6-5 もしかして石油?
井戸から直接落差を利用して配管で水を送ればいいだけだが、塩ビ管が一番いいが原材料の石油関係に難点があるしアルミ菅は虚空庫の最大2mの長さしか製作が不可能となる。値段も張りそうだ、、竹の芯をくりぬいて接合した方が空中のごみ関係が紛れる事が少なくなるし、安価で簡易か、、、。
これは一般用はアイデア商品になりそうだ、、
本来の考えから行くと一般用は魔道具の必要性も無さそうだ、、?
しかし手動ポンプを自動化は魔道具にて可能か?井戸の蓋も出来るし、幼子の落下防止や落ち葉等のごみ問題も解決できるよな?魔石を動力源にすれば解決できそうかな? 安価なクズ魔石数個利用であれば左程価格も・・・どうかな?
「バルベラさん 井戸から水を汲み上げる魔道具は可能ですか?」
彼の虚空庫で作製も可能だが、何でも彼が解決しては今後の事がある。
「水を汲み上げる魔道具・・・そうですね、可能かもしれませんね、、」
「それ面白そう、、わたしがしてもいいですか?」
ローズさんが手を上げてくれた。
「開発お願いしても良いですかね?」
「はい 私が彼女にアドバイスしますので、、、」
二人の女性が楽しそうに同意してくれた、完成すれば子供達の水汲み労働も軽減するだろう。
ならば他に一般用に普及できる安価な魔道具開発が無いか、逆に彼女等に聞いてみる事にしてみた。女性の目からこの世界に必要な物を尋ねてみたのだ。
「うーーん、、やはり炊事・洗濯それに育児かな?」
この世界でも女性の大変さは変わらないと言う事だな、、
「特に食事関係は幼子を抱えながら行うのには色々と問題があるのよねぇ、、」
子供が大きければ上の子が下の子の面倒を見ている間に食事の準備ができるが、特によちよち歩き出す幼子は何をするか分からない怖さがある、台所は火を扱うので目を離した少しの間に子供が触れて大火傷の危険性もあるから神経を使うと苦笑いをする。
「そうですね、、火起こしは意外と時間がかかるし、その間に幼子が動き出し何かをしないかと気を回しながらの作業なのですね、、」
火起こしか、、、時間短縮できれば色々と便利か?
魔導コンロもあるがかなりの高価な品であるし、一般人には購入は無理だ。生活魔法も全ての人が使えるとは限らない、むしろ使用できない人の方が大多数でもある。
使い捨てライター? うーん、、ガスの代わりに魔石利用?それより安価な単純なマッチ関係の方が、、 えーと、、赤燐使用だったな?黄燐は危険で製造中止?だったかな、、、
いかん、、燐鉱石はこの近くにあるのだろうか?
村で鉱石に詳しい親父さんに聞いてはみたが、それらしい物はこの近くではなく隣国に近い場所の丘の中腹に露天でせり出しているらしい、他にも必要な部材があるのだろうが、彼の知識では限界であったが全ては虚空庫さんが対応してくれるから材料を集めて行けばいいだけだ?!
唯ひとつ別件で耳寄りな情報も仕入れる事が出来た、森の池に昔から不思議な話が伝えられているらしい。その池は水が透き通っていなく黒く澱んで粘りがある水で、異臭がして生物が住んでいないらしいと言う。
・・・もしかして 石油?!
彼は気になりその場所を詳しく教えてもらう、親父さんはそんな場所へ物好きだと笑いながらも地図を描いて教えてくれた。
もしかして本当に石油が湧いているなら色々な活用方法があるが、問題は原材料の石油だけで油脂やプラ関係を虚空庫内製造が可能であるかであった。
・・これだけは確かめてみなければ、、
ダメもとではあるが、もし各種製品が製造可能であるならば、とんでもない原材料の確保となる。はやる気持ちを押さえつつ、通常の作業のルーチン業務が一旦落ち着いた時を利用して、少し離れた森へと一泊泊まりの遠征をしてみた彼であった。
えーと 地図によるとこの先だと思うのだが、、
朝早くから森へと出かけ、魔物の襲撃に注意しながら用心深く進んでいく。森の奥深くにあるのだが不思議と魔物からの襲撃は少なく、それなりのペースにて目的地へと到着する事が出来た。
くんくん、、何やら異臭が漂ってくるな、この匂いは間違いなく、、
次第に風に乗って異臭の匂いが彼の鼻に届いていた、彼は逸る気持ちを押さえながらも匂いのする方角へと森を掻き分けて行く。
・・あった この池に間違いはなさそうだ
彼の目の前にその池は出現した、左程大きな池ではなく石油関係の特有な匂いが辺りを充満していた。
彼は恐る恐る池に手を伸ばして指先にて少しその黒い液体を取り出してみた。独特な粘りがあるその液体は彼の目には目的の品であるとほぼ確信していた。
手持ちの器に更に多めの液体をすくい虚空庫へと収納して、その正体を確認して見る。
やった、、間違いなく石油だと虚空庫は判断していた、、
さて これからが本番となる、この石油を虚空庫内にて成分分解して目的別に回収できるかが一番の課題となるからだ。
たのむ、、成分別分解精製をお願いします、、、
軽油 重油 ナフサ等の指定精製が可能かと祈りながらの検索を開始した。
やった、、、ナフサ単独での精製注出が出来るぞ!
彼は小躍りしながら目的が達成できたと喜びを踊り出した。
ははは、、これなら今後は出来る製品の幅が大幅に広がる
用意してあった大甕の容器10個になみなみと入れて虚空庫へと収納が完了する。
おっと もう夕方だな、今夜はここで野営して明日早くに村へと帰ろう
逸る気持ちを押さえながら彼は野営の準備へと入っていった。
ただいまーー
次の日の昼過ぎに村へと帰りついた彼はご機嫌な様子で挨拶をした。
「「お帰りなさい 無事に目的の品は回収できたのですか?」」
「はい上々の成果です、これからの製品作りに有効な品が手に入りました、、」
彼女等は彼が何を製作するつもりなのかまだ知らされてはいない、しかし彼の事だから何やらとんでもない品を考えているものと推測はしていた。
「本当はリン鉱石が見つかれば安易な商品が開発できるのですが今後の発見に期待します。今回は少し値が張りますが何とか安易にして皆さんの生活に役立ててみたいと思っています」
彼が考えていたのはオイルライターであった、本来はマッチ類を考えていたのだが原材料が入手困難な事により製品を変えて製造する事にしたのだ。
「そうそう ブライトさん、その燐鉱石?ですか 実は昨日来た出入りの業者に話したところ、何やら心当たりがあるとの事で、次回訪問時に持参してみると、、、」
はい?! 出入りの業者が、、そうかついうっかりしていた 何でも自分で用意するのではなく、専門家に任せれば手間がかからずに、、、
今迄全て自分で材料を回収した習慣からつい他人に頼る事を忘れていた彼であった。
はぁー 何と間抜けな・・いやいやならばオイルライターは少し高めに貴族関係に売り込む事も可能かな? まぁ 石油の発見は大成功だよな、、
彼は方向性をまた変えての販売を目論むのであった。
結果的に彼は出入りの業者の力添えにより燐の原材料を手に入れると家庭向きのマッチを販売に成功をした。これは後日ギルドにまた特許の譲渡をして更に大衆への幅広い層が安価な価格で販売できるようになるのはもう少し時間が必要ではあった。
無論この工房にても家庭向けのマッチは製造をしていく、なんせ彼の虚空庫による大量生産は桁が違う製品数を製造出来るからであり、この地へと商会の者達が買い付けに訪れて賑わっていくのであった。
「・・よし オイルライターも完成だな」
石油が入手できたことによりオイルライターが日の目を見る事となる。これは貴族や金持ち用の嗜好品系になり、商品の表面はそれなりの品質と簡単な彫刻や金箔も施して見栄えがする品へと変貌していく。
「・・ブライトさん これは貴族用としての特注品ですか?ギルドへ特許の申請はしないのですか?」
「バルベラさん これに使用するオイルはかなり特殊なんですよ。恐らく私しか製造は不可能です。そしてそれは現在はかなり入手が困難になると思います。下手に大量に生産すると自分で自分の首を絞める事にもなろうかと、、」
あの森へ2日がかりで出かけて石油を運んでくるのには正直時間が勿体ない。無論人手を使う手もあるが正直精油作業は私一人で行なう事になるだろう。そして大量にこのオイルライターを売ればその為に私はこの地から離れることは事実無理になるだろう。
この地にて永住を考えれば大規模な精油プラント立ち上げの手もあるが、いつでもこの地から逃げ出す用意をしておかねば、、恐らく隣国では私の居所を探しているだろう。いつ何時この地にも手が回る可能性があるか分からないからだ。
「・・そうですか 試作品は幾つぐらいの予定なんですか?」
「・・・そうですね 先ずは30個程度かな、、あまり作る気はないので」
現在森の池より回収した石油にてオイル製造すればかなりの供給は可能なのだが、当面は完成品は彼女に預けておけば暫くは消耗品のオイル注文に対応は出来ると思う。
「・・わかりました ならば貴族や金持ちに限定品として其れなりの価格で販売できますね、、」
彼女は優れた経営者でもある、彼女の頭の中はお金の計算が始まっている様だ。彼女の事だ本体も当然ながらこの消耗品のオイルでもかなりの金額が手に入るとほくそ笑んているのがありありと彼には見えていたからだ。
「でもブライトさん、、今回のマッチの特許権も金貨250枚でしたよね?このオイルライターならとんでもない金額が動くのでは?」
隣で聞いていたローズさんがほとほと感心したように彼に尋ねてきた。
「ははは 本腰を入れればかなりの金額が動くと思いますが、少し手間がかかり過ぎるのが難点ですからね。他の仕事にも影響が出て来るものと、、、」
「・・オイルですか?何か代用品は出来ないのでしょうか?探せばありそうな、、、」
「何でしたらローズさんが今後検討してもらえば助かります。私はこれ以上は深入りしたくはないですし、ローズさんの方で解決できるなら任せますよ?」
「いえ 今の私ではとてもとてもそこまでの力は、、、」
「うーん、、今後のテーマで考えてもらえればと、それと水汲みの魔道具の方は進捗如何です?」
「はい ほぼ8割方目処が付いて来ました、でも貴族・お金持ち仕様なんですよね、、」
「それは仕方ありませんよ、まず開発を進めその後に庶民にまで落とし込めるように改良を重ねて行く それが王道ですしね、、」
バルベラさんは笑いながら彼女に教え込んでいく。
慈善事業ではない、先ずは自分たちの生計がなるようにしていかねば、更なる改良や新商品への手間に耐えられなくなるからだ。
「はい よく理解しています、、頑張りますので、、」
彼女もこれからの未来に向けてまた一歩先に進もうとしていた。




