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フラワーアルケミストと異世界旅行 作者:此峰 優
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水質調査と見知らぬ子供

ご閲覧ありがとうございます!今回は少し短めです。
 また余談ですが…たまに学校で習った理科実験をしたくなるのは俺だけでしょうか…?
バナナにクエン酸の粉つけて食べてみたい。
 さて…フィオラは錬金術の準備の為に素材探し…ミッシェルは早速森や、湖周辺の動物を治療しに行ったが…俺も自分のやるべき事をやらなくてはな。

 フィオラには湖を"還す"…と言うよりも元に戻すって言った方が簡単か、とにかくその為の道具を作る準備をして貰っている。
 俺はその道具の原案…つまりは"記録(レシピ)"を考えなくちゃならない訳だが、錬金術師でもない俺が引き受けて良かったのだろうか?

 いや、でも錬金術はイメージを具現化するだけの技術…素材はある程度法則性があっていれば勝手に変わってくれる筈だ。
 と、なれば俺でも発想は簡単か…それでも中々(まと)まらないものだな。

 取り敢えず夕焼けの綺麗な湖面の近くまで歩いてきた俺は、湖の状態をより詳しく知るために水を汲むことにした。
 自前のリュックを開け、現実から持ってきた様々な道具を漁る。確かこの辺にあった筈だ…。

「おっ、あったあった。持ってきて良かったぜ…『科学実験セット』。これ高校で使ってたんだよなぁ…懐かしいぜ。」

 取り出したのは理科系統の実験で使用する簡易的な道具達だ。
 試験管、ビーカー、スタンド、顕微鏡、アルコールランプ…そしてリトマス紙とピンセットやガラス板。
 後はガラス板につけた物の成分が出る便利な機械もあったな…やっぱ科学ってすげぇわ。

 その中の試験管とビニール蓋、アルコールランプ、スタンド…それとリトマス紙を取り出した俺は、素早く湖の水を採取した。
 水を試験管へと採取した俺は、てきぱきとスタンドに試験管を並べていく。

 一つは桟橋周辺…アルカリ性変色を起こしていた植物の付近だ、本当にアルカリ性が溶けているならこの水からはアルカリの反応が出るはず…先ずはここを基準にしよう。
 次に俺達が反対側から『オオブネダケ』を利用して湖の中心まで行った最初の地点。周りには巨鳥(かのじょ)が言っていた、壊された置物やら何やらの鉱物系統の人工物が散らばっている。
 ここの水も採取した、これは二本目だ。

 最後に三本目、この地点と先程の地点を直線で結んで、真ん中に当たりそうな部分だ。
壊れて流れた桟橋の破片や、流木…それに湖底から突き出た大きな岩だろうか?そんな物を利用し、湖の中心近くまで跳びはねながら移動した。

 そこで水を素早く採取した俺は、さっきの場面へと戻る。

「こんなものか…後は火を掛けて沸騰させてみるか。」


 余分な成分が混じっていると正確にリトマス紙の色が出ないといけないかと思ったので、取り敢えずアルコールランプに火をつけた。勿論、自前の緊急用ライターでだ。

 グツグツと沸騰を始めた一本を退かし、また次、次と三本とも沸騰が完了した。
 それを器用にピンセットで掴み、スタンドへと戻していく。これで準備万端だ。

 先程の『科学実験セット』を再び取り出して、ガラス板と成分検査機を取り出した。

 それをセッティングした後、ピンセットでリトマス紙を三枚掴むと、それぞれの試験管へと一枚ずつ浸し、それぞれをガラス板に並べた。

 地面で行っているので、土や(ほこり)が付かないように細心の注意を払う。
 すると、リトマス紙の色が変わってきた。

「これは…えっと、青がアルカリだっけか?
 多分この桟橋地点の奴は青だからアルカリ…やっぱりな。
 それと…反対側は赤か、つまり酸性って訳だな…あの人工物から酸性成分が流れてるに違いないな全く…ん?」

 それぞれ両端のリトマスは反応を示した…のだが、どうやら中心で採取した水だけは…色が変わってない様だった。
 アルカリか酸性か…どちらかであればきっと色が変わるはず…なのに全く色が変わらないのも不思議な物だった。

 だが、ふと思い返すと、この実験には思い当たる知識があった。

 それぞれ異なる成分が、5:5の割合でぶつかり合うことで起きる現象だ、きっとほとんどの人間なら学校で習っただろう。

「これはまさか…両端がアルカリと酸で分かれてるから…もしかして『中和』されているのか?
 偶然にしては珍しすぎるな…自然で中和現象が起きるなんて…ラッキーかもな。」

 『中和』。そう、アルカリと酸性を混ぜると起きるあの現象だ。
 水酸化ナトリウムと酸性水溶液で行い、水色っぽい色になったら『中和』された証拠…何てのをやったのでは無いだろうか?

この水は色こそついてないが、それでもリトマスを見る限りは"中和されている"…としか説明できなかった。

 気になって成分検査機に掛けるが…大まかな性質や成分も出なかった。
 やはりこの地帯の水だけ、『中和』されていたのだ。

「と、なるとこの水だけは正常…いや、それよりも綺麗な可能性もあり得るな。
 待てよ?これをベースにすれば…何か思い付きそうだ。
 よし、取り敢えずこの水を『中和水液』としてもう少し取っておくか。」

 湖の全体をこの水に近づける事ができれば、生物も息を吹き返すかもしれないな。
 実際、湖の中心には"ミッシェルの花"や魚何かが泳いでいた…間違いなくこれは事実だ、これをベースにするのが得策だろう。

 俺は直ぐ様その地点の水をビーカーいっぱいに採取し、(こぼ)れないようにビニール蓋を張った。

「よし、これでベースとなる『中和水液』はオッケーだ。もしかしたらフィオラも素材集めに苦労してるだろうし…こっちで素材的なのも取っておいて損はない筈だしな。

 さてと…しかし、次はどうするか…これで水質の目標は取れたが…。と、なると次は…周りの生き物についてか。」

 そう言えば、ここの湖が汚染されてからと言うものの、周りの動物…勿論巨鳥(かのじょ)自身もそうだが、飢餓(きが)(おちい)る程の飢饉(ききん)…つまりは湖の水が周辺の植物や食材等にも影響を与えてるわけだが…それを今度は調べてみる事に。

 竜之介は、次の素材と記録(レシピ)発想の為に湖を離れ、周りの植物や動物を見てみる事にした。

 と、竜之介が簡易実験をしていた道具を片付けている時だった。
 近くで足音が聞こえた…フィオラか誰かが来たのだろうか?もしそうならば、この『中和水液』の事も耳に入れておけば後々役に立つかもしれない。


 竜之介はそう思ったのだが…その予想は外れた。

 何と驚くことに目の前に現れたのは見知らぬ男の子…?だった。
 夕焼けを背に立つその子供は、緑色の瞳に青い髪…奇妙な紋章が描かれたマントを羽織って、その湖を見下ろす小さな丘に立っていた。


「うん?こんな場所に人が居るとは珍しいな…何処(どこ)の人間だい?」

「うおっ!?こ、子供!?」
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