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4-1 隣国はどんな国だろう

翌朝早く彼は馬車へ乗り込むために彼女の部屋から出て行く。師匠は気持ちよさそうに眠りこけている様だった。


そんな彼女の額に最後のキスをすると、そっと呟く。


 ・・師匠 お元気で、必ずあの森にまた帰ってきます。その時お会いしましょう、、、


静かに彼女を起こさぬように彼はドアを閉めて自分の部屋へ荷物を取る為に歩き出した。


 タロー、、あなたこそ体に気を付けて、沢山愛してくれて有難う、、、


彼女はうっすらと目を開けて、再び眠りに就くのであった。




「おーい 早くしてくれ!もう出るぞ!」


馬車の出発は特に遠方方面は早い、タローは懸命に走り馬車へと走り込む。


「よっしゃ、、一名足りないがこれ以上は待てない 出発だーー」


号令がかかり隣国へと向かう馬車は辺境の町から離れていく事となった。やがて馬車は見知らぬ土地を順調に進んでいくのであった。

暫くは流れる風景を見ながら楽しんではいたが、昨夜の寝不足がたたり彼は静かに眠りに就いた。


「ほーい 少し馬の休憩を兼ねて休息するぞー」


元気な馬車の関係者と思われる人物からの大声でふと タローは眠りから覚める。


 おっと、、完全に眠ってしまったな。ここは何処あたりなのかな、、いかん小用を俺も済ますか。


乗客たちも小さな茂みへと三々五々別れて用を済ましていた。

再び馬車に乗り込み、馬車内の様子を窺うと、、お客は全員で7名程で男5名女性2名(1名子供)が旅の仲間となるのだろう。


「あんちゃんは何処まで行くんだ?冒険者かな?」


隣に座る中年の親父から退屈しのぎに声を掛けられる。


「・・隣国の首都を目指しています 一応冒険者です、、」

「ほう 首都までか?かなりの旅になるな、、ランクはいくつだい?」

「一応 Cランクなんですよ、、」

「「何だって 若いのに大したものだ、、魔物が出ても安心だな、、」」


他の客も驚いたように彼を見て、続けて皆がホッとしたような顔をする。


「あのー ここらはどんな魔物がでるのですか?」

「ああ 基本ウルフ関係が多いが、奴らは群れになるからな、、、」


一対一ならば通常のウルフはランクEかDもあれば十分だが、群れはやはり厄介なのだ。


「そしてな 極たまにだがウルフでもブラックウルフが出る可能性があるそうだ、、」


黒ウルフ、、ウルフ系でも特異点と呼ばれて1頭で通常のウルフの5頭分に匹敵するという難物でもある、幸いに黒ウルフは群れを嫌い単独または夫婦ウルフにて活動する。


 ブラックウルフか、、意外と厄介な奴が出没するのか?


ウルフでも大柄で俊敏性に富み破壊力のある牙は冒険者ギルドでもCランクに認定されている強者だ。


 ほら業者席の後ろに二人冒険者が護衛についているだろう?確かランクはDランクと聞いたがブラックウルフが相手では不安だな。そこにあんたが加われば何とかならないかな?


 はぁ、、最悪の場合は助太刀も辞さないですが、、、


その言葉に乗客たちは安堵の色が濃く現れる。異世界での旅はなかなかにシビアだと改めて感じるタローがいた。


その日の宿泊地は荒野の真っただ中で馬車が数台泊まれるような空き地になっていた。ここで一晩過ごさなくてはならない。


乗客たちは馬車内で眠る者、簡易テントで外で寝るものと別れて寝る事になる、彼は簡易テントを購入して持参しているので外で焚火をおこしながらゆったりと構えていた。


「・・失礼ですが Cランクの方とお聞きしましたが、俺たち二人はDランクのジョンとポールと申します、どうぞ宜しく、、」


護衛の冒険者達であった、二人共剣士スタイルだしもしかしていいスキルを授かっているのかも知れない。タローはCランクではあるが戦闘スキルはまだ授かっていない。個人レベルだけは高いが正式な戦いでは彼等スキル持ちには苦労しそうだ。


「・・ああ宜しく Cランクのタローだ隣国の首都を目指しているので何か情報があれば教えて下さい」


共ににこやかに挨拶を交わして、何か手に負えない時は是非協力をお願いしたいと依頼される。

こんな時はお互い様だ、当然手を貸す事は厭わないのだ。


焚火でお湯を沸かしてテントを閉めて食事にする、彼のスキルを見られたくないためだ。彼は虚空庫持ちで虚空庫内で材料をセレクトすれば勝手に調理ができるスキル持ちだからだ。

人に見られると色々に面倒なことが予測されるので調理場面は見られない事が一番になる。


 でも実際に調理する事に比べれば本当に便利なスキルだよな、、少し戦闘には向かないけれど、、


そもそも彼は調理はあまり得意ではない、そんな彼の為にとんでもないスキルを授かったのだろうか?

もう一度言うが 戦闘には何の役にも立たないが、、、いや そうだ武器の補正も可能だったな、、昨夜はとてもそんな暇がなく?未実施だったが、今の余裕がある時に色々と確認すべきだな、、、


食事とお茶も終わり、今迄愛用して来たソードを引き抜いてじっくりと眺める。


 うーん こう見るとかなり傷んでいるよな、、この補修と剣の切れ味アップが今回のテーマだな。


剣を虚空庫内に収めて表示板にて検索してみると材料次第と答えが出る。

ならば指示に従い鉄のインゴットを混ぜての改修作業を開始してみた。


 ・・ほいきた完了だな?


出来上がってきた剣を見ると、先程とは見違えるほどの剣となっていた。


 うん、、実際に変化したと分かるが何か数値で比較出来たら有難いのだがな、、

 そうかまたスキルが上がれば何かこの辺も変化するのかな?


無い物ねだりと理解するがどの様に変化したのかもう少し解かり易ければ安心感も違う。


 おっとレーザーガンのエネルギー源を何個か作って置こう。あまりこれは見られたくないが人の命がかかった場合は仕方ないからな、、、


見られても魔法銃の改良だと誤魔化そうと彼は一人納得していた。



二日目・三日目と無事に過ぎ、四日目の旅先に其れは起きた。


「・・いかん ウルフたちの群れだ!」


高原の先から何やら迫りくる一群を冒険者の一人が見つけた。


「・・・8・・9・・10・・拙い15頭はいるかなり大きな群れだぞ!」


その情報は乗客達にも直ぐに伝播されていく。


「・・かなり大きな群れだと?」

「戦えるものは直ぐに準備をしてくれ!」・・・


母親の傍で小さな少女が怖がって震えていた、それを蒼ざめた母親がしっかりと抱きしめている。

こんな時の為か馬車内に木の棒が何個も置かれていた、客たちも震える手でその棒を握りしめていた。


 ・・いかんな 出番になるか、、、


彼はゆっくりと立ち上がる、その姿を皆が縋るように皆が見つめていた。


「・・大丈夫 直ぐに片付けるからね」


タローは少女の頭に優しく手を置いて微笑んで前の冒険者達の傍に近寄った。


「・・タローさん、、、」


冒険者の一人がかなり強張った顔で彼を見上げた。


「俺が遠距離攻撃できるから任せてくれ、一人は後方に行って後ろから回り込んでくる狼に対応してくれないか?」


冒険者達が二人見合いながら、ひとりが頷いて後方へと移動していく。


「・・タローさん 大丈夫でしょうか?」

「確かポール君だったか? 右側面を頼むよ、左は俺が引き受けた」


狼たちは左前方から突入してくる、つまり正面に対峙するのはタローの役目となるのだ。


「業者はやや右寄りに走ってくれないか?」

「ま まかせてくれ!」  彼は馬の進路を調整し始める。


「よしほぼ全面に向き合ってくるな、、、」

狼たちが急速に近寄って来るが、タローは軽く息を吐いてレーザーガンの焦点を合わせる。


「・・よし 敵の距離が50メートルを切ったな 喰らえ!」


立て続けに赤い光線が魔物目掛けて襲い掛かる、バタバタと狼たちが見る見る間に地面に倒れ込む。


「「「うぉーー 魔物達が倒されていくぞ」」」


客席にいる一般人達がその鮮やかな手口に大騒ぎ状態となっていく。


「後ろに数頭回り込んだぞ、、注意してくれ!」


そう指示を出しながら向かってくる魔物達を更に倒して行くタローだ。


「「この野郎 近寄るんじゃない!」」


後方に回った魔物を追い払うように棒を振り回すお客たちだ。


「・・に 逃げ始めたぞ!」 業者席の男が大声で敵の退散を皆に知らせる。

「・・残5頭が引き下がったな、、、」


軽く額の汗を拭きながらタローは深い息を吐く。


「す 凄すぎる、、あんなに大群が恐れをなして逃げて行きます。タローさん貴男は何者なんですか?」

「いやいや この新型の()()()のお蔭だよ、でもこれは秘密にしていてね、、」


当然冒険者達にもルールがある、相手の得意技等を見ても公けにして広めないという 暗黙のルールを今回利用させてもらったのだ。悪用されたり 道具関連の盗品防止に対応してのルールとなる。

二人の冒険者達は大きく頷いて約束は守ると力強く言葉を発した。


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