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4-10 再び採取活動

そう言ってパーク氏はタローの肩を頼もし気にポンポン叩いて、またの再開を互いに挨拶を交わす。

そんなお礼も込めて3人組も一緒になり食事会となる、少し違うのは予定したレストランではなく彼等の馴染みの落ち着いた雰囲気の酒場である事だ。



「あはは そうなんだ、シェリーさんに昵懇と言う相手はあの二人組だったのか?」

「ええ・・何度となくお誘いが、、ある時は無理やり薬草採取の依頼を私から受けて、、仕方なくお願いしたのですが、こう言っては何ですが仕事が粗くて、せっさくの薬草の価値が、、、」

「・・成る程ね どう見ても丁寧な仕事をするとは思えない者達ね、、」

「はい お姐さん、それ以来一度も仕事を依頼していなくて、、でもたまに店に来ては色々と、、」


そんな裏話があったのかとタローも話に聞き入る。


「・・うん シェリーさんは若くて綺麗だから、頭に血が昇る若い冒険者が多いのね?」

「そ そんな事は、、でも本当にありがとうございました、、、」

「タロー君だったな?当面はあまり泊りがけで店を開けるなよ。それと彼女を自宅に暫し一緒に連れ添ってあげな」

「・・はい そんな話は聞いていなかったので少し驚きましたが、当分は彼女の帰宅時には一緒に付いて送り届けます、、」


 そんな迷惑をかけるのは、、そう言いながら何故か彼女の顔はほころんでいた?


「「「ははは そうと決まれば少し飲むぞ、君とは再々会を祝して 乾杯?!」」」


楽しい宴がはじまり、皆が和気藹々として和んだ雰囲気での酒宴となった。

タローとしても久しぶりの酒ではあったが、鍛え上げた体は依然とは違い左程に強い酔いに襲われることもなく、楽しい酒席となっていく。それはシェリーも同様であり、逆にタローはこの細い体で何杯も強いお酒を苦も無く飲んでいる彼女に感心していた。


やがて明日の仕事もある事で3人組には再度今回のお礼を言いながら、お先に失礼する事となる。当初は助けられた御礼にシェリーが会計を支払うと提言していたのだが、彼等はあんなのは助けた内に入らないと逆に彼等が全ての支払いをする事となった。タローは一先ずアルコールが入ってご機嫌の彼女を実家まで送り届ける事となる。


 ふふ・・久しぶりに楽しいお酒の席でした、、


にっこりとタローに微笑むその顔はお酒により上気した事もあり、何となく色っぽい様子に思わずドキリとして目を逸らしてしまう。


 「えーと この先を真っすぐで宜しいのですか?」


それに応えようとした彼女が視線を変えた時に小石に躓いて思わずよろけてしまう。それを機敏な動作で危ないと判断した彼がしっかりと抱きしめて転倒から救う事となった。


 御免なさい、、ふふ 少し飲み過ぎたかな?


何となく酔いのせいか頼りない足取りであったので、そのまま彼女の体に片手を回し支えながらの歩行となっていた。彼女の腰に手を廻したその手が細身ながらも柔らかな肉の感触に思わずドキドキしてしまう。そんなタローの気持ちを知ってか知らずしてか体を預ける彼女であった。


 こ 困った、、他人が見たら仲の良い恋人同士と見られる可能性が、、いや シェリーさんの今後に変な噂話の可能性があるか?どうしよう、、、


「「待ちやがれ この野郎!!」」


少し人通りの少なくなった場所で暗闇から突然に声をかける2人組がいた。


「・・おい シェリーさんに何をした?酔わせて悪い事をするつもりだろう。此処から先は俺達が代わるからてめえはくたばりやがれ!」


先程の逃げ出した2人が、どうやら後を付けていた様だ。


「・・・タローさん」


心配顔の彼女を静かに引き離して・・


「・・直ぐに済ませますので、ここで待っていて下さい」


そんな会話が聞こえて更に2人組は頭に血が上った様だ。


「「この野郎、、その口が開かないようにしてやるからな、、、」」


剣を抜き放ち彼等がタローに向かって突進してくる。


「「げへっ?! ぐわぁぁ?!」」


勝負はほんの数瞬にして決まった、彼等は武器を抜かないタローによって、その鉄拳によりこれでもかとキツイ制裁を受けて地面に倒れ込み、呻き苦しんでいたのだ。


 ・・師匠により教わったのは剣だけではないからな、、


古代の森での特訓がこの無法な若者たちを返り討ちにして二人は地面に蹲り苦痛の声を上げていた。


「・・さぁ 早くここから逃げましょう?」


再び彼は彼女を支えて足早にその地から離れて行く。


「・・タローさん、、凄い、、、」


彼に縋りながら彼女は何故か驚いた様な感心したような笑顔でそう囁いていた。




「・・ここの家で宜しいのですか?」


町の中心部からから少し離れた場所の少し古い家を前に彼はそう訊ねた。


「はい、、有難うございました、、あっ 少し家に入りませんか?酔い覚ましのお茶でも、、、」

「有難うございます、、でも夜も遅いのでこのまま失礼いたしますね。また明日もお送りしますから、、」


そう言いながら彼は丁寧にお辞儀をしてその場から離れて行く。


 うーん もう、、唐変木なのかしら? 頑張れ シェリー、、、。


彼女はそんな言葉を小さく呟きながら家の中へと入っていく。



「お早う タローさん、、」

「あっ お早うございまーす、、」


翌朝は互いに昨日の事件など忘れた様な元気な声で互いに挨拶を交わしていた。

彼は当面緊急の薬草採取以外は外に出ずに彼女の近くにいる事を考えていた、当然前日の2人組のその後の動向についての不安があったからだ。外には出ずに店での彼女の手伝いをして夕方には彼女を届ける、そんな数日を過ごしたある午前中に3人組のパーティが二人を尋ねてきた。


「「おっ 元気にやっているみたいだな?変りは無いか?」」

「ええ お陰様で、、此処に来られるのは久しぶりですね?」


彼女があの時のお礼を再び丁寧に彼等に繰り返す。


「いや 大した事はしていないからな、、実はあの2人組がこの町から出て行ったという情報が入ってな、もしかして最後にこの店に嫌がらせをしていったのではないかと心配して尋ねてみたのだが、、」


そんな情報に互いに目を合わせて驚いていた二人だ。


「・・いえ ()()()以来、あの二人組には遭っていませんね、、」

「・・ええ 確かに()()()以降はあのお二人には遭っていませんわね、、」


そう言いながらクスリと微笑む二人であった。


「? そうなのか、、ならばもうちょっかいを出すこともなく安心だと思う、、そうだそこの中級ポーションを貰えるかな?」


彼等は買い物を済ませると手を振って また来る と一言掛けて出て行った。


「・・良かったですね これで安心できますよ?」

「はい、、本当に、これもタローさんのお蔭です」


今迄の胸の閊えが落ちたように明るい笑顔の彼女がいた。


「・・ならば明日からはまた本格的に俺も動きますね、、」


その言葉に少し残念そうな顔をした彼女だが、、


「・・はい この数日店のお手伝いを有難うございました」


彼女としては彼との楽しい会話の毎日が終わり、元の状態に戻る事が少し残念な気持ちなのであった。




「・・さて 本日から薬草採取の再開としますか?」


元気に飛び出して行くタローの目的は再び南の森への採取目的であった。そこそこ広い森の全てを把握するために動き回る事にしたのだ。しかし宿泊は暫くせずに日帰りの行動計画であった、その為に彼女が店に来たと同時に彼は朝の挨拶をして森へと出かけて行く。


 あった、、この薬草も高値で売れる。


冒険者達からも情報を仕入れて動き回っていく、当然情報の代価として彼の作成のポーション関係を渡していく。この日も情報通りの薬草を手に入れてご機嫌な彼は早めに店へと戻っていく。

彼女を家に送り届けるのが日課となっていたからだ、当初は申し訳ないと断っていた彼女だが、次第に彼に送られる事を楽しみにしていった。今日も送り届けられた彼女は家の前で別れてから少し考え込んでいた。


 そうだ、今度送ってもらった時にお礼に手作りの夕食をご馳走しようかな?


何となく先の希望が見え始めた彼女は一人で納得して家へと入っていく。


「ふむ 彼女の家へと送るのが習慣になってきたかな?このままでいいのかな、、俺が常に一緒だとご近所さんも気付くし迷惑にならないかな?」


此方は此方でこのままでいいのか少し不安に包まれ始めていたのだ。



その後数日して同じく家まで送られた彼女は意を決して彼に話しかけた。


「・・タローさん いつも申し訳ありません、せめてものお礼で我が家で夕食は如何です?何もありませんが手作りで良かったならご遠慮なく、、」


確かに帰れば便利なスキルで食事は済ませられるが、材料はそれ程豊富に居れてあるわけではない。つまり毎回似た様なおかずが並ぶことになる。偶には他人の用意する食事も味わいたいと思っていた所でもあった。


「・・えーと、素敵な提案なんですが、お手間を掛けるのは申し訳なく、、、」

「いえいえ 先ほど言った通り、有り合わせですのでご遠慮なく味の方もそこそこ自信がありますから、是非にタローさんに食べて頂ければと、、、」


そこまで言われれば断るのも失礼に当たりそうだと彼は少し考え込む。


「・・ならば有難く馳走になりますが、ご無理はしていませんよね?」


彼はまだ知らなかったが、彼女はこの日の為に材料の買い出しとか準備は全て終えていたのだ。


「はい、有り合わせですがご遠慮なく、、、」


嬉しそうに彼女はタローを家の中へと案内をする。


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