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4-12 酔って候?

「・・美味しいお酒ですね、、これ高価なのでは?」


普段は安物のエールしか飲まない彼にとって上物のお酒を味わう事になった。


「ふふ、、母が寝酒に一杯と好きだったので、、まだ収納庫に何本かありますので遠慮せずにお飲みください、、」


彼女のお酌につい何杯もグラスを空けてしまい、楽しい会話が弾みだしていく。

彼女もほんのりお酒により頬を染めながら楽し気な夕食会となり、互いの話や趣味の話などに多彩に話題が移りつつ時間をつい忘れてしまう会話が弾んでいた。


「・・タローさん もう一本持ってきますね、、」

「いや シェリーさん、そろそろお邪魔しないとご迷惑が、、、」

「あら、、私とのお酒は楽しくないのですか?今夜は飲みますよ?」

「あっ、、はい、、、了解です」


かなり上機嫌な彼女に断る事も難しくなってきて、更に追加のボトルをいそいそと抱えてくる彼女を見ながら顔には出さないが困ったなぁ と思いながらも美女とのお酒が楽しくない訳ではなく、またつい色々な会話へと時間は過ぎ去っていった。


「・・うーん 少し飲み過ぎて暑くなって来たわ、、」


かなりのお酒を彼女もタローと共に消費していたので、体が温まって来たのであろう。気が付くと彼女のブラウスのボタンがひとつ外されていてた。彼女の白い肌が薄ピンクに染まり豊かな谷間が彼の視線に入ってしまい困惑しながらも目の保養を楽しんでしまうタローであった。


 ・・ふふ タローさんの視線が私の胸を時折チラリと見ているわ、、


意図的なのか彼女は彼の視線が時折自分の胸に注がれている事に気付きながら、少し快感に近い気持ちの高揚を知らずに感じていた。全ては楽しく飲んでいるお酒の力であろうと思うが、その酒の力が彼の視線を嫌なものではなく好ましい視線にも感じてしまっていた。


ひとつには彼が年下であるという事実が彼女を次第に大胆にしていたのだと思うが、その背景には若いのにぎらついた感じが彼にない事もあるし、彼を好ましく思っている気持ちもあり、いつしか酔い始めたのだろうがとろんとした目が見る者によっては誘っていると思われるかもしれない。


だが彼はあまり動じた感じはしない、、逆に私は女としてあまり魅力は無いのかと彼女は僅かに落ち込む始末であった。


無論そう言いながらも突然彼が豹変して迫ってきたら、途端に酔いも醒めて狼狽えてしまう一面も彼女は持っているのであり。これ以上は大胆には出来ない事の自分の情けなさと彼の自制心の強さを寂しく感じてしまう狭間の中で彼女は更にお酒のピッチがあがってしまう。


「・・シェリーさん 少しお酒のピッチが、、」


少しお喋りの呂律がまわらなくなった彼女を見て、焦りだすタローであった。そしてこれ以上は不味いと本能的に感じてこの場から立ち去ろうと決断してその意図を話すと、、


「・・駄目です もっと飲むんだから私に付き合いなさい、、」


 いかん、、彼女の目が座ってきたぞ、これ以上は飲ませたら何かヤバイ?!


タローは何か感じたのかこれ以上は飲ましてはならないと 慌てて彼女からグラスを取り上げようとしたが少し遅かった様だ。


「・・こら 勝手にグラスを取り上げるな!私は飲みたい気分なの、、注ぎなさい!」


時遅かったかとタローは酔いが醒め始め、どうにかして寝かしつけようとするが、、、


「・・うん?寝たいの 私と?ふふふ いいわよ、、一緒に寝ましょう」


 違う!寝るのはシェリーさんだけです 私は帰りますので、、。


「あら、、それって私には魅力がないって事かな、、悲しい言葉、、」


 いえいえ シェリーさんは素敵な魅力あふれる人です でも今日は少し飲み過ぎですので、ゆっくり寝室で、、、


「・・あはは 何だ、私と寝たいのね?いいわよ お姐さんが抱きしめて寝かしてあ げ る♡」


 だめだ これは、、もはや会話が成り立たない と判断した彼は強制的に寝かせるべき行動に移る。


「さ シャリーさん寝ますよ 肩を貸しますので寝室は何処ですか?」

「・・あはは 私の寝室でいいの?優しくしてね 初めなのだから、、」


そう言って彼女は近寄ってきたタローに両手を広げる。


 ・・? 何をしているのですか? 


「・・だって わ た し初めてなのだから 優しく抱き上げて は こ ん で、、」


 どうすればいいんだ?タローは額から汗が出始める。




「・・うん もう朝? いたた 頭が痛い いけない飲みすぎだわ、、、あっ 私もしかして、、、、」


慌てて周りを見渡すと自分の部屋のベットに寝ている事が判明する、昨夜の記憶が所々飛んでいる状態なのは理解した。 いつ 私は自分のベットに? あっ タローさんは何処なの?


もつれる脚でベットから立ち上がり、ふらつく体で宴会になった食堂へと恐る恐る足を進める。


「・・タローさん?、、居ないわね あれ?私は食器類を片付けたかな?・・もしかして、、」


彼女は隣の台所へ場所を移動すると、そこには昨日使用した食器類が全て綺麗に洗われて整然と置かれてあった・・・


「・・いたた やってしまった、、飲み過ぎたせいね。だらしない女と彼に嫌われたかも、、、どうしよう?」


昨夜のあの状態で自分が食器を洗ったなど絶対にありえない、、これはタローさんが全て綺麗に、、、

彼女は床に座り込み痛む頭を抱えて後悔に苛まれていた、、。



 おっと、、流石に少し寝すぎたかな?起きて店外の掃除をしなくては、、


同じ頃タローも夜遅く帰って来てそのまま寝込んだ寝床から立ち上がる、酒が少し体内に残ってはいるが、少し汗をかけば直ぐに元に戻りそうだ。

手早く朝食を終えると彼は箒を片手に店の前の掃除に取り掛かり始める。


 おう この所上天気が続くな、、


大きく外の新鮮な空気にて深呼吸をして、彼は店の前を掃き清めるために動きだす。


 あれ?いつもは早いシェリーさんが遅れているかな?体調が悪くなければいいが、、、


店の外の清掃が終わり店内に戻った彼は彼女が遅れているのが少し気ががりであった。


 うん、、店内の掃除もしておこう、、


いつもなら店内の掃除は彼女の役目であったが、少し待っても来ない彼女を心配しながらカウンターの拭き掃除を始めていく。



「・・おはよう、、、、」


静かに店のドアが開き、俯き加減の彼女が小さな声で朝の挨拶をする。

誰かが入ってきた気配にふと顔を上げるタローと彼女との視線が合うと 突然彼の前に足早に近寄り、、


「さ 昨夜は醜態をさらして誠に申し訳ありませんでした、、、、」


驚くような大きな声と共に彼女は何度も頭を下げてお詫びを繰り返した。

一瞬何が起こったのかと呆気にとられた彼だが、、、


「・・あはは 元気そうですね?少し心配していましたが、酔いはもう大丈夫ですか?」

「あっ はい!かなり酔ってしまったようでお手数をかけて、、そうだ 食器の始末迄、、本当に申し訳なく、、、、」


再び頭を下げ始めた彼女に、、


「いえいえ 酒の介抱は仲間内で慣れていますので、、それより昨夜は美味しい手料理を、、お礼を言うのは俺の方ですから もう気にしないで下さい」

「・・でも あそまでして頂いて、、、、、」


その時に彼女のお腹から可愛い音が店内に小さく響いていく。


「・・・もしかして 朝飯はまだ?」

「・・ごめんなさい 寝過ごして急いで家から飛び出してきたので、、」


彼女は恥ずかしそうに顔を赤くして言い訳を始める。よく見るとシャワーを浴びて髪を完全に乾かす暇もなく店へと飛び出してきたみたいだ。


「・・ならば今度は私が昨夜のお礼代わりに朝食を至急に作りますので、奥で少しお待ちください。店の清掃はほぼ完了しましたし、こんな朝早くからはお客さんは滅多に来ませんからね、、」


恐縮する彼女を奥の部屋に入れて彼は台所へと入り込む。


 何を作ろうか、、まだアルコールが残っていそうだから、、ならばあれか?


虚空庫のスキルをフル活動して彼は手早く調理を開始した。



「・・これをどうぞ、、」


彼女の前に差し出した料理に、彼女は不思議そうな顔で見入っていた。


「・・あのー これは何と言うお料理なのですか?」

「ははは お米です私の国の料理で おかゆ と言います、お酒の残った朝は胃に優しく食べれるのでなかなかいけますよ、お漬物もどうぞ、、、」


「・・・美味しい、、凄く口当たりも良くて、こんなの今迄食した事は無かったです、、」


大き目の器に入れたおかゆを本当に美味しそうに夢中で食べ始めた彼女であった。


「・・・大変美味しく頂きまして 有難うございました」


満足した顔を上げてタローに微笑む彼女であった。


 おう?魅力満点の笑顔だな、、良かった 口に合って、、




「それでは 少し採取に出かけてきます!」


出かける彼にカウンターの奥から片手を小さく振って微笑む彼女がいた。


「おいおい シェリーさん、あいつといい感じでの雰囲気だな?俺にもその笑顔を分けてくれないか?」


冒険者の中年パーティの一人が二人の様子を見て、何か感じたらしく砕けた口調で笑いながら言う。

「ばーか お前みたいな中年にシェリーさんの笑顔は勿体ないぜ ガハハ、、」


もう一人の相棒が可笑しそうにちゃちゃを入れた。


「あら、、私の笑顔は少し高くつきますよ?この商品を高めにしてもいいならば微笑みますよ?」

「「それは ないだろう!ガハハハ、、、」」


店内に笑い声が響いて行く。



「・・さて 今日は東の平原にある林地帯へと向かおう、、」


彼は足取りも軽く今日の予定地へと早足になり向かい始める。


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