はじめてのチュウ
藤田みちる16歳。校則ぎりぎりの長さの少し明るめの色の髪。子どもの頃から女の子には、モテてたから顔は、イケメンの部類に入ると思う…まあ、星野よりは確実にイケメンだな。
中学は、野球部に所属し守備に関しては『鉄壁のみちる』の異名で恐れられていた。現在、高校(男子校)1年、帰宅部。大体、俺は家から一番近い男女共学の高校に行きたかったのに…親に無理やり、地元で一番の進学校であるこの『月影高校』を受験させられた!まあ、俺、勉強できる方だったから受験は、楽勝だったんだけど…。男子校って…!!しかも、家から遠いし…!!野球やってたせいで…運動部の勧誘しつこいし…!!
そして、そんな俺は、今…なぜか…ホモの痴話喧嘩に巻き込まれて…。なぜか、男とキスを…俺のはじめてのチュウを…俺のファーストキスを…男に奪われてしまったのだ!!
「…先輩。これで、僕と別れてくれますね?」
「俺は…認めないぞ!!」
先輩は、俺を睨みつける!その先輩は、輝く金髪に蒼水色の瞳に、日本人離れした端正なお顔立ちで…ラ●ンハルトみたいだ…。
「あの…俺、本当にこいつと初対面なんですけど…?」
「何だと!?」
「先輩。彼は、照れ屋さんなんです…。彼と僕は、もう…身体を重ねた仲です。」
「はああああー!?何言ってんだお前…。カイザー!じゃなかった、先輩!コイツが言っていることは全て嘘です!」
「俺の純粋無垢なサイサリスが嘘をつくわけないだろう…!!貴様、よくも俺のサイサリスの純潔を汚したな…!!」
「だから…俺は、何もしてません!!…サイサリスも、いい加減、俺に抱き着くのやめろ!!」
サイサリスは、俺の体から離れようとしない…!男に抱き着かれても、ちっとも嬉しくない…。
「貴様…今、俺のサイサリスを呼び捨てにしたな…!!」
「あんた、どんだけコイツのことが好きなんだよ!!この、ホモ野郎!!」
「サイサリス…頼む。俺の元に戻ってきてくれ…!!」
「嫌です。」
「もう、俺…帰っていいですか?」
「さっちゃーん!どこにいるのー?もう、夕ご飯の時間になるよー!」
誰かの声がする?こっちに来るみたいだ。さっちゃんってまさか…サイサリスのこと!?
「ああーいたいた。さっちゃん!探したんだよ…。あれ?羅院先輩じゃないですか?それに、みっちも!どうしたの?」
やって来たのは…星野だった!!
「星野、コイツの知り合いなの?」
「さっちゃんは、千羽矢先生に紹介してもらった俺の下宿先の子なんだよ!それと、こっちの先輩は2年の羅院春人先輩。さっちゃんと羅院先輩は、俺と同じ陸上部だよ!先輩、こいつは俺と同じクラスの藤田みちるです。」
先輩の名前…。ああ、二人とも陸上部だったんだ…足速いはずだ…。
「とにかく、さっちゃん帰るよ。今日の夕ご飯は、さっちゃんの好きな焼きそばだよ!」
「焼きそば!」
サイサリス改めさっちゃんは、俺から離れて、星野の方へ行った。俺…焼きそばに負けたのか…。
「それじゃ、先輩失礼します。みっち、また明日!」
星野とさっちゃんは、帰って行った…。
「藤田みちる…!!貴様…覚えていろっ!!」
羅院先輩も帰って行った…。いったい、何だったんだ…?
それよりも…俺の…ファーストキス…!!初めての相手が男なんて…!!
ショックから立ち直れず放心状態で帰宅した俺…。自室のベットに飛び込む…!
眠れない夜…さっちゃんのせいだよ…。さっき別れたばかりなのに…。耳たぶが…燃えている…。何の歌だっけこれ…?
母さんがドアをノックする。
「みちる。ご飯食べないの?」
「…今日の夜…何?」
「焼きそばよ。」
俺、焼きそばに負けたんだよ…。
「…いらない。」
「どっか、具合悪いの?」
「大丈夫ナリ…。」
「なんでコ●助…?何があったのか知らないけど…お腹すいたら降りてきなさい。」
はじめてのチュウ…男とちゅう…うわあああああああああー!!




