遠夜の気持ち ①
『スッゲーーーーー……!!』
俺はカレンを自宅に送っていった時、ガーンと度肝を抜かれた
ナンジャコリャ〜〜〜〜〜〜!!
今、目の前にはドドーーーンといった言葉が似合うデッカい超巨大お屋敷がそびえ立ってる
ヴェルサイユ宮殿?
いいや昔、世界遺産の特集番組で見た、イタリアのナポリ王国時代に建設されたというガゼルタ宮殿みたいだ
ちなみにソレは映画スターウォーズのアミダラ女王様のお住いになられる宮殿のモデルだ
守衛さん付きの門を通り抜けると、どぉ〜〜〜〜ん……
オサレなガーデンパーティが今すぐにでも出来そうな、手入れの行き届く広々としたガーデニング雑誌から抜け出したみたいな素敵なお庭
パシャパシャパシャ
自宅の庭に瀟洒な彫刻付噴水ーーーってアリなのか?!
しかもちょっとした目抜き通りの公園クラスの奴があるってどうよ?!
しかも大きなガッシリ見上げる黒光りする石垣にはご丁寧に、ヒタヒタ岩肌流しっぱなしかけ流しの人工の水壁、滝まで造ってあっしッッ!!
水道代月幾らかかるんダッつーんだよ!!
しかもキラキラ見目美しく効果的にライトアップされてっし、いい感じに薄暗くなったロマン溢れる景色とマッチング、雰囲気に”映え”もいいところだ
「あのさ〜ちょっと聞くけど水道代とか凄いだろ?」
「?
『地下水でしよう』って、パパが専門業者の方にお願いして噴水の為に川の支流の水脈を見てもらったの
地質調査して『ここだ』と井戸を掘ったから其方方面はわからないわ?」
「……なにげに凄いな」
イタリアンレストラン経営者のお嬢という事だけは友人からの話で耳にしてはいたけれど、何とカレンはクラスの『女王様』ならぬ本物のプリンセス、特級おーじょさまだったって訳だった
「カレン、お前〜兄弟姉妹って居る訳?」
「ううん?一人娘だし?」
「そっか」
「私妹とか弟とか、お兄様やお姉様欲しかったな」
「そうなの?」
「お庭や建物一階は会社で福利厚生で研修やお祝い事のイベントで時々使うけれど、本当は家族三人だけだからこんな広い家なんか必要無いのに」
「……」
確かに半分はオフィス的な役割を果たすらしいお屋敷内部も素晴らしかった
今時風の巨大な玄関の金属扉、吊り下げられたグッドデザイン賞を受賞したかの洗練の極み、縦長銀色シャンデリア
清々しい吹き抜けの玄関ホール、ふかふかな立派な絨毯に華道家がいけたのかな前衛的で流麗な素晴らしい花のアレンジ
緊張する俺は一階の、ファミレス一軒分、平場に丸々収められそうな白を基調にした居間に通される
「!!カレンちゃん!!」
娘を見るなり母親が飛びつく様にやって来た
「御免なさい」
「もぅ〜〜この子ったらっっ!
どんなに心配したか!!」
固く抱き合った後はもう2人とも涙涙涙ーーーー
それを見てホッとした
カレンは親に本気で愛されてる
よかった……
本当に良かったよ
俺は胸がじーんと温かくなった
人助けが出来た事で自分を誇らしく感じる
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長い話し合いが終わった後、確実にカレンはさっきよりもずっと良い顔色になっていたと思う
少なくともーーーー
あの真っ白な血の気のひいた顔つきよりは
それだけでもずっとずっとずっと嬉しい気持ちで満たされて、本日一番良かったと思えるのだ
俺は心より安堵の吐息を漏らす
兎にも角にもやっと一歩前進?、そんな所かな
とりあえずの自分の役目が終わったと感じた俺は、時間を見てお暇を願い出る




