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ザ☆旅行記 外伝 バーン・カニング列伝  作者: 小宮登志子
第6章 モンスターの正体
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お金にしか興味関心のないコソドロ

 その場の雰囲気あるいは勢いだろうか、あるいはモンスターにかける熱い想いであろうか、バーンはチャーリーに続き、甲冑を脱ぎ、上着とズボンを脱ぎ、下着を脱ぎ……

 バーンはマリーナがキャーキャー悲鳴を上げるのも構わず、一糸まとわぬ姿となって、

「待て、チャーリー! コソドロ一人では無理だ!!」

 と、チャーリーに続き、オクトハーブ湖に飛び込んだ。

 一方、神殿から湖に突き出した先の祭壇では、湖畔でバーンたち一行が騒ぐのには煩わされることなく、儀式が進行していた。運河と湖の神に豚や牛を供物として捧げたので、次はいよいよ、一連の儀式の中で最も重要な、高価な貢ぎ物(すなわち、バーンたちがはるばる帝都から運んできた王冠)を湖の中に投げ入れるという部分である。

 神殿の中からは、神官がひとり、腰を折り曲げ、腕を可能な限り高く差し上げて王冠をかざし(非常に無理な、体に負担のかかる姿勢である)、極めてゆっくりとした足取りで、祭壇まで歩いていく。


「よし、来た! これが最初で最後のチャンス!!」

 チャーリーは懸命に水を掻き、祭壇を目指して一直線に泳いでいく。その後方には、「モンスター」以外は頭にないバーンが続いた。

 湖畔にいるマリーナは、まるで恋のライバルに恋人を奪われたかのように、

「一体、なんなの! チャーリーはともかく、バーンまで一緒なんて!!」

「まあまあ、あの二人にも、思うところはあるのでしょうね」

 サイラスは、苦笑しながらマリーナをなだめている。

「チャーリーとバーン、確かに奇妙かつちぐはぐな取り合わせです。バーンは『モンスター!』ですから分かりやすいのですがね」

「だったら、チャーリーは、何を考えてるの? モンスターなんて、いい加減なことを言って! お金にしか興味関心のないコソドロのくせに!!」

 マリーナは興奮が治まらない。

 ところが…… サイラスは、ハッとしたようにマリーナの顔をのぞき見た。

「マリーナ、今、なんと?」

「えっ? 何って、バーンとチャーリーが一緒に、あれは何って……」

 すると、サイラスは、力を込めた両腕でマリーナの両肩をつかみ、

「ですから、今、チャーリーは『お金にしか興味関心のない』とか」

「えっ、ええ…… そうだけど…… それが?」

 マリーナは、サイラスの突然の変わりように、かなり戸惑っている様子。

 サイラスはマリーナの両肩から手を離すと、腕を組み、「ああ」とか「うう」とか、自分の世界に入って何やら懸命に論理的思考に集中している。


 その間にも儀式は進行し、今や、高価な貢ぎ物である王冠は、祭壇の手前に陣取る最高神祇官の手元まで届けられていた。なお、チャーリーとバーンは湖面を泳ぎ、現在、祭壇のすぐ近くを立ち泳ぎしているという状況。

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