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15、『みかん』の正体

皆様、お久しぶりであります。

今後も不定期でありますが投稿していきたいと思う所存であります。

宜しくお願い致します。

 「あの~。もしかして生徒会長って売れっ子歌手の『みかん』さんじゃありませんか?」


ある日廊下を歩いていたら、とある生徒にたずねられた。

僕は内心どきりとするが何事も無い顔をして返答する。


 「えっ?どうしてそう思ったの?」


 たずねて来た生徒が答える。


 「だって生徒会長の歌声『みかん』さんにそっくりだし、三花と言う名前をもじった芸名だと思います。

それに知人からアイドルグループの会報誌に載って歌っているの生徒会長じゃないかと聞かれました。

後、僕もそのアイドルグループのコンサートにいまして大画面に映る会長に驚いたのと、歌声が『みかん』さんにそっくりだなと・・・。

多分そうじゃないかと思いましてね。」


 この話題に僕達の周りにいた生徒達も興味しんしんで聞き耳を立てていて僕の返事を待っていた。


 「もし、仮にそうだとしてそれを知ってどうしたいの?私の答えはノーコメントよ。あなたのご想像にお任せするわ。」


 僕は悪手とは気付かず返答した。


 「いえいえ、どうもしませんよ。

それにその答え方はまるで隠すように取れますよ。

あなたが隠したい気持ちはわかりませんが僕は貴方こそが『みかん』さんであると思いますね。」


 男子生徒が言うと周りの生徒達もざわつき、


 「ああ、やはり生徒会長が『みかん』だったんだな。」


 「そうね、私も思っていたわ。」


 「僕も僕も。そう思っていた。」


 この話がきっかけに校内中に憶測が飛んでいく。

 『やはり生徒会長『鏡原三花』こそが売れっ子歌手『みかん』なのだと。』



 下校する頃になると先生方からや生徒達からもサインが欲しいとせがまられた。


 《ねえ、この騒ぎどう収束させるつもりなの?》


 三花ちゃんが心配顔で聴いてくる。


 《どうしよっか・・・。》


 僕が途方に暮れていると三花ちゃんは意を決して言ってきた。

 

 《こうなるともう隠し通す事は難しいわね。まずは貴方の能力で過去に飛んで歌のレッスンの先生に『みかん』の正体を発表するか相談しましょう。》


 僕はここまでの生活の記録をセーブすると、データ記録にここまでのあらすじを記入してロードした。

                      

                       

                      

                      

 校内で騒動になった日の週のレッスンの時間の直前に戻った。

 そして僕は歌のレッスンの先生に『みかん』である事を発表する旨を伝えた。

 

 「この話題(『みかん』の正体の話題)は僕も聞いていたよ。

 でもどうしてだい?あれだけ顔出しNGにしていたのに。」


 先生が質問してくる。それは大層心配してくれている顔だった。


 「はい。あのアイドルグループのコンサート以来私の事を勘付いている人達が多くなり、

 学校生活に支障が出てきました。サインや握手を求めてくる人が増え校門にはファンとみられる人達  があふれていまして・・・。」


 僕が先生に答えていると、


 「聞いていると三花ちゃん、なんかやけになってないかい?自暴自棄になるのは早いよ。

 でも君の考えを否定しないよ。すぐにでも『みかん』の顔出しNGを撤廃しようか。」


 「はい。よろしくお願いします。」


 「でも本当にいいのかい?今まで以上に騒がられる事になると思うよ。

 その覚悟はあるかい?」


 先生は真剣なまなざしで僕を見てくる。

 意を決し僕は言う。


 「よろしくお願いします。」


 僕は椅子に座りながらお辞儀をして先生に対しお願いをする。


 「わかったよ。すぐにでも発表する手配をするよ。

 いや~。正直言うとね、三花ちゃんはこんなに可愛いのにいつになるまで顔出しNGなのかとやきもちしていたよ。

君の判断に感謝しているよ。」


 先生は笑顔で答えてくれた。様に僕には見えた。そこまで気持ちが落ち込んでいたからかもしれない。

でも三花ちゃんは冷静な態度で先生の顔色をうかがっていたみたいで、商売のタネが舞い込んで来たと喜色に浮かんだ顔に見えたらしい。


 

 それから数日後、例の生徒に聞かれる日の前日に僕は歌のレッスンの先生と一緒に記者会見を受けていて、TV特番になっていた。

なにしろ謎多き超売れっ子歌手の顔出しNGが解禁されたのだから。


 元よりファンのひとも、TVの会見で僕の事を知り新規にファンになった人も多くいるみたいだった。

それを知るのは高視聴率を記録し、音楽店での売り上げが伸びて急遽再販が掛かった楽曲があったからだ。


 『ではみかんさん。今まで顔出しNGにしていた理由はなんだったのでしょうか?

それとこのタイミングでの発表の訳をお聞かせ下さい。』


 インタビューアーの1人が質問してくる。


 「はい。今まで私が顔出しNGにしていたのは恥ずかしがり屋な所があり、純粋に歌声で勝負したかったからであります。

それと顔出しのタイミングは丁度頃合いかと思った次第であります。」


 僕はインタビューにどきどきしながら質疑応答していった。


 「でもあなたが本当にみかんさんである確証が持てません。何か証拠がありますか?」


 ここで先生が待ってましたとばかりに答える。


 「論より証拠。歌って頂きましょう。ではみかんちゃんお願いします。」


 ここまでは段取り通り運んでいる。

ここで僕が歌い『みかん』本人である事を証明する重大使命がある。




結果として大成功を収め、僕がみかん本人だと世に知らしめした。

放送終了直後から先生の事務所に仕事のオファーが何件か舞い込んで来た。

友人、知人、学校の先生方からも家に連絡があったらしい。


 「放送観たぞ。三花ちゃんがみかんだったなんて驚いたぞ。」

 「生徒会長である鏡原がみかんだったなんてな。」

 「前々から薄々勘付いていたぞ。」


等々。


喜ばしい報告もあれば、嫌な連絡もある。


 「ねえ、友達だろ?金貸してよ。」

 「ねえ、三花のサインが欲しい友達がいるから頂戴よ。」


等々。


これらを危惧していたからこそ顔出しNGにしていたのだが大々的に発表してしまった。


 


 そして運命の転換の発端となった日が訪れた。

学校に登校するとなにやら騒がしい。

先生や生徒、大勢の父兄が僕の登場に喝采を浴びせてきた。


 「本物だ。本物のみかんちゃんが来たぞ。」


 「「「「「ワー、ワー、ワー」」」」」


新聞部の生徒が来て僕に尋ねてくる。


 「本当に生徒会長である鏡原三花さんがみかんさんで相違ありませんね?」


と。


 「ええ、いかにもわたくしがみかんであります。」


僕が答えるとより一層かっさいを浴びた。


 《本当にこれで良かったの?》


三花ちゃんが僕に聞いてくる。


 《遅かれ早かれこうなる事は自覚してたからね。この騒動もしばらくしたら収まるさ。きっとね。》


 《それならいいけどね。》


 《まあ、期待して待とう。》


 




 騒動は収まった。

でも期待していた収まり方ではなかった。

学校では皆普通に接してくれているが、どこかよそよそしい感じがする。

何かはれ物でも触るかの様な感覚だ。

とある生徒に尋ねても知らぬ存ぜぬを通し無言を貫いていた。


僕は思い切って学校の先生に聞いてみた。

それはこうだった。

顔出し解禁してから噂を聞きつけたファン達が僕のいない内に校舎内をうろつく案件や、写真を撮りに来て他の生徒を収めると言う事らしい。

僕が売れれば売れる程学校に弊害をもたらしていたと言う事らしい。

もちろん僕はとばっちりを受けた身なので自身の潔白を晴らそうとするが、収まりが付かなかった。

僕は不審者対策で以前提案していた登下校時間以外、門を閉じる様に念を押してお願いをした。


その策が功を制して不審者が校内をうろつく事は無くなりつつある。

だが一定の数はどうしてもいる様で、学校や地域住民の方達の協力を持って治安していた。


しばらくして僕への態度も皆ごく普通に接する様になり、元の関係に収まりつつあった。

僕が芸能活動していると知っている事以外は・・・。









   





 


 

                      

                       


 




閲覧、ブクマ、ありがとうございます。

今後も励みにして執筆していきたいと思っております。

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