結婚3ヶ月の夜
「旦那様」
「ああ」
「また覆い被さってますが」
「ああ」
「一応お聞きします。何をなさろうとしていらっしゃるのでしょうか?」
「閨だ」
「まあそうでしょうね」
「ああ」
「娼館に行ったのでは?」
「ああ行ってきた」
「ではなぜここに?」
「帰ってきたからだ」
「なるほど。おかえりなさいませ」
「ああ」
「娼館に行ったのならなぜここに?」
「閨をす」
「そうではなくて!性を発散なさったのでしょう?」
「していない」
「え?まさか、行っただけ?」
「いや。茶は飲んだ」
「茶って、待合室で出されるやつ…。では何をしに行かれたのですか?」
「行けと言っただろう」
「わたしが行けと言ったから行ったと」
「ああ。行けば後は自由にしてもいいと」
「…だから自由に閨をしに来たと?」
「ああ」
「…」
「…」
「旦那様」
「ああ」
「わたしは娼館で性を発散してと言ったんです。娼館という場所に行けという意味ではないんです!…いや、でも、何もしないで帰る男性なんている?もしかして、行為をしたけれど足りなかったとか?」
「いやしていない。抱きしめてもいいか?」
「ああああもう返事をする前に抱きしめてるじゃないですか苦しい!力いっぱい抱き込まないでください!…あれ?移り香がない」
「ああ」
「本当にしなかったんですか?」
「ああ」
「きれいな人いっぱいいたでしょう?」
「きれいかはわからない。女はいた。男も」
「したくならなかったんですか?」
「ならない」
「どうして…」
「君じゃないからだ」
「………。愛はないって」
「ああ言った。愛が何か知らないからあるとは言えない」
「でも、わたしじゃないと嫌ってこと?」
「ああ」
「…」
「…」
「…今夜はこのまま寝ませんか?」
「…だめか?」
「………しつこくしないなら」
「う……努力する」




