↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/55

6-8 隣国へ

 うーん、、森に沿い始めて木立により太陽の陽もかなり防げて快適な状態だな、、そうだ少し寄り道をして例の池により今後の為に原油を回収するのがいいかも、、、


ふと思いつき彼は森の中へと歩みを変更して森の内部へと進みだした。




「おっ あったあった、この池で間違いない、、、」


石油特有の匂いにひかれてこの場所へと到着した彼であった。


「まずは空の甕7つに汲み込んでおこう、、、」


虚空庫から取り出した大甕に手際よく回収をしていく。


「ふぅ これで最後だな、、、これを使う時は少しヤバイ時かもしれないが、まぁ色々な材料へと変換が可能だからな、、、」


石油製品で溢れかえっていた前世を思い出しながら、もしかの時やとんでもない商品の販売も想像しながらつい微笑んでいた。


 よし、、今夜はここで野営としよう。


もう直ぐ陽が落ちる時間だと彼は野営への準備に追われていく。



その後10数日程を森沿いの旧道を歩んでいく彼は、時々出没する魔物を退治しながらも順調に隣国へと向かいながら進んでいた。


 そろそろこの森から出られる頃かな、、、


この旧道で出会ったのは魔物と一組の冒険者達だけであった、しかし彼は用心して人の気配を感じると森の中へと隠れ込んでやり過ごす事で自分がこの道を移動している事を知られないようにしていた。


 おっと 何か前が騒がしいな、、、


前方から何やら馬らしきもので此方に移動してくる気配が伝わってきた、彼はやり過ごすために森の中へと素早く一旦隠れるとその正体を確認しようと前方を見つめていた。

それはやはり2体の馬でありそれぞれに乗り込んでいた者達は明らかに冒険者としては似つかわしい人物たちであったのだ。その服装は冒険者達とは違いかなりこざっぱりとした服装でその上半身はそれなりの防具が着こまれていたのだ。


 これは、、もしかして追手?!


瞬間的に彼は何かを感じていた、狭い旧道であるので馬が1体づつになりかなり急いでいる様子が見られたのであった。やがてその二人は慌ただしく彼の潜んでいる前をかなり急ぎながら移動して行く。彼の前から消えていくその姿を暫く見ながら、徐に彼はまた旧道に出て考え込んでいた。

 

 ・・もし追手だとして 何故に前方から?


隣国の追手ならバルベラさんの家を探し出して、彼の逃走を知り追いかけてきたのならそれは彼の後方から迫ってくるはずであった。それが前方から接近してきたことに少し違和感があったのだ。


疑問を感じながらも今見た彼等のどことなく異常な切迫感?を感じながら彼は不信感を抱きながらも少し足を速めてこの森からの脱出を試みていた。


後に判明するのだが、彼の判断の通りその者達は確かに隣国からの探索者達であったのだ。元々彼等はバルベラさん宅に住んでいる事を嗅ぎつけて彼女の家に向かったのは5名の者達であった。

全員が騎馬を操り突然彼女の家に訪問したのは彼がその家を出て3日後の事であったのだ。今暫く彼が出立するのが遅れていれば鉢合わせの可能性があった訳だ。


彼等はかなり不遜な態度で彼が何処に向かったかを問い詰めるも、バルベラさんには打ち合わせでもしかの時は正直に逃走方面を教えるようにお願いしていた。

彼は自分の事で彼女等に身の危険が及ぶことを好まなかった、但し旧道を利用する事だけは極力話さないで欲しいとお願いしていた。


隣国の追手たちは彼の逃亡方向を聞き、国外脱出が頭に浮かび至急に彼の後を追い始める。街道を疾走しながらも対象者を探すその姿はかなり異様な姿として街道を行く者達は眉をひそめながら彼等の姿を認識していた。


徒歩と騎馬となれば当然移動速度が違い過ぎる、彼等は3日の遅れを取り戻そうと懸命に街道を疾走するとやがて国境の関所へと到達する。


関所の役人たちに事情を説明して、それらしき者が通過しなかったと確認するも対象者らしき者が存在しないと判明すると彼等はしばしその場にて待機する事に決定したらしい、通常徒歩では約二週間の距離を騎馬で急いでいた、道中目を光らせてはいても騎馬の速度で全ての旅人を完璧に把握できたわけではないと判断し、彼が遅れて到着する可能性ありと判断したからだ。


しかし数日その場所で待機していてもそれらしき人物には遭遇しない、地元の者達に地理を詳しく聞いてみると どうやら旧道も存在していると。


ここで二手に分かれることになった、2人が旧道を走り残りの3名がゆっくりと元の道をもどりつつ探索を続ける事となった。彼が見た2体の騎馬はそんな理由で動き出した者達であったのだ。



 うーん、、何となく俺を探しに来た連中の気がする。


彼は遠くに去り行く騎馬を見つめつつ嫌な予感が広がっていく。

やがて森は終わる ここから暫く歩くと新道へと合流するらしい、そしてその合流地点よりほぼ一日歩くと隣国との国境地点になる。


 おう、、ここ迄くればもう少しかな、、


新道はかなり幅も広く通行の人々は数が増え賑やかな気配に包まれていた。



「あれ?おたくはバルベラさんの家で見かけた魔導具技士では?」


彼の横を通過していく馬車の業者から30前後の男の素っ頓狂な声がかかった。


「・・はい? あっああ、、バルベラさん宅の出入りの商人さん 確か、、、」

「ははは トーマスです また今日はどうしてこんな場所に?」


訊ねられて 隣国に少し用事がありまして、、 そう答えると彼は嬉しそうにそれに応じた。


「それは奇遇です 実は私はお宅の工房で作られた商品を同じく隣国の都市まで運ぶ最中だったんですよ。旅は道連れと申します、私も道中の話し相手やもしかの用心の相手がいますと心強いです。どうですか私の馬車で隣国の都市までご一緒は?」


突然の同行依頼に少し驚いたが、考えればこれ幸いと彼はその申し入れを承諾すると業者席の隣へと座り無事となった。これがその後に彼の幸いになるとはこの時は考えもしなかった。


「今日は行ける所まで行き、明日の早い時間には関所を通過したいと思います」


今からでは関所は夕方以降は閉ざされてしまう、途中で野営をして明日の朝早く通過するのが一番だと、商人トーマスはそう語りながらタローに隣国の様子を楽しそうに語り始めた。




「あそこが関所です、まだ早い時間ですので人が少なくて順調に通過できそうですね、、」


次の日 関所には其れなりの人が並んで身分確認等をされていたが、片田舎の関所はそれなりの簡易な取り調べしかされていなかった。


「・・次の者 ふむ商人のトーマスであるか、隣は冒険者のブライトだな。ふむ馬車の護衛であるか、、うむ 問題なし通れ!」


共に身分証代わりのギルドの会員票を提示すると、あっさりと隣国への入国を許可されたのであった。


「・・ここの関所はかなり簡単な手続きで通過できるのですね?」

「ははは これでも今日は何となくいつもより厳しい目が、、まぁ 私の感じた私見ですけれどもね。それよりブライトさんは冒険者上がりだったのですか?魔道具士にしては旅慣れた服装と思っていましたが、、、」

「ははは 実はそうなんです、でもこの通り魔導具ギルドの会員でもあるんですよ。ただ何となくこの服装にはこちらのギルド会員票がいいのかと思い 提示したんです」


だが これがある意味スムーズに関所通過の役にたったとはこの二人には考える事も出来なかった。


実は隣国の探索者たちは彼等より数日前に到着をして、通過する者達を関所の役人と同行に目を光らせていたのだ。しかしなかなかその対象者は現れずに、やきもきしていた時に実はこの街道の他に旧道もあると知らせられ二手に分かれて再度捜査の為にこの場所から離れてしまったのだ。


旧道を確認する者達は騎馬にてかなりの速度で旧道を調査し、新街道の3名はじっくりとそれらしい者たちを確認しなからも途中一泊して直ぐに関所方面にまた戻る事にした。

丁度彼が新街道に合流した時に新街道担当の3名はその合流場所から少し先の場所に移動したばかりであった。そして翌日の午後には再び関所に戻り着いたのだ。


だが その日の午前中にはタロー等は無事に関所を通過した後であったのだ。そして万一に備え関所の役人には特に魔道具ギルドの会員に注意する様に伝言を残して、、、関所の役人も他国からの依頼にそれなりに気を遣い特に魔道具ギルド会員に注意を向けて、他のギルド会員には今まで通りの確認作業にて済ましていたのであった。


これが彼がもし魔導具ギルド会員票を提示していたならば、それなりの詮議を受けていた可能性があったのかも。全ては良い方向へと運よく進んでしまったのは神の加護?があったのかも知れない。




「そうなんですか?あのオイルライターの発明は貴方だったとは、、、」


馬車での移動中 商人であるトーマスはオイルライターの製造に彼が関わっていると知って小躍りしながら質問をしてくる。


「実はバルベラさんに何度も頼み込んで一つだけオイルライターを、、ほら この商品ですよね?」


彼は自分用の魔法カバンからこっそりと取り出してタローの目の前に差し出した。


「いやー これはかなりお願いしてようやく一つだけ入手できたんですよ。実はこれはさる貴族様からどうしても欲しいと依頼がありましてね。限定販売で売られていると聞いていましたからほぼ入手は無理と思ってみたのですが、うん ねばってみるものですね、、、」


 おいおい これは限定30個だけの商品になるぞ、、これを手に入れるとはかなりやり手の商人か?


「ははは その代わりにバルベラさんにとってかなりの破格な条件を提示させて頂きました、、」


彼が言うには王国でどうしてもその貴族に今後入り込むためには必要なアイテムになるらしい、御用商人の一人になる為にもこの品が必ず役に立つとふんでの交渉だったらしい。


「そうだ ブライトさん、もしお時間がありましたら私と一緒にその貴族にお会いしませんか?今はお名前を言えませんが少し前に亡くなった勇者ケンタロウ氏とも面識のある実力者ですよ?」


彼は製作者でもあるブライトと共に訪問出来れば更に自分にも箔がつくし、ブライトが今後何かをしたい時にも色々と陰ながらも支援や援助もしてもらえる可能性があると説明をしてくれる。


当初は苦笑していた彼であったが、ふと何かを思いつき考え始めるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。