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『神秘』の獲得…そして帰路へ

ご閲覧ありがとうございます!

 少しきったねぇ言葉がでますので生暖かい目で見てください(白目)

「な、何だよやぶからぼうに…おわっ!!」


『良いから早く乗ってください。

 貴方達はあれを探しに来たのでしょう?』


「だからって乗せてくって…おっとと…。」


 俺は今、巨鳥(かのじょ)(はか)らいで背中に乗せて貰っている…いや違う。


 半ば無理やり乗せられた…に近いな。


 (くちばし)で器用に俺の服を咥え…背中に乗せられてしまったのだ。


 と言うのも…俺は彼女にとある条件の元で、湖の復元に対する行動を起こしていた。

 つまり、その復元活動を終えた今その俺の条件を呑む番だと…。


 しかしその条件の呑み方がまたまた強引で…背中に乗せて連れてくと言う。

 全く…長く生きてる奴は何をし始めるかわかんねぇな…。


「見てみてー!高ーい!」


「わぁー!私、こういうの憧れて居たんですよ!一度大きな鳥さんに乗って空の旅…とか!」


「おうおう、小娘どもは楽しそうだなおい。

だけど…悪いんだが俺は下ろしてくんねぇかな?

 あと!口の中に入れた翻訳機返せ!地味に口内でエコー掛かってるじゃねぇかすげぇ…じゃなくて…返せ!」


『風の中の…ふ~ふふ~ん…。』


「誤魔化すな…ってどっかで聞いた曲だなぁおい!?てか知らねぇのかよ!

 ふざけてないで下ろしてくれよ…な?な!?」


 俺はただただ必死に彼女に下ろしてくれと頼み込んだ。

 いや、周りからしたら普通に下りれば良いだろ…と思われる所なんだけどな…実は理由があるんだ。


 ミッシェルやフィオラも不思議そうに俺を見つめてくるが…俺は彼女達を見つめ返す余裕すらなかった。

 ただ必死にその羽毛にしがみつき…足をブラブラさせる…全くもって生きた心地がしないのだ。


 そう、俺は…高いところが怖い…つまり。


「俺は…高所恐怖症なんだぁぁぁああああ!!!!!」



※※※


『着きましたよ。』


 彼女は無慈悲だった。


 巨鳥(かのじょ)の背中に揺られ、見えてきたのは湖…先程まで俺達が居た湖とは別の湖の様だ。

 彼女曰く、ここは汚染が差ほど酷くなく、暫くここで過ごしていたらしい。

 その間にここへ卵を産み落としたとのこと…ならば、俺達の求めてる物はこっちの湖にあったわけだ。


 もっと奥まで探索すればここを見つけられたかもしれないが…今となってはどうでも良いことなのだった。


 バサバサと大きく翼をはためかせ、綺麗に地面へと降り立つ…そして直ぐ様俺達も彼女の背中から下りた。

 因みに俺は嘴で下ろして貰った…動けなかったからな。


「大丈夫?リュウノスケ?」


「リュウノスケさん…まさか高い場所が苦手なんて…。」


「思い出したくない、そっとしてくれ。」


「でもさーリュウノスケ、一応この大陸…東の大陸もそうだけど、空に浮かんでる空島……。」


「アッアッアッ!!やかましい!!ちょっと気になってたんだから言わないでくれ!!」


 無事?に巨鳥(かのじょ)の背中に乗せられ、その場所へとたどり着いた俺は、グロッキーなこの状態をフィオラ達に生ぬるい目で見られていた。


 そりゃあね、高度で言うと500位の高さを3分程飛行した訳ですよ。

 高所恐怖症の俺にとっては、金づちの人間に水攻めの拷問をしてる並みに辛かったのですよ。


 まるでチョコパンだと思って食べたらあんぱんだったとか…ちょっとこれあんまり…ってあんこじゃねぇか!ってなったときの気分がずっと続いてる感じだ、うん分かりづれぇな!


 とりあえずそんなモヤモヤしたのが、下りてからずっと続いてる…高所恐怖症だし仕方ないよなうん。


「リュウノスケ、何ボソボソ言ってるの?」


「ミッシェル、あんこはボソボソしないぞいい加減にしろ。

あんこじゃなくてアソコの毛はボソボソ…。」


「そんなこと言ってないし聞いてないんだけど!?

 会話が成立してないけど!?ねぇ大丈夫!?」


「あっ!見てください二人とも!ありましたよ!

多分あれが"グジラボール"じゃないですか?」


 ミッシェルが成立しない俺との会話に困惑している所で、フィオラがどうやら目的の物を見つけたようだった。

 俺もグロッキーな気分を抑えながら向かうと…そこには、綺麗に月の光が反射しているのか…綺麗なエメラルド色を放つ花が群生していた。


 勿論、それは"ミッシェルの花"。俺達が最初に訪れた湖に咲いてた物と同じだ。


 そして群生したミッシェルの花の中心点…どうやら、丸く光る物体が見えた。


「あれか…?」


 そう呟いた俺は、湖に突き出る(いく)つもの石を飛び石として活用し、その場所へと近づいた。

 運良く、中心には多くの飛び石が突き出ており、容易に近づくことが出来た。


 月の光を頼りに、転落に気を付けながら更に近づくと…その正体が見えてきた。


「これか…どうやらミッシェルの花の根が幾つも絡まってる様だな。まるでメロンの模様にそっくりだ。」


 俺が言った通り、巨鳥の産み落とした卵に絡み付く花の根…それは綺麗な編み目の様に、不思議な模様を浮かべていた。


 これが"グジラボール"…遂に見つけたぞ。


 俺は、早速採取に取り掛かった。勿論、この食材の特徴や危険な部分などは覚えている。


 カテゴリーは【食材】【植物】【毒】…その【エリクシール】だ。


 ミッシェル曰く、カテゴリーに【毒】があるが、その毒はどうやら卵自身にではなく、絡み付いている花の根の方にあるとの事だった。


 彼女の注意通り…素手で触るとどうやら危ない様なので、フィオラ達から事前に受け取っていた採取用の分厚い布を使い、俺の頭程ある大きさのそれを丁寧に水面から引き上げる。

 すると、ぷちぷちと音を立てながら接続されていた花の根が千切(ちぎ)れていく…長く接続されていた為に、もう根の耐久度はそんなに無かったみたいだ。

 こちらにとっては好都合な事だが…その散り散りになる根を見て、少し可哀想に思えてしまった。


「悪いな…貰ってくぜ。」


「リュウノスケー!とれたー?」


「ん?おう!バッチリだ!ほらよ!」


 俺が手にした"グジラボール"を掲げると、岸に居る彼女達は喜んで跳び跳ねている。

 とても嬉しそうだ…そりゃそうか。


 急ぎつつも落とさないように、慎重に対岸へと戻った俺は、ふうと一息付くと…手に持ったその"グジラボール"を眺め、思わず呟いていた。


「たった一日なのに…お前のお陰ですげぇ経験が出来た…ありがとよ。

 メテロンに届けるまでがゴールだけど、落ちてくれるなよ?まあお前は"ボール"だけどな。」


 と、下らない親父ギャグを無意識に口に出し、少し恥ずかしくなりながらも…手に持ったそれを大切に抱えていた。


 すると、フィオラ達が声を上げて俺の名前を呼んだ。

 そちらを向くと…いつの間にか再び巨鳥の背中に二人が乗っているではないか。


「ほら!早く早くー!」


「どうやら鳥さんが夜の湖は危ないから、私達の町の近くまで乗せていってくれるらしいですー!」


「おうそうか!それは助か………ちょっと待て!!それってまた俺が…アッアッ!!離せ!下ろせ!!」


『ダメです。』


 もう一度言うが…彼女は無慈悲だった。


「我慢してくださいリュウノスケさん!私もしっかり身体を抑えているので…そのグジラボールを絶対に落とさないで下さいね!」


「オーマイゴッド……。」




 しっかりと三人を乗せた巨鳥は、それを確認すると…その大きく美しい羽をはためかせ、一気に大空へと飛び立った。


 まるで落ちた彗星が夜空へと還っていく様な…そんな一筋の光を翼から放ちながら…星空見える空路を戻っていくのであった。



 透き通った空気とスピード感…そして綺麗な夜空を携えたその爽快な筈の空の旅を、竜之介が台無しにしながら…。



「オーマイゴッドッ!!!オウッ!マーダーファッ○!!☆※$↑/○▼#@*!!!」


「もう!!リュウノスケうるさーーーい!!!」



 その日の終わりを祝福する夜空を飛びながら…下らない言葉を叫び続ける竜之介だった。

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