気配を見せなかった。


 業を煮やした先生たちが必死に止める物の木下さんの三花ちゃんに対するスキンシップは止まらなかった。


 「いい加減やめて貰えませんか。」


 僕はたまらず前に出てみかちゃんを助けようとする。


 と、木下さんは、


 「お?この感じ思い出した。確か君は素人君じゃないか。先程どこかで見た様な気がしたが勘違いではなかったみたいだね。まあまあ冗談、冗談。そう本気になるなって。」


 どこか勝ち誇った表情を浮かべて僕を見下している。


 何とか逃げおおせた三花ちゃんは思わずと言った風に僕の後ろに木下さんから隠れる様に来た。


 「そうかい。そうかい。君達の仲はそんなもんなのかい。でもあくまでも役柄の関係。僕には関係ないね。」


 木下さんが言葉を続ける。


 「ベテラン俳優の僕と素人君では比べ物にはならないさ。みかんちゃんもいずれは僕の魅力にぞっこんになるさ。あ~はっはっは。」


 学校側の面々は心底木下さんに対しあきれ果てていた。

が、木下さんはまたもや悦に入っているのか気にしていなかった。


 収録後、僕は三花ちゃんに対し慰めの声を掛けると、


 「ありがとう。大丈夫よ。」


と返答した。でも僕にはわかる。全然大丈夫じゃない事を。




 しばらくして収録していったシーンのある番組が放映された。

その番組は全国の特ダネを紹介すると言う番組で、色々な種類が出ていた。

 そしていよいよこの時が来た。


 題して、『日本一の中学生巨乳美少女生徒会長は存在した!』と言う話題性にインパクトがあるサブタイトルだった。


 そうして特派員として木下さんが番組に登場して、


「百聞は一見にしかず。VTRスタート!」


と言う掛け声と共に映像が流された。


 「え~!」「うそ~!」「まじかよ~!」


と言う観客の掛け声がVTRと共に流れてくる。


そして生徒会長として『みかん』事、三花ちゃんが出ると瞬間視聴率がうなぎ上りになった。


放送局には三花ちゃんの通う学校への問い合わせがバンバン鳴り、電話が一時掛けづらい状態に陥った。


カメラを止めていたから当然だが、木下さんの三花ちゃんに対する行動は放映されず僕は苦々しく思った。


 そして番組の目玉でもある一番人気のあった特ダネに賞金が渡される。

それは会場の観客の投票により決まる。

断トツに三花ちゃんのコーナーが決まり、情報提供者に賞金と記念品が授けられる旨が発表された。


 僕は悔しい気持ちが沸き上がった。三花ちゃんをだしに使い賞金を得た投稿者に対して。


 それからと言う物の学校に取材申し込みが殺到した。

三花ちゃん目当てである。

が、全てに応えれる訳ではなく取捨選択を泣く泣くご遠慮頂いて、三花ちゃんの疲労軽減に学校側は努力していた。


 同時進行で三花ちゃんのTV収録が行われた。

僕も付き添いとして同行した。


この番組の元ネタは昔放映されていた番組を参考にしています。

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