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4-2 新商売は、、でも

当然冒険者達にもルールがある、相手の得意技等を見ても公けにして広めないという 暗黙のルールを今回利用させてもらったのだ。悪用されたり 道具関連の盗品防止に対応してのルールとなる。

二人の冒険者達は大きく頷いて約束は守ると力強く言葉を発した。


その日の宿泊先は村の中の広場であった、こんな村では宿屋もない。運が良ければ民間の家の中で寝る事も出来るが、村の中なら魔物の襲撃もほぼ無いだろう。

彼は野営を選んだ、魔法袋の中には予備の毛布もあるので寒ければ更に一枚被ればいいだけだ。


テントの前で焚火をしてお湯を沸かしている最中に冒険者の一人が近寄ってきた。彼は今日の魔物の襲撃の彼の対応に何度も頭を下げて礼を言う。


「はは そこまででいいですよ、、、」

「いえ あの狼たちの襲撃数を見た時私は最悪何人かの犠牲者が出ると覚悟しました。しかし貴男のお陰で誰一人怪我もなく切り抜けられました、私と左程違わない年齢なのにあの時の対応には痛く感謝しています。改めてお礼を申し上げます、、」


タローは少しこそばい気がしていた、確かに彼は個人レベルはあの森で上げる事が出来たが、相も変わらずに戦闘スキルは恵まれていない。銃なしにこの前に居る若者と対峙して勝てるかどうかも不明だ。


「・・少しお聞きしますが、貴男は戦闘スキルを幾つお持ちですか?」

「? 戦闘スキルは2つありますね、、、」

「・・私は個人レベルは40ほどありますが、、、」

「ええ、、40ですか?私はようやく25に届こうかと言う所ですよ、、」

「でもね 私は戦闘スキルはゼロといってもいい状態なんです」

「戦闘スキルをお持ちではないのですか?」

「残念ながら、、、」

「・・信じられない あれだけの活躍をしていたのに、、」


あれは銃のお蔭で戦闘スキルなしの彼には恵まれた贈り物であったのだ。


「だから そんな過剰なお礼には恐縮してしまいます、、例の()()()の件だけは宜しくです」


再度念を押して彼は再び頷いて自分のテントへと戻っていく。


「ふう 隣国の首都に着いたらどうするかな?何となくやはり冒険者としては先が見えているよな、、」


暖かいお茶を飲みながらこれから先の身の振りを少し考えていたタローであった。



隣国に入り初めての地方都市にて一旦旅は終わる、この先はまた別の馬車にて首都へ向かうか、この地方都市にて少し暮らして行くのも良い。18歳が間近に迫る彼にはまだ時間の余裕が有るからだ。


「・・よし せっさくの異世界だ、此処にしばらく滞在して見聞を深めるか、、」


この地で数か月住んで見るかと覚悟を決めたのだ。もし肌が合わなければ他の都市へ移動すればよい事なのだ。幸いに師匠より渡された金額はそれなりに倹約して使えば、最低10年近くは過ごせるほどの手持ちであった。


 ・・そうは言っても、やはり慣れた薬草回収等が意外と実入りがいい、薬草類は師匠のお蔭で種類と育つ環境等は教え込まれたな。

それに薬草類の仕事は冒険者ランクは下の者が行うものが通例となるので、ランクCの彼ならより危険な場所へと入る事は可能である。つまり見栄さえ無くせば意外と稼げる方式でもある、しかしギルトでのクエとしてはCランクの彼が行えば悪目立ちしてしまう。

ここはどこか薬草関係の店と親しくなって直接取引しかないと一人頷いていた。


この都市はあまり広くない数日動いて裏通りのそれらしい店に当たりをつけて飛び込み訪問?をしてみる事にした。


「・・こんにちは、、ご店主はいらっしゃいますか?」

「・・・私だけど あまり見ない顔だね、、()()()()()?」


 9日(ここのか) 10日(とおか)・・つい 落語のフレーズが出る年代?であった。


「何だい それは、、、?」


呆気にとられた様な店主の顔であった。


 ・・失礼しました ついそんな言葉が出てしまい、、


「ふふ、、何か面白そうな人だね?用件を聞こうか?」


30代と思われる小粋な女性店主であった。


「ええ 実は、、、」


タローはここに来た理由を説明し始める。


「ふーん 失礼だけど薬草回収は意外と繊細なんだよ、軽い気持ちでは務まらないよ?苦労して回収しても使い物にならないケースも実際あるんだ。その時は二束三文になるよ?」

「はい、、そこらの経験はとある場所で経験しておりまして抜かりはないと思います」


店主は信じられないという目でタローを見ていた、恐らく見かけの年齢が若い事が原因だろう。


「・・そこまで言うなら一度試してみてもいいよ、、そうだね 今不足しているのは、、クララ草にゲジゲジ草を各10本至急に届けてくれるかい?」


 ・・クララ草にゲジゲジ草?確かその薬草を利用しての薬は、、、


「・・それは強精剤に使われる薬草では?」


途端に彼女は目を丸くして、、


「これは驚いた、、薬草の知識があるんだね、、」


師匠に教え込まれたからな、、そうか 意外とあの森での経験が役に立ちそうだ。


「ならば3日以内に必ず回収をお願いできるかい?」

「はい、、少しお待ちください、、確か、、、」


虚空庫の中を確認する、この薬草はかなり高価に売買が可能であるのだ、、


「・・では 各10本をここに、、お確かめください」


突然にカウンターの前に注文の薬草を並べて見せた。


「あんた 何処から出したんだい?!正か虚空庫持ちなのかい?」

「はい、、たまたま回収をしたものが入れてあったので、、、」

「少し 待って!」


店主は手に取りじっくりと品を確かめていた。


「・・驚いたね 此方の薬草は根付き、、此方は上から3枚の葉の回収、、どれも新鮮で回収方法も完璧だよ!よし これなら計小金貨20枚支払うよ どうね?」


ふむ ぼったくりや不当な価格でもないな、、、


「・・商談成立でお願いします」 「買った!」


二人は固い握手を交わしこれからの仕事契約を確実なものとした。


「・・しかし 驚いたねぇ、、若いから見くびっていたが、私の目利きも当てにならないか、、」


愉快そうに彼女は笑い出した、ついでにこの後の薬草の注文を聞いて店から彼は出て行く。


 ・・やったな、、自信はあったけど、たまたま虚空庫に入れたあった薬草の中にあって良かった。これで日本円にして20万ちょいの売り上げだな、、意外と俺の職業としてあっているかも、、各薬草の自生場所もあらかた教えてもらったし、今後の為に明日は森の深部も少し探索して見るか、、、




都市の北側部分はそれなりの森林地帯があり、冒険者達もよい稼ぎ場らしい。

森の浅い場所にある薬草は若い冒険者達に譲って、彼は奥の方へと立ち入っていく。


ときどき邪魔する魔物は剣にて退治して魔石だけ回収させてもらう。虚空庫や魔法袋では容量限界があるからだ。


「おい 兄さん、魔石だけでいいのかい?」


立ち去ろうとしていた時に後方から声がかかった、冒険者の者達だった。


「・・はい 私は単独ですし大きな荷物は、、それに私の専門は薬草関連です」

「「「後はもらっていいかな?」」」


パーティの中の年若いメンバーが嬉しそうに尋ねてきた。


「・・こらこら そんなに焦るな、実はこいつ等の実習を兼ねて同行している。解体持ち帰りしても問題ないんだな? それと薬草専門かい?中々の腕前だったが少し勿体ない気がするが、、おっと 余計な詮索だったな、俺はCランクのスタンレーだ今度会ったらお礼に一杯奢るぜ!」


苦労人の様な雰囲気を持った中年の冒険者であった、そのパーティと別れて更に森の内部へと入り込む。


 ・・確か森の中の薄日が差す様な場所に目的のケネル草が、、、


当たりに気を遣いながら薬草探索は続く、一人は気楽だが危険度も増していく。


 この程度の森なら進むのは楽そうだな、、


それまでの活動場所があの名高い 古代の森と比べれば緊張感も薄らぐ、油断は禁物だが余程気を抜いていないと最悪のケースはなさそうであった。


 ・・おっ あの辺りはどうかな?


目的の薬草の他数種の薬草を採取する事が出来た。正直奥地に入り込む冒険者達には薬草関係など興味はない、大きな獲物を狙っての一攫千金を夢見ているからだ。奥に入れば入る程貴重な薬草の入手のチャンスが広がる事になる。


 ・・よし これ以上は採取はしないと、、ここの場所を覚えておこう。


今日の採取は終わりと彼は森から出ていく事にした。


 あん?何か騒がしいが、、、もしや?


彼の感覚に何か刺さる物があった、反射的に駆け出して行く彼であった。


 ・・間違いない 魔物と戦っている、それも大物か?


森が騒めいていた そして聞こえてくる声の中には悲鳴に近いものが、、、


 あれか?・・相手は ブラックパンサー?!


森の捕獲者として有名な魔物であり、独特な隠ぺいに長けていて、獲物に近付き攻撃する。

体も大きく敏捷性も高い、それなりの冒険者でなければ苦労する魔物である。


 ・・た 助けて  わぁー こっちに来るな! 悲鳴がはっきり聞こえて来た。


 このままでは拙い! 仕方ない、、、


彼は立ち止まり銃を取り出す、そして大声で、、、


 お-い 支援をするぞ!!   す すまねぇ!


はっきりと支援の返声が返ってきた、勝手に倒すと後で揉める事になるから最低確認は必要となる。


 よし!喰らえ?!


レーザー銃の赤い光が瞬時的に伸びて行く。


 ぎゃおおおーー?!


ブラックパンサーの巨体が空中に跳ね上がる。


 ?! い 今だ、食らいやがれ!


剣士が喉元に剣を突き刺していく様子が遠くから確認できた。

タローはゆっくりと銃をしまい辺りに用心しながら近寄って行った。


「あんた達 だったのか?」


そのパーティは少し前に出会ったCランクのスタンレーが率いたパーティであった。


「はぁ はぁ、、助かったぜ! 正かこんな大物がそれほど森の深くない場所で出現するとは、、おい 大丈夫か?」


引率の一人が腕を噛まれて、、いや 傷の具合から爪で引き裂かれたか?


「これを使ってくれ!」  中級ポーション?! 彼は一瞬驚いたようだが、直ぐに受け取ると怪我をした者に振りかけ始めた。


効果は抜群で見る見る回復されていく。


「済まなかった、、油断したわけじゃなかったが、これ程の大物が、、、」


荒い息のまま彼はタローに何度も頭を下げて礼を言う。


「・・間に合って良かった、、あっポーションは気にしないで下さい 手作り品ですから、、」


その言葉に彼は再度目を丸くした。


「・・手作り品だと、、あんた薬師だったのか?」


 いやいや 師匠指導による合間の製作品の在庫なんです。


再びその説明に呆然と聞き入るスタンレーであった。


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