森を抜けて
ご閲覧ありがとうございます!
雑談回ですw次は目的地ー!
森を抜ければ湖…目的の場所は近い。
しかし、少しはしゃぎすぎた俺達は休憩を取ることにしたのだった。
静かに落ちる木の葉、差し込む昼の太陽の光を体に受けながら、小さな木陰で三人で休憩していた。
地面に敷き詰められた木の葉と雑草が、まるでフワフワな毛皮の様に肌触りのいい感触をしている。
どうやら此方の植物は全体的に繊細で、触り心地の良いものが多いらしく、まるで高級カーペットの様な印象だった。
自然の温もりに触れながら、心地いい風と匂いを全身で感じ、少し貯まった疲れを癒す。
フィオラは採取した植物を確認しながら、持ってきていた記録本の中に、出来るだけの情報を一生懸命書き込んでいる。
熱心なことだ、錬金術師は常に勤勉と共に生きる事を生業とする…と現実の何処かで聞いたような気もするが…本当にその通りかも知れないな。
錬金術師のアニメやゲームキャラクターを作る人間は、もしかしたら本当の錬金術師を自然に感じ取って作ってたのかも知れないな。
それにしても、その概念がまさかこの現実に存在するなんて…何だか不思議なものだ。
一方ミッシェルは、何処からともなく取り出したクッキーをもちゃもちゃと何だか幸せそうに食べていた。…コイツもしかして無類の食事好きか?
休憩とは言え、ただ座っているだけでは物足りないので、二人に素朴な話を持ちかけてみた。
「なあ二人とも、お前達ってもしかして幼馴染み…とかそう言う関係か?やけに仲が良さそうだけど。」
と、質問をすると、ミッシェルが食べていたクッキーを一気に飲み込むと、一息ついて答えた。
「そだよー!フィオラとは小さい頃から良く遊んだり一緒にお出掛けしたりしてたの!
最近はフィオラも錬金術の事で悩んでて会えなかったんだけどね。」
「へー、フィオラもたまには息抜きとかすれば良かったのにな?」
「うーん、確かにそうすれば良かったですね…リュウノスケさんが来る前は何だか焦ってて…この前の通り、お母さんに追い付く為に必死だった物で…。
あ!でも!リュウノスケさんが来てくれたお陰で考えが変わって、リュウノスケさんも手伝ってくれるって言ってくれて嬉しかったんですよ?」
「確かに!リュウノスケと一緒にあのお店に来たとき、普段より楽しそうだったもんね!今もそうだし!」
「えっ?そ、そうですか?」
「そうだよー、うりうりぃー♪」
「きゃはは!くすぐったいですー!」
成る程な…俺も案外フィオラの支えになれてたのか、それは素直に嬉しいな。
こうやってじゃれてる姿を見てると…もっと見守ってやりたくなるな。
擽り合いながら笑っている少女達を見ていると、穏やかな気持ちになってくる。
まるで大きな妹が二人出来たみたいだな。
「おやぁ?ここもまたおっきくなったんじゃないのフィオラー?ほれほれー!」
「きやっ!何処触ってるのミッシェルー!」
「良いではないかー良いではないかーうひひー!」
「然り気無くセクハラするの止めろ小娘ぇ!」
ミッシェルって典型的なオッサン女子だよな…めちゃくちゃ可愛いとは思うのに、そこで一気に残念系パラメーター上げてるのは自覚あるのだろうか?
いや…だがしかしだ…この光景は非常にえろ…大変微笑ましいな!もっとやれ小娘!
「あっ!リュウノスケ今やらしい事考えてたでしょー?分かるよー…フィオラ可愛いもんねぇぐへへ。」
「良く分かってるじゃ無いか小娘、後でお兄さんが料理を振る舞ってやろう…。」
「うしし!お主もわるよのー?」
「何言ってるんですか二人とも!もう!おちょばーーーー!!!!」
「「おちょばッッッ!!!」」
オープンなジョークに腹を立てたフィオラの鉄拳は、俺とミッシェル二人に見事クリティカルヒットした。
その鉄拳でフィオラの怒りの扉をオープンさせてしまったのは言うまでも無かった。
※※※
休憩を切り上げた俺達は、森の小道を歩きながら、雑談をしつつ湖へと向かう。
きっともうすぐ着く筈だ、万が一の事を考え、少し気を引き締めていた。
「もうすぐだな…"グジラボール"とやらがあると良いんだけど。」
心配そうに考えていると、ミッシェルがちょっとした豆知識を教えてくれた。
どうやら目的の物には特徴的な"花"が付いているらしく、直ぐに分かるとのこと。
「あのね!実は私の名前、ミッシェルって言うのは花の名前なんだー!」
「そうなのか!?じゃあフィオラと同じじゃないか…オシャレだなぁ、花の名前とは…で、突然それがどうした?」
「その"ミッシェル"って花が湖に咲いてるの、それも…その"グジラボール"の側にね!」
「それ本当か?だとしたら驚きだな…。」
ミッシェルのお母さん、つまりマルテッタさんはその花を良く摘んできたらしく、形は覚えているとのこと。まあ自分の中の名前になった花だから当たり前か…それにしても、そうだとしたらミッシェルを此方に付けたメテロンの采配は完璧だな。
とんだ偶然だが…いつも偶然に助けられてるか偶然に会ってるな俺…もはや偶然の貴公子だわこれ。
「まあ偶然にしても都合がいいな、見つけたら言ってくれよ?」
「任せてよ!ふふーん♪」
「いやーそれにしても…二人とも花の名前か…まさにこうやって二人に挟まれて歩くと、そのまま両手に花って奴だな。」
「あっリュウノスケ…それもしかして…気があるって事?」
「アホ、色目使うのにはまだ早いぞ小娘。」
「んー?こーんなに可愛いミッシェルさんが言ってるのになー?」
「何言ってるんだ、お前はフラワーじゃなくてナニワーなオッサン女子じゃねぇか。」
「うわ!何か良く分からないけど超失礼な事言われてる気がする!?」
俺とミッシェルがいがみ合いながらもふざけあっていると、フィオラがあっと声をあげて目の前を指差した。
その方を見ると、森が開け、眩しい光が大きく射し込んでいた…どうやらようやく目的地のようだ。
「見てください!着きましたよ!」
フィオラがまた飛び出してその光に飛び込む。
俺達も慌てて飛び込み、薄暗かった森に居たせいでその光を眩しく感じつつも、薄目を開けて徐々にその光景を目に映した。
すると、順応した俺の目に映り込んで来たのは、予想を越える絶景だった。
「すげぇ…ここが……東の湖!!」




