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14、アイドルグループとの邂逅

 メディアミックス展開もして、アニメや小説、漫画、おもちゃ等々発売して行き、カラオケになったりして国民的ゲームのすごさをまたリアルに追体験する事になった。


前世では購入しなかった。あるいは出来なかったゲームを買い、暇な時に遊んだ。


もちろん兄達が購入する漫画等も読んだり、『このシリーズが欲しい。』等言い買ってもらった。


僕としては前世でのもう一度見たい。揃えたい。と言う欲求から少年漫画を好んでいて、兄達は複雑な顔をしていた。当然三花ちゃんの好きな少女漫画も購入していたのは言うまでもない。



 どちらかと言えばコレクター気質なので兄達が購入する本と重なる時があるが、僕用に同じ物を購入してもらい、大事に扱い部屋の本棚に収納していく。


帯や表紙を傷つけない。開いたまま逆さに置かずちゃんとしおりを挟む。等々丁寧に扱っていた。


でもたまに帯同士で干渉し合い帯が傷ついた時もありガックリとした時もあったが・・・。





 家族もそれは知っている様で、僕の部屋の本を読みたい時は丁寧に扱ってくれている。はず・・・。


『はず』と言うのは、僕がいない時に読んでいる可能性があるからだ。


どちらにせよ僕には確認しようがないのだからそれは仕方無い。





 兄達は僕の漫画の趣味がよくわからないと言う。少年漫画が好きかと思えば少女漫画も好き。


バトル物やスポーツ物、はてはお色気物。等、多種多様に今の漫画を昔を懐かしむ様に読みあさった。





 「三花って少しおませな所があるんだな。」





 ふとある日兄が言う。





 「なんならこれでも見るか?刺激が強すぎるかもしれないけど。でも内緒にしておいてくれよな。」





 渡してくれた本はまさに当時としては珍しい深夜アニメを題材にしていた本だった。





 「ありがとう。では早速見るね。」





 僕が開くとそこにはアニメに連動したアイドルグループの情報等が出ていた。


この本には見覚えがある。まさかリアルタイムで見る事が出来るなんて・・・。


僕はとても喜び、





 「ありがとう。面白かったよ。続巻が出たらまた読ませてね。」





 僕は一通り読んでから返す。なにが刺激的なのかよくわからなかったが・・・。





 「お、おう。わかったよ。三花にとってはなんでもなかったんだな。」





 兄が少し僕の対応にがっかりしながら言ってきた。





 「ううん、とても良かったよ。お兄ちゃんはこのアイドルグループのCD等購入しているの?」





 「もちろん持っているさ。三花も聴いてみるか?」





 「ありがとう。聴きたい。聴きたい。」





 僕は歓喜に震えていたと思う、前世では所持していなかったのを兄が持っていたのだから。





 「今度コンサートとかあれば行ってみたいな・・・。」





 ふとつぶやいたがそれを聞いた兄は、





 「いや、三花1人では行かせられない。危ないからな。逆に注目されるかもしれないか心配だ。」





 僕の姿を見ながら兄は言う。


確かに自分でも言うのもなんだが注目されてしまうかもしれない。例え自意識過剰であったとしてもさすがに女の子1人でコンサートに行かせるわけにはいかないな。と思う。


とりあえずファンクラブに入っておく事からが先決だと思い、兄に聞いてみる。





 「お兄ちゃんはファンクラブに加入しているの?」





 「ああ、もちろん加入しているぞ。なんなら三花も加入するか?」





 僕にとっては願ってもないチャンスに恵まれた。


念の為に家族にファンクラブに参加する旨を伝えると許可がおりた。








 後日ピアノのレッスンの先生にそのアイドルグループの作詞家について聞いてみた所、





 「うん知り合いだよ。三花ちゃんさえよければ紹介するけど。」





 と言い、さらに後日会う事が出来た。しかもそのアイドルグループにまでも。





 「初めまして。鏡原三花と申します。この度はお忙しい所大変ありがとうございます。」





 とおじぎをしてから握手を求めた。





 先方からも握手してもらい、アイドルグループの方々とも挨拶と握手をした。


サインも書いてもらいホクホクしていたら、先方の作詞家の方が言ってきた。





 「どうだい?三花ちゃんさえよければアイドル活動してみないかい?」





 と勧誘してきた。が僕は既にデビューしているので返答に窮しているとレッスンの先生が助け舟を出してくれた。





 「今回来たのはただ単にファンクラブに加入したいと言う本人の希望で来ただけだし、僕の方が先に目を付けているよ。いくら友人とは言え譲れないな・・・。」





 「あはは。なるほど、そういう事かい。なら仕方ないか。」





 肩をすくめてあきらめた表情の先方の作詞家。でも瞳はまだ僕をじっと見ていた。








 無事アイドルグループの方々から家族分のサインを貰い、帰ろうとした矢先先方の作詞家の方が僕の耳元でささやく。





 「君がいつでも歌を出したいと言うなら作詞してあげるよ。」





と甘い言葉を出してくる。既に僕はピアノのレッスンの先生と一蓮托生の気持ちでいたのに・・・。





 後日ファンクラブ加入の手続きが終わり晴れて会員になった。


思えば小学時代に僕自身のファンクラブがあったが、中学でも引き継がれてファンクラブがある。


今でも小学校では存続しているらしい。


その僕自身が昔ファンであったが年齢的な事と金銭面で会員になれなかったが今はアイドルグループの会員になった。


当然と言うかピアノのレッスンの先生の作曲家の会員には既になっている。


ファンとしての心理は理解しているつもりだが、僕自身に向けられるのと同じ心境なのだなと思う。








 コンサート当日、無事チケットを購入出来た僕と兄達で会場に着いて、指定席に着席して開始を待っていた。


が、なにやらあちらこちらから視線を感じる。始めは舞台に向けての視線だと思っていたがふと気が付くと席の前の方の人がこちらを振り返る。視線に気付きそちらに向けるとなにやら喜びの表情を示していた。





 多くの視線を浴びなれていたはずだがそれは同級生達で、こうした周りの大人達からの視線は慣れていなかった。そして撫でまわすかに見る視線。それは顔や上半身に注がれており、げんなりする気持ちになり昔に『女性が視線を感じる』と言う事を肌で味わってしまった。





 が、その時間も過ぎコンサートが開始されると皆一様に盛り上がって皆ノリノリになっていた。


僕はと言うと、席に着いたまま無言で聴いていた。緊張していたのもあるが、最初は静かに聴いていたいと思ったからだ。





 アイドルグループが舞台で歌い踊り何曲目かでステージを降りてこちらに来た。


何事かと思っていると僕の前に来てマイクを向けて一緒に盛り上がろうと言う顔をしてきた。


そして僕も掛け声等兄達や周りの観客と同じ様に乗った。








 ふと気が付くとステージが終わっていて、観客が帰っていく最中であった。


程よい高揚感に満たされていると、僕を見た観客達が写真の許可を求めてきた。


が、やんわりと断った。





 後で聞くところによるとアイドルグループからは僕の存在に気付きていて、あえてのサプライズで近寄って来たらしい。普段は観客席に来る事は無かったが僕への対応により盛り上がったので今後はステージ下に降りて観客にマイクを向けて一緒に歌うと言う伝統が出来上がった。





 最初は周りの観客達も何事かと思ったが、ノリに乗っている僕の姿を見てあえての演出かなにかと思ったらしい。それを知ったのは後日配布された会報誌にマイクを向けられてノリノリで歌う僕が写っていたからだ。


今から思えば座席の場所と言い、アイドルグループの方が僕に向けてのマイクも仕組まれていたらしい。





 後日生徒会の方に意見が寄せられたが、


 『生徒会長も人の子、アイドルのコンサートくらいいいじゃないか。』


 と擁護してもらい何事もなくこの問題は終結した。





 が、僕は乗っていたので気付かなかったが、観客の一部が僕の事を『みかん』ではないかと思うのにはそう時間がかからなかった・・・。


ブックマーク、閲覧ありがとうございます。


励みにしております。


今後ともスローペースですが応援の程宜しくお願い致します。


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