2/5
その2
そんな中、日本兵が部下の少年兵を残忍にも切り殺すというシーンを撮影していました。その場所だけは天窓があり、自然光が役者たちをキレイにライティングしていましたが、そのシーンは目を覆いたくなるような恐ろしいシーンでした。
我々は光が当たらない薄暗い壁際にカメラを構え、撮影の準備をしていました。私はカメラの横で現場を見ていました。
すると、カメラを構えているすぐ後ろの壁の穴に奇妙なものを目の隅でとらえたのです。
何が見えたかというと、真っ白い顔です。女の人の顔が見えたような気がしました。それはまるで、壁を挟んだ向こうの廊下から、体を乗りだし、穴から顔を現場の方に突きだしているように見えたのです。
え?
っと疑問に思った私は反射的にそちらを見直しました。
そこには何もありませんでした。コンクリートの壁に穴が空いているだけです。
そう。何もなかったんです。見直した先には、それに見間違えるような白い物は何もなかったのです。
スタッフの誰かかとも思いませんでした。何故なら、その顔は生きた人間の顔の白さではなかったからです。一瞬の出来事だったのではっきりと顔を見たわけではなかったのですが、その白い肌が非常に印象的でした。




