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4-11 彼女の下心?!

投稿時間を間違えていました、申し訳ありませんでした。

「はい、有り合わせですがご遠慮なく、、、」


嬉しそうに彼女はタローを家の中へと案内をする。


彼女の胸の内は出来ればタローを家庭料理で餌付けして彼を虜に出来ればと考えていた。


タローが初めて彼女の前に来た時に実姉からの推薦状なる物を差し出した、何をこんな大層なものをと考え込んでいたが、確かに薬草採取に便利な男性がいる暫く其方で働くように仕向けたので宜しくとの簡単な手紙を先に送っては貰っていた。


だが受け取った手紙には情報のない事がびっしり書き込まれていて、特に人間性やその採取腕前は目を見張るものがあるから、出来るだけ長く引き留める事を推薦してあった。そして手紙の最後の下りが、、出来るならお前の婿候補として見て欲しい、彼の得意な採取能力は実際に見てもらえば理解できるので、人間性も非常に好感が持てる人物であるし必ずお前を幸せにしてくれるだろう。女の武器をフルに使い虜にするように と書かれてあったのだ。


それを見た当時は半分呆れて姉は何を取り乱しているのかと考えたが、実際に彼に接してその人柄・薬草採取能力等には本当に驚かされていた。次第に彼が便利とは違う そう何か他の男性にない知性と言うか物の見方が違う面も随所にみられ、まだ若いのに幼い頃から勉強家の彼女に比べても、その知識を何処から仕入れたのだろうと考える程の博識でもあり、目から鱗が落ちる気分にさせられた彼女であった。


話していて楽しいという反面、その奥に何か不思議な物を漂わせる彼に次第に魅了されていた。そして極め付きがごく最近起きた若手冒険者によるトラブルを難なく解決させると言う その手腕にいたく感心させられた事であった。


冒険者としても若いのにCランクと言う前振りがあったが、素直には其れが当初は信用出来なかった、失礼ながら薬草採取は冒険者でも下層クラスが受け持つ生業でもあった。または冒険家業に疲れた古参の者とか怪我を負って冒険者をリタイヤした者が生業としていたからだ。真の冒険者ならば遥かに魔物退治の方がお金も名誉も手に入るからである。


そして絡まれた2人組を瞬く間に返り討ちにしたその腕前を見て、彼女は思わず身震いするほどの感動を与えてくれた。自分の為にここまで腕を振るってくれる、そして決してその行為を偉そうに自慢などはしない性格に完全に惚れたと言ってもいい感情に溢れ始めていたのだ。


年齢は自分より数歳年下であるが、時折見せるその表情や行動力・及び考え方はとてもその年代の男にはない事を彼女は常に日常的に見てきた。

この人を将来の自分の夫に、、、ふとそんな気持ちが生じても不思議ではなかっただろう。

正に姉からの婿()()()()()?が正解であったと感じるこの頃でもあった。


そして今日 この想いを伝えるその一歩として彼を家の中へ招待する事が出来たのだ、当然男と女が夜にひとつの屋根で向かい合う事がどんな事か覚悟しての招待でもある。

軽い緊張感を漂わせながらも笑顔を浮かべての対応をする彼女には女としての強かさも計算も持ち合わせていたのであった。


彼の最終的な見極めをしたいと言う思いもあり、それは場合によっては自分の躰を賭けての無謀とも言える考えも横切っていた。この世界の女性達は結婚生活はかなり早熟な考えを持っている、自分の知っている女性達は15歳から遅くても20歳までに結婚と言う行動を起こすのが一般的でもあった。

しかし彼女は薬学の勉学に意図しむあまり婚期を逃しつつあったのも原因のひとつでもあろう、気が付けば友や周りの同年代の女性は皆が家庭に入っており、一人取り残されたのは本人も自覚している。


母が存命であればまた違った人生を送ったかもしれない、また実姉がもっと近くに居れば、、、

腕に技術があるのはどの世界でも強みがある、彼女もまずは独立をしてと言う計画に向かい実行して来たし、それなりに容姿にも自信はあった。焦らなくとも、、そう自分に言い聞かせてきたのだが、彼の出現によりその心は大きく揺れ始めていく。


男を見る目は商売柄そこそこ接客業により養われては来たが、本質的な男に関しては彼女はまだ初心でもあり、当然男はまだしらない躰でもあったのだ、、、。



「・・・お邪魔します」


初めての彼女の家の中へ入るのに少し緊張していたタローであった、この家には彼女以外は誰も住んでいないのは情報として知ってはいたが、何となく誰かに見られているような気がしていたからだ。


「ふふ、、そんなに緊張しないでも私以外は誰も居ませんから、、」


そう可笑しそうに笑う彼女もかなり心の臓は早鐘の様に鳴り響いていたのだ。この家にて一人で暮らし始めて初めて男を家の中に招待したからだ。


「ここで食事ができるまで待っていて下さい、今お茶を入れますので、、」


応接間らしき場所に案内されて座っていても何か落ち着かない彼であり、頻りにその部屋の中をキョロキョロと見渡していた。


「・・お茶をどうぞ」


彼女が入れてくれた紅茶が目の前に運ばれて来た。


「あ 有難うございます、、」


何日か前は自分を守ってくれて大立ち回りをした彼が緊張して畏まっている。そのギャップについ可笑しくなり微笑む彼女であった。


「今から作りますから 少し待っててくださいね、、」


何かほんのりした気分になり、彼女はいそいそと台所へ向かい始めた。 


 ・・いいのかな もう暗く成って来たのに女性一人の家に入り込んで、、


そう言いながらも彼も少し期待に満ち始めている自分に戒めるように呟いていた。改めて部屋の中を見つめていても応接間らしき空間は生活臭に満ちている訳ではないが、ここで彼女ものんびりしている事を思うと何か心がざわついて来る。途中で何度かお茶やお菓子を運ぶ彼女に恐縮しながら、、


「あの、、私も手伝いましょうか?」


ついじっとしているより体を動かした方が気が楽になると思い提案をしてみた。

そんな様子を察して彼女は少し考えていたが、にっこりと笑うと、、、


「・・では少しお手伝いお願いします」


彼女に付いて台所にて彼女の隣に位置しながら、意外とテキパキと出てくる彼女の指示に従い、彼も色々な準備に体を動かしていた。

時折近付く彼女の体温に少し時めきながらも手を動かすタローであった。


「・・タローさん 意外と手際がいいんですね、、」


考えれば記憶にある30前後までは彼は独身でもあり、外食より簡単な家での食事を苦も無く行っていた自分を思い出していた。


「・・ええと 独身時代に鍛えていたので、、、」


そこまで言ってはっとして言葉を飲む、前世の記憶と今の年代との乖離があり過ぎたのだ。


「・・えっ 独身時代? ふふ まだタローさんは若いのに凄いですね、、」


そんな彼の発言を少し緊張気味の彼が発した言葉の綾と彼女は好意的に捉えてくれたようだ。


「・・ははは つい言葉の使い方が間違えてしまい、、、」


彼も焦りながらも訂正してその場を何となく誤魔化せたようだ。


料理を作りながら時折彼女は彼に質問をして来た、それは単純に彼の料理に対する好き 嫌いの好みに対する事ではあったが、時折彼自身に関する質問も飛び出してきた。


「・・タローさんは確か隣国のケソン村?の出身なの?」

「ええ、、4人兄弟の三男坊なんですよ、田舎では生活できなくて仲間と冒険者になろうと飛び出してきたんです」


この時代は次男坊までは家の跡継ぎの可能性ありで残る事も可能だが、三男坊は何処で生きようが勝手の扱いになる。


「・・そうなんだ、、少し聞いても良いかな?タローさんの博識って何処で覚えてきたの?私なんかもつい聞き入る程に知識が豊富ですよね?」


あっ、、またやったかな、、確か傷を汚いまま放置すると雑菌により化膿したり、最悪命にもかかわると話した事があったよな、、、。その時に彼女は不思議そうな顔で 雑菌? と聞き直してきたよな、当然 気づいてその場はそれ以上は深く話さなかったが、、。


「・・うーん 実は村に学者上がりの偏屈爺さんが住み込んで、気分が良いと色々な質問に答えてくれたので皆で面白がって集まっては話を聞いていたんだ、、、」


「・・へーぇ 学者上がりのお爺さんが? 道理で私なんかでは知らない話が多く出てきたのね、、」


危ない 危ない、彼女はそれなりの基礎学問を齧っているので、下手なごまかしは不味い。


「・・さてこれで料理はあらまし完成よ、隣の食堂に運んでもらえるかしら」


任せろと出来上がった料理を運び出すタローであった。


 ・・学者上がりのお爺さん?そんな辺境地に何故に住みこんだのかしら?


料理を盛り付けしながら、彼女は納得できない様子で頭を軽く振る。



「「いただきまーす」」


二人による夕食会が始まっていく、この世界での普通の家庭では品数が何点も並ぶ事など無い、特に彼が育った田舎の村では食事は腹を膨らませるものと割り切り、栄養管理の言葉すらない。ただ腹を満たすためだけの粗末な食事であった。


彼女の家庭は母も薬師であったためか庶民に比べれば豊かな環境の食事であったと推測される。それはテーブルの上に並ぶ何点もの料理数が証明していた。

この世界は調味料がまだ未開発の状態なのか、味は基本が塩であり、後は発酵品等や高価な香料も使われていたが、それは彼女の家ならではの事であった。


それでも久しぶりの手作り料理に舌鼓を打ちながら楽し気に食べるタローを見て彼女は嬉しそうにその様子を見ていた。


「あっ 御免なさい、私は普段は飲まないので、、お酒を持ってきますね」


食前酒には少し遅いが、彼女は棚から酒のボトルを持ってきた。


「少し強いお酒ですが美味しいですよ、召し上がれ、、」


琥珀色の液体に近いアルコールを勧められ一口含ませる。


「・・美味しいお酒ですね、、これ高価なのでは?」


普段は安物のエールしか飲まない彼にとって上物のお酒を味わう事になった。


「ふふ、、母が寝酒に一杯と好きだったので、、まだ収納庫に何本かありますので遠慮せずにお飲みください、、」


彼女のお酌につい何杯もグラスを空けてしまい、楽しい会話が弾みだしていく。


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