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みっちとさっちゃん  作者: 苺鈴(腐)
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洸のこと

 お昼を食べ終えた俺たち。さっちゃんは、寝てしまった…。

「さっちゃん…早起きしたからね。さっちゃん、朝起きられないから、部活の朝練免除してもらうために羅院先輩と付き合ってたんだよ。」

「そうだったのか…!」

 そんな理由で…男と付き合ってたのかよ…!!

「そういえば、さっちゃんて何組?」

 ちなみに、俺と星野は1組。

「さっちゃんは、2組だよ。」

「俺…さっちゃんに昨日会ったのが初めてで、何にも知らないからな…。さっちゃんの本名は?」

星空(ほしぞら)サイサリス。昨日も言ったけど、俺の下宿先の子なんだ。学校から徒歩5分のところにある小さなアパートで、うちの学校の生徒がほとんどなんだ!」

「星野の実家って学校から遠いのか?」

「ううん。徒歩で通える距離なんだけど…俺の親戚の叔母さんの家なんだ。俺、5歳の時に母さんが病気で死んで、父さんは仕事人間で俺の面倒みられないから、その叔母さんの家に預けられたんだ…。」

「…なんかごめん、悪い事聞いちゃったな…。」

「別にいいよ。…それでね、俺、なんかその叔母さんに嫌われてて、小さい頃からいじめられたんだ…。叔母さん、俺より二つ上の自分の息子と比べて俺を蔑むことばっかり言うんだよ…。俺、自分に自信なくしちゃって…。だんだん家に居づらくなって、悪い連中とつるむようになって…非行に走るようになって…。中2の時には、もう立派な不良になってて…あやうく少年院行きになりそうになった時、担任の千羽矢先生に助けられたんだ…。千羽矢先生のおかげで俺、変わることができたんだ!…先生、俺が悪い事すると本気で叱ってくれて、良い事するとものすごく褒めてくれて…俺、自分に自信が持てるようになったんだ!…それで千羽矢先生に恩返ししたくて、死ぬ気で勉強して、地元で一番の進学校であるこの学校を受験したんだ。それで、めでたく合格したわけなんだけど…。俺の叔母さん…俺の入学手続き書類を捨てたんだ…。この学校、叔母さんの息子も受けて落ちた学校だったみたいで…。」

「ひでえババアだな…!」

 星野にそんな過去があったなんて…。いつもへらへらしてるから…そんな風に見えなかったけど…。

「本当だよねー!!それでね、それも千羽矢先生が何とか助けてくれて、入学できたんだけど…。このままこの家に居たらダメだ!って、千羽矢先生がこの下宿先を紹介してくれたんだ!…そこで、さっちゃんに出会ったんだ。」

「洸…僕がどうしたの?」

 さっちゃんが起きた!!

「俺とさっちゃんが出会うまでの話をしてたんだよ。」

「ふーん。ねえ…洸は、みちるのことが好きなの?」

 なんていう質問してんだよ…!

「うん。俺、みっちのこと好きだよ!」

「洸…やっぱりお前…ホモだったんだな!!」

「違うよ友達として好きってことだよ!!…あれ、みっち。今、俺のこと洸って呼んだ?」

 やべえっ!さっちゃんの呼び方がうつっちまった…。

「呼んでねえよ…!」

「僕も聞いたよ。みちる、洸のこと洸って呼んだよ。」

「…呼んで悪いかよ!!」

「俺は、別にかまわないよ。むしろ、みっちには、洸って呼んで欲しい!」

「良かったね、みちる。」

「別に!!…てか、さっちゃんなんで俺のこと呼び捨てなの!?」

「だって…僕たち…恋人同士だから。」

「はあああ!?何言ってんだよ、さっちゃん!!」

「ええええー!?二人は付き合ってたのー!?みっちの方こそホモだったのー!?」

「そんな訳ねーだろー!!」

「そんなに恥ずかしがらないでよ…みちる。」

「みっちとさっちゃんが…付き合っていたなんて…!」

「だから、違うよ!!それに、昨日が初対面だって言っただろう!!」

「でも、もうキスしたよ。」

「そうなの!?」

 否定できない…!!

「あああー!!もう、昼休み終わるから教室戻ろーぜ、洸!!」

「ちょっと、みっち…!腕引っ張んないでよ…!」

「みちる、僕は?」

「お前は、クラス別だろ。一人で戻れ!!」

「さっちゃん、隣のクラスじゃん!一緒に戻ろうよ。」

「お前は、5分経ってから来い!!」

「…わかったよ。」

「みっち、サイテー!!」

「みちるは…僕のこと好き?」

「さっちゃん…悪いけど、俺…お前のこと何とも思ってないから!!これからも、お前のことを好きになることは、ないから。」

「みっち…そういう言い方は、ないんじゃない?」

「そうなんだ…ごめんね…み、藤田君。お昼一緒に食べてくれてありがとう…。」

 さっちゃんは、その場から走り去って行った…。

「見損なったぞ、みっち…!!」

「これでいいんだよ…。変に期待させても向こうに悪いじゃん…。こういう時は、はっきり断った方がいいんだよ。後でストーカーとかになったらめんどいし…。」

 そうだよ…。これでおしまい…。キスは、事故だったんだ…。男同士だからノーカウントだよ!俺のファーストキスじゃない…!!




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