第0章 あらすじ
ラーフィール王国は魔術を基盤にした高度な統治システムにより、多くの民が安全に暮らせる理想国家であった。
王子ミコトマスは、日々街に出て民と触れ合っていた。
「君の痛みを教えてくれ」
その言葉とともに、困っている人々に手を差し伸べた。
しかし平和な王国内でも、労働義務や行き過ぎた正義が人々の不満の種であった。
人々は対等に接することができるミコトマスを不満のはけ口のように責め立てることが度々あった。
ミコトマスは心を痛め、精神的に追い詰められる。
その度ホミニスが人々の声を魔術でかき消し、ミコトマスを城に連れ帰った。
王国の宰相であるホミニスはミコトマスの育ての親のような存在で、ミコトマスのことを誰よりも心配していた。
ある夜、ミコトマスのもとに暗殺者ムサシナタスが現れる。
ムサシナタスはミコトマスを殺そうと刃を向けるが、ミコトマスの「君の痛みを教えてくれ」という言葉に暗殺を踏みとどまる。
視線を交わすふたりの間に、輝く風が舞い込み、ムサシナタスは過去の記憶が蘇る。
直後ホミニスが現れ、ムサシナタスに即死魔術を放つがミコトマスがそれを斬り払い、ムサシナタスは逃亡する。
翌日、国家の守護者である“五戦士”のひとり、美の戦士ディコトムスが王都に帰還する。
異変を察知したディコトムスは魔術制御ロープ“エンケル”を使ってミコトマスの部屋を調べる。
魔術は魔粒子という物質に依存した力であり、痕跡をたどれば事件の真相を掴めるはずだった。
不可解なことに、ホミニスの即死魔術以外の魔粒子痕跡が一切なく、ディコトムスはこの事件の異常性を追及。
ホミニスが責任を取り捕まるが、ミコトマスが反逆を告白。罪を被る。
ムサシナタスとの接触によって芽生えた風の力で上昇気流を起こし、ミコトマスは空の彼方に逃げ去った。
一方街を出ようとしていたムサシナタスはミコトマスが空から落ちてくるのを発見。
街の人との触れ合いでミコトマスの存在の大きさを知ったムサシナタスは、衝動的にミコトマスを救助。
ふたりは空中で再会し、ムサシナタスの飛行能力で遠くに逃げ延びる。
不時着した村で、ふたりは治癒魔術師リオストスから手当てを受ける。
その村は反社会組織が牛耳る、薬物原料採取を生業にした村であった。
原料を回収しにきた組織の手先をムサシナタスが殺害したことで、村の若者たちが暴徒化しリオストスが襲われるが、ミコトマスが必死に応戦。
力の戦士ポリトゥスが駆けつけ、騒ぎは収まる。
しかしリオストスは村の治癒魔術師の仕事を解任され、愛馬のアラシと共にミコトマスとムサシナタスの旅に同行することになる。
ポリトゥスから、知の戦士ビノダロスがミコトとムサシを捕獲・連行しようとしていることを聞かされたミコト。
博識なビノダロスから風の力に関する情報を聞き出すため、逆にこちらからビノダロスを捕獲する作戦を決行する。
作戦は失敗するが、ビノダロスとの間にも輝く風が吹く。
倒れたふたりを担ぎ、ビノダロスは自身の所属するマクレー教の寺院に向かう。
ビノダロスは古の伝承、風使い“アネモイ”に関してミコトたちに明かす。
加えて風の戦士ダビディスが、アネモイを狂信的に研究していることを告げる。ダビディスはかつてミコトの兄のような存在であった。
単独行動をしたムサシがダビディスに捕らわれ、記憶をのぞかれてしまう。
ムサシの記憶からダビディスは風の力の発動条件が“痛み”だと判断し、ミコトを殺すことでそれを手に入れようとする。
なんとかダビディスの研究所から抜け出したムサシはミコトたちに合流するも、ダビディスに追跡されており戦闘となる。
ダビディスは風の魔術で竜巻の塔を作り出し、ミコトとムサシを分断する。
竜巻のなかでミコトはムサシとダビディスの発言から風の流れを読む方法を見出し、魔術を断つ技「シナト」を会得。
竜巻の発生源をシナトで断ち、ダビディスを無力化する。
ビノダロスがダビディスを王都に連れ帰る際、ミコト、ムサシ、リオストスにアネモイについて調査を依頼。
新たな任務にリオストスが奮起する。
しかしその直後ミコトが謎の男に刺され致命傷を負う。刃に塗られた毒と、リオストスが村で治療に使っていた薬が反応し、ミコトの生命を蝕む。
ムサシがすぐに男を始末したが、反社会組織“ヴェスパ組”の組長マンダリンが現れ、戦闘となる。
マンダリンの魔術鎧は真空を作り出し、ムサシの風の斬撃を無効化。さらには毒をまき散らしムサシは窮地に立たされる。
ムサシはリオストスに、ミコトの体内にある毒粒子を一点に集めるよう指示。
ミコトの身体をシナトで切り裂き、解毒を試みる。
リオストスが傷口を塞ぐとミコトは復活し、未熟な魔術でマンダリンの鎧を無効化。ムサシが鎧を破壊し、マンダリンは倒れる。
戦いの傷が癒えぬなか、リオストスがミコトとムサシに魔術師として協力することを誓う。
輝く風がリオストスにも訪れ、リオストスのなかにも風の力を宿す。
その夜、気を失っていたマンダリンが目を覚まし、“ボット”という謎の存在と接触。
ボットがアネモイを巡る計画を進行していることが示される。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます!
これなら一角のアネモイの物語が本格的に動き出します。
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