16、体育祭と僕と三花ちゃんの今後
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今年も体育祭の時期がやってきた。
僕が売れっ子歌手の『みかん』である事を公表してから、どこからか噂を聞きつけて学校にファンが訪問してくる。
色々と忙しい中、今日は登校していて体育祭の合同練習をしていた。
内容は応援合戦、入場行進、その他もろもろの練習をした。
とにかく僕は生徒会長でもあるので生徒会の面々を筆頭に先生達と相談して体育祭の準備をする。
準備運動の見本者に抜擢されて、朝礼台の上に乗りラジオ体操をしていた。
外見はロリ巨乳でブルマ姿であり、この頃の体操服と言えば男子は短パン。女子はブルマが当たり前なので気にしないでラジオ体操の見本をしていた。
生徒や教師が僕の一挙手一投足を見てくる。
はたから見れば微笑ましい光景に見えていたかもしれない。
小さい身体で動きを大きく見せる為にオーバー気味に動いていたから・・・。
「鏡原会長可愛い~!」
「生徒会長もっと弾んで!」
と掛け声が届いてくる。
教諭方も同じ気持ちであっただろうが、体育担当の教師がたしなめていた。
「こら~!体操に集中しなさい。」
と。
そうこうして連日練習していていよいよ体育祭当日になった。
さすがに父兄の方々が多く、来賓の方々も大勢訪れていた。
「第〇〇回〇〇中学校体育祭、開会式を行います。
まずは生徒一同の入場行進であります。」
いよいよ体育祭の始まりが告げられた。
入場行進が始まり、続々と生徒達が行進して整列した所で最後に僕が入場した。
来賓の方々や父兄の方々のどよめきが起こり、少し気恥ずかしい感じを受けたがこれは計算されていた。
『みかん』を一目見ようと大勢の方々が来ており、僕が姿を現すと写真を撮る音があちこちで聴こえてくる。
そして僕も入場行進が終わり、国旗、校旗けいようがなされ、校長、来賓の挨拶が終わり、校歌斉唱になり朝礼台にマイクが立てられ僕は1人前に出て朝礼台に乗る。
校歌斉唱の時僕の歌声が良く響く様に歌い、他の生徒達もそれに続いて斉唱していた。
続いてマイクが片付けられても僕が朝礼台に残っているのを不思議がっていたが、つぎのアナウンスで状況を理解していた。
「続きまして、準備運動といたしましてラジオ体操をします。総員配置に付いて下さい。」
生徒全員が大きく広がり準備が出来た所でラジオ体操の曲が流れる。そして僕は見本体操をする。
「おお~!なんてすごいんだ。」
「そうだな。なんて可愛らしいんだろう。」
等々歓声を浴びせられて準備運動が終わった。
生徒達は席に戻り、僕達生徒役員、放送委員、保健委員達は別途テントにいた。
競技が始まり、100メートル走、応援合戦、部活動対抗リレー、リレーもろもろが行われ、大盛況に幕が開けた。
僕は来賓の方々や父兄の方々の対応をしていた。
反応は人それぞれで大勢の方々は一緒に写真を撮りたいと言い、うちの子供を宜しくお願いします。
等アピールしてくる方々が後を絶えなかったが、教師の方々やマネージャーがさばいてくれた。
僕個人の来賓として各レッスンの先生方も来ていて、特に音楽担当の先生は有名なので他の生徒達も近寄って来ようとしていた。
昼食時間が過ぎ、一連の競技が済みプログラム表には『シークレットタイム』と記載されている時間が迫ってきた。
僕は準備をしてその時を待つ。
開会式と同じく、朝礼台の上にマイクが準備され、ビデオカメラもスタンバイされていた。
生徒達はもちろんの事、来賓の方々、父兄の方々にはシークレットタイムの内容の情報は秘匿していた為、
皆騒然としていた。
「突然ですが、わが校が誇る『みかん』さんによるライブが開かれます。
皆様ご清聴の程お願い致します。」
僕はステージ衣装を体操服の上に羽織り、朝礼台に立ち数曲歌うと拍手喝采があがった。
「皆~元気~!体育祭を盛り上げようね~!」
と僕が鼓舞すると生徒達、観客の皆が一斉に応える。
「「「「「おお~!」」」」」
単なる体育祭かと思っていたら、僕のライブが始まったので学校の付近の住民も集まってきた。
僕も知らされていなかった事だけど、事務所のスタッフが急遽CDやカセットテープ、レコードを販売していた。
僕は心配したが、学校側とは事前に連絡してあり許可を得ている事だったので安心した。
体育祭はライブ会場と化し盛り上がりを見せた。
僕はひとまずお辞儀をしてから朝礼台を降りた。
「「「「「アンコ~ル!アンコール!」」」」」
アンコールの掛け声と鳴りやまない拍手。
そして僕はテントの影でステージ衣装を脱ぎ体操服に戻った。そして・・・。
「皆~!ありがと~う!ではアンコール行きます!」
と僕はまた朝礼台にあがる。
「「「「「おお~!」」」」」
今でいうゲリラライブを終え、体育祭も残す所後は閉会式となり、とどこおり無く無事に終わった。
生徒会室において。
「かんぱ~い!無事体育祭が終了しました。
皆さん英気を養ってまた明日からの生徒会活動、勉学に励んで下さい。」
ジュースやお茶を片手に今日の体育祭の成功を祝っていた。
「生徒会長もお疲れ様でした。やはり『みかん』人気はすごいね。」
役員の一人が言うと他の者も賛同していた。
「私一人では無しえれませんでした事でしょう。皆さんの協力があっての事であり、大成功だったのも全員の努力のたまものだと思います。」
僕は僕一人の力では成し遂げれない事だと自覚しているので答えた。
「いえ、会長のおかげで来賓の方々や父兄の方々並びに近所の方々が沢山訪れたのだから、やはり会長のおかげだと思います。」
「そろそろ下校時間なので皆さん、帰りはお気を付けて下さいね。」
僕が皆に言うと、
「会長こそ気を付けて下さいよ。」
「「「言えてる。言えてる。」」」
僕が少しむくれているとどっと笑いがこぼれた。
「では明日から数日間学校を休むけど後の事は頼んだわよ。」
僕は数日間の事を副会長に任せると、
「会長、勉学と芸能界の両立大変っすね。」
副会長は答えた。
「まかせてくださいっす。ではそろそろ解散と行くっすか?」
既に体操服からセーラー服に着替えている。
生徒会室の戸締りをしっかりと確認して僕は職員室に向かい先生方に挨拶をしてから帰宅の途に付く。
職員室に先生達がまばらなのは不思議に思ったが、理由を聞いて納得した。
大半の先生は視聴覚室におられるらしい。
挨拶がてら視聴覚室に訪れると、ちょうど僕のシークレットライブを大画面で見ていた。
そこに僕が登場したのだけど、しばらく黙って静観していた。
ライブが終わったのを見計らって先生方に挨拶をした。
「やあ、鏡原さんか。お疲れさん。いや、『みかん』さんとお呼ぶべきかな?」
先生の一人が僕を見て言ってきた。
「いえ、学校内ではただの鏡原と呼んでください。」
僕が先生に答える。
別の先生も一言、
「いや、鏡原はわが校の中では随一の有名人だからね。それにあまり芸名以外では呼ぶべきではないと思うんだがね。」
僕は怪訝そうな顔を浮かべ先生に言う。
「どういう意味でしょうか?」
そこに担任の先生が出てきて、
「それはね、鏡原さん。あなたは有名人であり、どこから本名が洩れるか心配していると思っていてね。ただの勘違いならごめんなさいね。」
確かにそう思っていたかもしれない。
「いえ、確かに本名ばれの可能性を心配しているのは否定はしません。
ただ私個人としては学校では芸能人の『みかん』としてでは無く、ただの一個人である、『鏡原三花』として扱って欲しいと思います。」
だけど、学校では一個人と扱って欲しいと言う願望がある。
「鏡原さんは成績優秀で運動神経も抜群。他にも優れている所が沢山有るからこちらとしても今後を期待しているよ。」
どこか含みのある言葉をかけてきた。
「それでは失礼しました。先生方お疲れ様でした。お休みなさい。」
僕は視聴覚室を退出した後、先生方が是非ビデオテープをフィルム化して永久保存版にしたらどうかと言う話が出て、なら自分はダビングして欲しい。と言う所まで行き、今度上映会をしたらどうかと言う話も出た。
結論としてマスターテープはフィルム化とダビング同時進行で行われ、先生方に出回った。
後世、家宝となった事はこの時はまだ誰も分からなかった。
帰宅すると家族、特に兄2人(太郎、次郎)と弟(三郎)は学校があり体育祭に来れなくて妹、もしくは姉の晴れ舞台を生で見れずショックが大きかった。
ちなみに両親はなんとか顔を出せた。
なんと地元のTV局が撮影に来ており僕のライブ風景が少し流れた。
僕は後に生徒会長特権と本人である為、準備運動やライブを撮影したテープを貰えて兄弟達が喜んだのは言うまでも無い。
夕食後、家に備え付けの防音スタジオで家族だけのミニコンサートを開いたら喜ばれた。
後、ラジオ体操も体操服ですると喜んでくれた。
その後は順番に風呂に入り、一家団らんを過ごした。
数日間の芸能界活動を済ませ、学校に登校すると人だかりが廊下に沢山いて何事かと近づいたら、体育祭の時の写真が展示されており、希望者は紙に番号を記載したら焼き増ししてくれるらしい。
生徒会経由で希望者リストが集められ職員室に行くのでおのずと人気のある写真が僕は知る事になった。
《雄蔵君やっぱり私は人気あるわね。》
三花ちゃんが僕に言う。
《流石は三花ちゃんだね。男子にも女子にも大人気だよ。》
僕が三花ちゃんに返答する。
決果はライブシーンが大人気で、準備運動のラジオ体操も人気があった。
後は人気のある生徒の写真。応援合戦。その他もろもろがリストアップされていた。
職員室に希望者リストを渡しに向かう。
ちなみに僕もはたから見ればどうかと思われるかもしれないけど、客観的な三花ちゃんの姿が見たいと思い、僕こと三花ちゃんが写っている写真を全て注文した。
先生から、複雑そうな顔で見られたのは気のせいだと思いたい。
数日後焼き増しが出来上がり、希望者全員に配られた。
自画自賛を承知で言わせてもらうけど、流石に三花ちゃんは可愛い。
元の年齢からの親目線を抜きにしても可愛くてたまらない。
あどけない顔立ちに反して女性の象徴が存在感を主張してくる。
健康的に日焼けをしており小麦色の肌と白の体操服と紺色のブルマ。
まさに『目に入れても痛くない』存在であり、今後も一緒にいたいと思う。
でも心配になる。焼き増しされて今は学校内だけで扱われているが、いずれ人から人へ渡り不特定多数に見られると言う事だ。
『みかん』として顔出しは本当に正しかったのだろうか・・・。
時たま不安になる。
三花ちゃんは早いとはいえ、中学生は第二次性徴期である為男女共に性を意識しだす頃。
いつなんどき言い寄られるか不安になる。
おまけに芸能界活動しているのでより一層心配になる。
持ちつ持たれつで僕が三花ちゃんを守らないといけないと心に刻んだ。
そうしたら三花ちゃんが、
《改まってどうしたの?》
《いいや、君の将来について少し考えていてね。》
《どういう事を考えたの?雄蔵さん。》
《将来三花ちゃんは色々な男性に言い寄られると思う。僕は根っからの心配症でね。君を守ろうと思ったのさ。》
《ありがとう。でも大丈夫よ。男心でその気になってきたら迷わずに反応してね。元男だったからその様な気配察する事ができるわよね?》
《出来れば、僕事雄蔵自身が三花ちゃんと一緒になれたらいいんだけどね。》
僕ははっと気付く。
僕はもしも女性として生を受けていたらと言う設定をした。
三花ちゃんルートそのままで元の自分。もしくは同い年の雄蔵ルートを構築すればいいのではないか?
すなわち、どうにかして元の自分と三花ちゃんをくっ付ける事が出来ないかと思った。
セーブ&ロード、設定能力は健在のはず。
遊びほうけていた雄蔵ルートをやり直す。
色々考えた末、三花ちゃんに僕の考えを述べた。
《雄蔵さん。やっと気づいたのね。でもこの世界のデータでは無理が生じると思うわ。》
《それはどうしてだい?》
《考えてみてよ。この世界は雄蔵さんがもしも女性として生を受けたらと言う設定なのよね?そして、両親、兄弟はどうするつもり?後名前も。うまい事『偶然にも』「鏡原」家にしたとして家族はどうするの?
でもね、考えようによっては抜け道があるわよ。》
《えっ?どうするんだい?》
《それはね、養親の実子と養子との結婚が可能なので雄蔵さんが私の家の養子になればいいのよ。
つまりは私の家の養子になった所からスタートすればいいのよ。》
《それは可能なのかい?》
《雄蔵さんの能力があれば行けると思うわ。正直言って魂に刻まれた元の遊びほうけていた雄蔵さんとはお付き合いは勘弁して欲しいわね。でも三花として今世での雄蔵さんの努力は間近で見ていたからその雄蔵さんとならいいかもしれないわね。》
《ではもしも成功したとして僕が努力しないと一緒にはなれないんだね・・・。》
《あきらめる事は無いわ。そもそも私達は一心同体相性も抜群のはずよ。》
《ありがとう。頑張ってみるよ。》
ひとまず今後の展望が見えてきた。
またもやセーブしてここまでの記録としてデータを残す。
そして設定としては、『偶然』にも苗字、誕生日、血液型が同じで三花ちゃんがもしも男性の場合。
この場合もとの僕事雄蔵として生まれたなら。そして縁あって三花ちゃんの家に養子に出され三花ちゃんとの許嫁関係であり、強い絆を持っている事。
なおかつサポートとして三花ちゃん自身がいるにも関わらず三花ちゃんが付いてくれる事。
そして三花ちゃん本体にも僕自身がおり世界線は僕が三花ちゃんとして歩んできた世界。
お互いに本体と魂が意思疎通出来る。つまりは僕自身と三花ちゃんに入っている僕。
並びに三花ちゃん自身と僕に入っている三花ちゃんのやり取りが出来ると言うもはや反則技に近い事が出来、お互いのピンチにさっそうと現れ解決する事。
等々、僕と三花ちゃん添い遂げルートを構築する為考えられる事柄を設定する。
設定をし忘れた項目を追加設定すると言う設定も加えておく。
そして作戦は決行された。




