文字の習得
ご閲覧ありがとうございます。
文字を覚えるだけの繋ぎの回みたいな感じですw
あ、そうだ(唐突)
良ければ適当な評価やブックマークとかも頂けると嬉しいとゴリラ思いますので良ければお願いします(懇願)
「リベルさん!」
「おや?どうしましたかリュウノスケさん?」
俺はフィオラとの約束を交わしたあと、その為に必要な事をしなければならないと思い、リベルさんの自室にお邪魔した。
リベルさんの部屋はきちんと整頓がされた綺麗な部屋で、フィオラ同様に大量の本が置かれていた。
所々装飾されているのはリベルさんの趣味だろう。
実にその雰囲気とマッチした絵画や小物でより一層リベルさんの落ち着いた人柄を表していた。
俺がリベルさんを訪ねた理由と言うのは単純なことだ。
俺は…この世界の文字、源の言葉を読むことが出来ないのだ。
言葉の意味や発音は同じでも、文字そのものを読めなければ記述も記録も、ましてや古文何かの文字列解読何てのはもっての他だ。
まずはこの世界の文字に触れ、なれることでその歴史に触れ、記録をなぞることが大切だと思ったのだ。
そこで役に選んだのがこの人、リベルさんだ。
実際フィオラより知識も経験も豊富だろう。
…あっちの経験も…とか言ってる場合じゃないな。
「…こほん。
リュウノスケさん、あまりそう言うことを考えないで頂けると助かります。」
と、唐突に投げ掛けられた言葉に驚愕してビクッとなってしまった。
「ウエッ!?あっ、心眼のモノクル…いやすんません!何と言うか癖でって言うか思春期と言うか…だははは!…ごめんなさい。」
そうだった…リベルさんの眼鏡は"心眼のモノクル"。
物事、対象の"状態"を観察できる錬金術の道具だと言うのを忘れていた。
状態、すなわち、人ならば"考えている状態"も読み取れるのだ、これからは余分な事は考えないようにしておこう、ホントに。
少し顔を赤らめるリベルさんはもう一度こほんと咳き込んだあと、俺の求めているその考え通りの事を言ってくれた。
「つまり、源の言葉の読み書きが出来るようになりたいのですね?」
「そうです。
いやー心が読めると助かります…まあそこでリベルさんならそう言うの上手だと思ったし、何せ頼れるのはフィオラとリベルさんしか今のところ居ませんからね。」
「ふふ、頼られるのは大変嬉しいですが…多分文字自体を覚えるのは難しいのでは無いのでしょうか?
何せかなり特徴的な形をしています、この世界の人間では無いと言うのなら尚更…それでも勉強なさりますか?」
確かに、この世界の文字は奇妙なほど難しい。
漢字やアルファベットと言った複合文字は無さそうだが、そもそも基本の文字ですら幾何学的だ。
覚えるのは困難…しかし、ひとつだけ共通点がある。
それもとても重要で、それでいて嬉しい誤算だ。
「大丈夫ですよリベルさん。
何せ…俺とリベルさんは今"言葉を交わしている"じゃないですか?」
少し考えたリベルさんは流石と言うべきか、俺のその言葉の意味を直ぐに理解し、答えてくれた。
「言葉を交わす…成る程!
そう言えばリュウノスケさんの話す"言葉の音"は同じ…それをそちらの世界の言語文字と照らせば比較的に簡単になると言う事…でしょうか?」
「完璧だ!流石リベルさん頭がキレてて助かるぜ!
俺の使ってた日本語と照らして、繋いで覚える…例えばこの文字なら"あ"。
この文字なら"い"って感じに覚えれるはずだ。
いやー言葉が通じてホントに良かったと今実感したぜ…。」
例え、文字が違えど音が同じであれば比較的簡単に結びつけられる。
これは日本語の発音をアルファベット、つまり英語の発音と結びつける単純な勉強法だ。
発音の難しい英語でも、崩して発音すれば日本語に聞こえる。
音があっていればその文字の組み合わせで別の言語の文字を会得できる。
そうして俺は世界中の言語を覚えてきた。まさかここでも活躍することになるとはな…。
「じゃあ早速頼むぜリベルさん!
俺の使ってた日本語の文字を並べるから、その横にその発音と同じ文字を書いて貰えるかい?
そうしたら後は…ひたすら俺が書き覚えるだけだ。
その時にリベルさんについて貰って、文字の丁寧な書き方を教えて貰いたい。」
「勉強熱心何ですね、もっと自分に優しい人なのではと思っていましたが…」
「グサッとくるなぁ、俺は案外勉強家ですよ?」
「ふふ、冗談です。
さあ、お昼までには文字の基礎だけでも覚えましょうか。」
「おっしゃ!よろしく頼むぜリベルさん!」
取り敢えずお昼までの目標を決め、俺は源の言葉の習得を始めた。
どれも書き方は文字と言うよりも絵だ。
一つ一つ特徴とバランスを考えながら覚えていく。
最初こそまともに書くことも出来なかったが、数時間続ける内にきちんとバランスがとれ、文字らしくなってきた。
これもリベルさんの丁寧な指示があっての賜物、やはりリベルさんを選んで正解だったようだ。
フィオラは何だかふわふわした説明をしそうだったから…と言うと彼女が可哀想だが、事実ふわふわしてるしまあ良いだろう…。
そんなこんなで勉強を続ける内に熱中して言った俺は、頭の中の知識層をフルに活用し、次々と文字を習得していった。
お昼になった頃、そこまでと言っていたが、休憩も挟まずにひたすら俺は勉強していた。
その姿を見たリベルさんは軽い昼食を作って俺の横に置いてくれた。
リベルさんは家事があるのでいつまでも縛るわけには行かないので、そこからは俺一人の問題。
貰った昼食は疲労や精神力の消費を気にしてか、甘めの物を作ってくれていた。
小さな気遣いも貰い、元気も出た俺は続けて勉強していた。
「よし…コツが分かってきたぞ…ドイツ語よりは楽かも知れないな…」
※※※
気づけば日が暮れ夕方。
一日の大半をこの文字の習得に使っていたのだった。
そして…最後の仕上げ。
文字を使っての文章を作ってみた。
それから自分の名前、龍ヶ谷竜之介と言う名前も書いてみた。
…書ける、読める、バランスも悪くない。
「……ふう…どうやら覚えきったみたいだ。
流石天才竜之介君だぜ、自分でもこのスピードは惚れ惚れするな!」
そして…俺は見事たったの一日で、この世界の文字…源の言葉を書き覚えたのだった。
物は試しに、リベルさんの部屋の本を数冊借りてページを捲ってみる。
朝には読めなかったその奇っ怪な文字も、すらすらと読むことが出来る。
その言葉の意味も、どういうふうな説明をしているか、どんな内容なのかも的確に知ることが出来た。
「へぇ…こんな本なのか、こっちの本も悪くないな…。」
新しい発見もあったりして驚きと同時にその嬉しさも体を巡る。
自分で書いた作文も、表現の仕方に間違いが無いことを確認して本を戻す。
音があっていたのと、リベルさんの助けもあったお陰でこのスピード、下手をすると英語やポルトガル語等の別言語よりも簡単に覚えられたかも知れない。
ふうと一息ついて、椅子に背中をもたれる。
ずっと前屈みになっていたせいで腰から肩にかけてズキズキしている。
だが、その痛みが一層この達成感を得る実感となっていた。
すると、キィと扉が開き、リベルさんがお茶を持ってきてくれた。
そしてテーブルに置かれた紙にびっしりと綴られた俺の作文を見て、彼女は驚いた。
「まあリュウノスケさん!!この短時間で覚えてしまったのですか!?」
「おう!お陰様でもう大丈夫だ!
ふあー…疲れたー!」
「…狂いはない…見事な文字です。
まさか本当に覚えてしまうなんて…それも一日足らずで…。」
そしてリベルさんはふふっと笑ってその紙を持った。
その後、俺に称賛の言葉を掛けてくれて夕食の席に着くように促した。
流石に疲れたな…でも、これもこれからの為だ。
今回の文字はまだ甘い方だ、これからはもっと知らなくちゃならないことだってあるはず。
こんな所で音を上げる様なら、フィオラとの約束なんて守れないからな。
「リュウノスケさん?疲れたでしょう…今晩は体力が付くような料理を振る舞いますね。
それに…これはお嬢様にも見て頂きましょう、もっとお嬢様もこれぐらい勉強して頂けると…母上様もお喜びになるのでは…と思いまして、ふふ。」
「ははは…フィオラが阿鼻叫喚する様が目に見えそうだなぁ…流石にフィオラじゃこのレベルでやらせるには気が重いぜ…」
「ふふ…それもそうですね。
さて!食事にしましょう。お嬢様もお呼び頂けますか?」
「任せてくれ!」
無事に源の言葉を習得した俺は、その疲れと己の勤勉さに自ら称賛しながら、疲れを癒すべく、リベルさんの料理を堪能し、長くも短かかった一日を終えるのであった。
「フィオラ!飯だぞー!」
「リュウノスケさん!?はい!今行きますー!」




