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4-6 正体ばれた?

 ・・参ったな この時代に異世界人の勇者がまた現れたとは、、、


一人頭を抱えるギルマスがいた。



ギルドから出たタローも困惑していた、自分の出自を知られたことが心の落ち着きを無くしていたのだ。

此処に居てはいけないのではないか?しかし 何処に行けばいいのか? このまま自分がいなくなれば先ほど会ったギルマスからこの国中に手配がまわるかも知れない。出て行くなら出て行くなりの対処が必要であろうと考えつく。

本当か嘘かギルマスは今は他言はしないと約束をしてくれた、下手に遁走すれば逆に騒ぎが大きくなるような気がしてきた。


暫くはこの場所に留まり事の次第を見極めるのが今は一番の手かもしれないとも考えた。

無論 只静観しては芸がない、何時でも逃げられるように常にアンテナを張ってもしかの時の為に対処する必要があるとも考えた。


ふと師匠キャロルの顔が浮かぶ、一瞬あの森にあの師匠の元へと行くべきかと考えたが、師匠は重要人物の一人として直ぐに考えつく、古代の森に逃げても迷惑をかける可能性がありそうだ。

今はあの森は行ってはいけない、、ならば最悪の時は何処に行く?ギルドの組織は一国に留まらない、その気になればこの世界中に連絡網が張り巡らされているからだ。


ある意味逃げ通せるのは困難な状態でもある、、、いっそ海の向こうにでも 無人島?生活でも今のレベルなら可能か?しかし正か泳いでいくわけにもいかない、船等を利用するにしても誰かに頼る必要があるし、そこから逃走ルートが判明する事も考えられる。


 困った、、辺境の町のギルマスに罪はない、彼はタローを心配して裏から手を廻してくれたのだろうと思う。最初からその気にならば国王に恐れながらと報告すればいいだけの話だ。

するとギルドを此方も利用するのはどうだ?俺はまだ若い、、別の名を名乗って冒険者に戻り情報集めを、、、うーん 俺の黒目・黒髪は目立つか、、、手配時に直ぐに疑いの目が向けられそうだ。


待てよ スキルでせめて頭はカツラを作製して誤魔化せないだろうか?

うん、、カツラをするだけでも最悪手配書から少しは時間稼ぎになるかも、、、


何もしないよりは逃走時には有利だな、、至急カツラは手配した方が良さそうだ。 うーー いかん頭を整理しよう 今日はもう引き上げてあの家の2階でじっくり考えてみよう。


どっと疲れが出てきたのかタローはとぼとぼと戻る事にしてみた。



「・・ただいま、、」

「お帰りなさい うん?何か元気がない様な、、、」


シェリーさんは感も良いのかな?


「いえ 少し疲れが出てきたようなので、2階でゆっくりしたいと思いまして、、」

「・・ああ 此処に来てからアチコチと動きっぱなしよね?確かに疲れているのかも、、上でゆっくりして下さい、、」


彼女の言葉に甘えることにした。



2階のベツトに横になっても考えは纏まらない、そのうちにウトウトと眠りに就いてしまう。


 ・・うおっと!寝込んでいたのか、、、


こんな時は下手な考えより体を動かしている方が健全だ。

下へ降りるとシェリーさんは来客の合間に店の清掃を行っている、彼女は遠慮をしていたが軽い運動代わりにタローは店の清掃を行っていく。

単純作業により気分も晴れてくるように感じられる、いつの間にかご近所のオバサマが何人か集まりだして、清掃を行っている彼を見ながら彼女にコソコソと小声で語り、そして愉快そうに笑いだす。

シェリーさんだけが困った様な顔で苦笑していた。


「ご近所の女性連は良くこの店に集まるのですか?」


一通り清掃も終わり一区切りをつけたタローが再び一人になった彼女に尋ねた。


「ふふ、、ここの店があまり混まないから、午後の気分転換に皆さんが集まる事があるのよ」


確かに午後からは人影はまばらになる店内である。お客はやはり冒険者達が多くて、開店から早い時間は彼等を相手にする時間が多いようだが、午後は一般人が主でそんなに人の訪問も多くはない。


異世界では薬は高価な品で大抵は民間療法でまず対応して、どうにもならない時は訪問してくるのがパターンでもある。そんな時間は彼女は奥で調剤の仕事を行っている事が多い。売れた薬等の不足分が無いように補充目的でもある。


「・・そう言えば あのオバサマ達は何か時折私の方を見ながら話していたような気が、、」

「はは、、そうですね。男性の貴男が懸命に清掃をしていたのを面白がって話題にしていたわね、でも気にしないで下さい、彼女達は そのー 色々と噂話が好きなので つい色々と脇道に話が移ってしまって私も会話について行くのが大変な時があるんです、、でもタローさんはお年の割に随分気がまわると言いますかある意味私より大人の様な時があって冷静だなぁと感心しているんですよ」


 うーん、、実年齢は40~50なのかもしれない、元の世界での経験もあるからな、、。


決して話せない事が多いのが俺の欠点と言うか、、隠し事があり過ぎるのも困ったものだ。


「ほら また何か頭の中で考えているでしょう?貴方と同年代の男の人はあまり考えずに突っ走る人が多いから余計に目立つのかも、、、」


 ははは ある意味その方が単純に生きて行けそうだが、流石にそれは、、、、


「・・うん タローさんの良い所ですよ、あっ お茶にしましょう、、」


お客が来たら直ぐに対応できるように店内にてお茶を飲みながら楽しい会話を続けていた。

考えればこの時間に店内にいる自分は初めてでもあった、此処に来てから常に動き回っていたことに気付く、午後からこれだけのんびりしたのも久しぶりな様な気がする。



「・・本日はご苦労様でした」

「戸締り 宜しくお願いします、、」


結局午後からはお客は誰も来ずに、お店を早じまいすると彼女は笑って片付け始めたのだ。


どれ 最終の戸締りと動いた時に、突然誰かが飛び込んで来た。


「・・済まない シェリーさん! 中級ポーションを至急に、、、あれ、、、」

「えーと もう閉店でして、シェリーさんは家の方へ、、、」

「くっ、、時間が、、おい キダンは大丈夫か?次の店へ、、、」

「あ 兄貴、、こいつはもう歩けそうにもないぜ!」


最初に飛び込んで来た男の後から怪我人に肩を貸して付き添っていた男の二人組が現われた。


「くっ、、なぁあんた、、済まねえが手持ちのポーションを持っていないか?怪我人なんだ頼む!」


必死の様子にタローは手持ちのポーションならあるので差し上げると、魔法袋から薬を取り出して彼に手渡す。


「かたじけねぇー!おい 薬だ、しっかりしろ!」


容器を受け取ると直ぐに怪我をした男の患部に薬を振りかけ始めた。


「「どうだ 間に合ったか?!」」


縋るような目で怪我人を見つめている二人であった。

傷口がみるみる塞がり始めて行く、、しかし大量の血を流した様子でそちらの方が心配ではある。


「「うぉーー 傷口が塞がり始めたぞ!頑張れ もう少しで元に戻るぞ!」」


心配そうに怪我人に声をかけ続ける二人であった。


「・・・あ 兄貴、、俺は生きているのか?」


ようやく目を開いてか細い声で話し始めた怪我人の男であった。


「おうおう 傷口は塞がったぞ、後はお前の気力次第だ 気をしっかりと持て!」


「・・助かって、、よ 良かった、、、」


安心したのか、、その怪我人は安らかな寝息を立て始める。


「・・寝ちまいやがったぜ 兄貴、、」

「おう 宿屋迄もうひと頑張り 運ぶぞ。あんちゃん 助かった、お陰でこいつの命が救われた、これはお礼だ受け取ってくれ、、」


今日一日働いた その結果の魔石を全てタローの手に渡す冒険者だ。


「いえいえ・・これは、、私が()()()()調合したもので、効能が少し心配でしたが治って良かった」

「いやいや あれだけ高い効能なら申し分ねぇぜ 有難う、是非ともこれを受け取ってくれ、、」


当然 彼が作成したポーションは並み以上の効能があるが、ここは敢えて惚けたのだ。

最終的には冒険者は魔石を全てタローの手に置いて、礼を言いながら宿屋へと怪我人を運んでいった。


 ふう、、義理堅い事だ。まぁ 助かって本当に良かったな、、、


閉店直前のドタバタはこれで幕となった。



 ふむ 今日は色々なことがあったな、、何か最後のドタバタで少し気分が外向けになったかな?取りあえず明日だ 明日にまた考えればいいか、、、


夕食の準備を始めるともう外は暗くなり始めている、今日は一日あれこれとあった日になった、一番は自分の出自を疑われた事であり、今後も何かにつけて問われる可能性が高い事となるだろう。今日はいい考えが浮かばなかったが明日は解決策まではいかなくとも対処法、、つまりとんずらを含めての対処を真剣に考えようと心を引き締めるタローであった。


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