さっちゃんのこと
「お待たせ、さっちゃん。ジャージ持ってきたよ!…あれ、俺、お邪魔だったかな?」
「何を勘違いしてるんだ洸…。さっちゃんが寒いって言うから抱き合ってるだけだよ!…なあ、さっちゃん?あれ…寝てる…。」
さっちゃんは、俺に抱き着きながら寝ていた…。俺と洸は、寝ているさっちゃんを起こさないようにジャージを着せてやった。洸のじゃ少し大きいな…。
「さっちゃんの制服は、見つからないのか?」
「うん。親衛隊の人たちが持っていったみたい…。ああ、親衛隊っていうのは。」
「さっちゃんから、聞いたよ。羅院先輩のだろ?」
「さっちゃんは、何も悪くないのに…!やっぱり、一回アイツら、ぶん殴ってやる!!」
洸のいつも穏やかな黒い瞳がギラついている…!?ああ、こいつ不良だったんだっけ…。
「おいおい、洸。落ち着けよ…。お前の拳、二●の極みくらい威力あるんだからな!暴力沙汰になったら内申に響くし…退学だってありえるぞ?」
「そうだけど…。さっちゃんが可哀想だよ!!…これじゃ何のために男子校に来たのか。」
「何の話?」
「…さっちゃんってさ、可愛い顔してるでしょう。だから、小さい頃から同性にモテモテだったんだって。」
「同性って…。まあ、たしかに女の子みたいな顔してるけど。女の子からはモテなかったのか?」
「逆に、異性からは嫌われちゃって…。だって、自分の好きな男の子が、自分より可愛い男の子のことを好きになったら…女の子としては屈辱的だろ?」
「そりゃそうだな…。」
「それでね、女の子からすごくいじめられたんだって…。女の子のいじめってトラウマになるくらい陰湿じゃん…。さっちゃん、そのせいで女性恐怖症になっちゃったんだって。」
「それで、ホモに目覚めたのか…?」
「いや、さっちゃんはホモじゃないと思うよ。羅院先輩ともいやいや付き合ってたし…。さっちゃんのメガネって伊達メガネなんだよ。さっちゃんの瞳ってなんか、同性を惑わせる『チカラ』があるみたいで…直視するとさっちゃんの虜になっちゃうんだよ。羅院先輩も、部活の練習中にさっちゃんが転んで、メガネ落として、さっちゃんの瞳を直視したせいで、さっちゃんに心奪われちゃったんだ!」
サイサリスが奪取してどうすんだよ…。
「ふーん。でも、さっちゃん、俺と恋人になりたいらしいぞ…。」
「日記で王子様って書いてあったもんね…。さっちゃんって、人と関わるのが苦手みたいで、俺も仲良くなるまでに結構時間かかったんだよ。だから、みっちはすごいよ…。さっちゃんとすぐ仲良くなっちゃったんだもん!!ゼフィー兄さんが聞いたらびっくりするよ。」
「ゼフィー兄さん?」
「ああ、さっちゃんのお兄さんの星空ゼフィランサスさん。俺の下宿先のアパートの管理人さん。」
ゾ●ィー兄さんみたに言うなよ…。サイサリスの兄だからゼフィランサスって…。作者、83に関わる名前を物語に出さないと死んじまう病気なのか…?
「あれ?さっちゃんの身体…なんか熱いぞ。」
俺は、さっちゃんのおでこに手を当てる。
「熱があるみたいだ!」
「さっちゃん、風邪引いちゃったんだね…。あんな格好で、ずっといたから…。」
「俺が、アパートまで送って行くよ。洸、道教えてくれ。」
「ありがとう、みっち!」
俺は、さっちゃんをおんぶしてアパートへ向かう。さっちゃん…軽いな…。学校を出て少し歩くともうアパートが見えてきた。近いな…!徒歩5分って言ってたからな…。いいな…俺んちなんて徒歩30分は、かかるぞ!




