第五話 アイテム説明で泣かせないでほしい
【 二つ名持ちモンスター、破刃のベルセルクを討伐しました】
『ふ、ふーん。意外とすごいじゃない?あなたなんかでも二つ名持ちを倒せるのね?』
「まぁ、辛勝って感じだったけどね。もとよりジグルドが来なかったら負けていたし。」
確かにベルセルクは強敵だった。今このときに勝てたのは技術だけじゃなくて運の要素も強かっただろう。私が動けなくなったタイミングでジグルドが来て、目障りだったゴブリンスカウトも消し飛ばしてくれて……もしや、この戦闘のMVPはジグルド?私はただのおこぼれをもらったに過ぎない??
『運の要素もあっただろうけど、何よりあなたの格闘センスが良かったんじゃないの?私には劣るけどねー』
「は?ジグルドが来たときもベルセルクが来たときもすぐ引っ込んでたくせによくそんな生意気な口をきけるね?ママの背中にでも隠れてたら良かったんじゃないんでちゅかー?」
『何よ、ゴブリンを見つけたらすぐ倒しに行こうとする単細胞のくせに!あなたこそ赤ちゃんからやり直して再教育するべきよ!!』
「はいはい、赤ちゃんは黙っててくだちゃいねー」
『ムキーッッ!!!もう口聞いてあげないんだから』
ミリィちゃんが拗ねちゃった。思った通りの精神年齢で笑えるんだけど、こいつに構ってたら私まで精神年齢下がりそうでやだなー。あ、そうだ!ベルセルクを倒したからドロップアイテムがあるんじゃない?なんせ二つ名持ちモンスターだしそれはもういい素材を落としてくれたり……じゅるり。
「さてさて、ドロップアイテムは何かなー?」
さっきまでベルセルクの死体があったところに近づいてみる。どうやらここでは死んだモンスターの死体は塵となって消えるらしい。なんで塵になるんだ?まぁゲームだからって言われたらそうだけど、ちゃんと世界観作り込んでそうなこのゲームだからなんか設定でもあるんじゃないかな?しらんけど。そんなことよりドロップアイテム。よく見てみるとそこにはゴブリンの3倍ほどの大きさの紅い宝玉と譜本な雰囲気が漂う狐の仮面があった。
〈破刃のベルセルク ドロップアイテム〉
・破刃のベルセルクのスキルルビー
『二つ名持ちモンスター、破刃のベルセルクとの戦闘経験が詰まった宝玉。
使用すると、ネームドスキル《破刃のベルセルク》を得ることができる。
コ゚ブリンの集落から追い出された者は大抵皆、森の他のモンスターに食い殺されてしまう。家族を守りたいという思いを持ったゴブリンは我を忘れてしまうほどの強化を自身に施す。狂暴性が増し、家族の顔すら視認できなくなっても守りたい存在がを、家族を守るため、ゴブリンは今日も外敵を狩る。
たとえ、狂戦士と呼ばれようとも。』
・破邪の仮面
『狐を模した仮面。邪を払い、つける者の理性を高めるとされている。
愛する者からの贈り物。たとえそれをつけてももう意味を為さないことを理解していようとも、家族の存在を感じるために彼の者は今日もこの仮面を懐に忍ばせておくのだ。
着用者のAGI+40』
なんか思ったよりも話が重かった。つまりあのゴブリンスカウトはベルセルクの家族で、何ならあのゴブリンたちはベルセルクの子供だったかもしれないってこと?めっちゃ話し重くない?というか殺してから背後ストーリーをわかるようにするのちょっとやめてほしい。結構心に来るから。とりあえず破邪の仮面は私のプレイスタイルに合っているからつけるとしよう。これもベルセルクからの贈り物だと思うしかないね。
ドロップアイテムの確認も済んだことだし、今度はステータスの確認だー!!強敵を倒したからすんごいことになっているんじゃない??
《アイン:人族》
レベル:10
保有SP:25(確立存在との接触:10SP+二つ名持ちモンスター討伐:15SP)
保有BP:70
HP:16
MP:1
STR:11
AGI:11
VIT:1
【称号】
・「謁見者」
確立存在との接触を果たしたものに送られる称号。確立存在から少し認識される。
・「神託を受けし者」
この世界で初めて確立存在と接触した探索者に送られる称号。確立存在との接触頻度が少し上がる。
・「名札刈り」
二つ名持ちモンスターの討伐に成功したものに送られる称号。NPCからの好感度アップ。
・「ネームドハンター」
この世界で初めて二つ名持ちモンスターの討伐に成功したものに送られる称号。
付近に存在する二つ名持ちモンスターに狙われやすくなり、敵対されやすくなる。
思ったよりもすんごいことになってる!!レベルが7も上がっていること自体驚きだし、ちょっと前までなかった【称号】ってのもいっぱい増えてる!?ていうか「ネームドハンター」てガチでいらなくない?私そこまでスリリングでハードコアなゲーム生活送りたいわけじゃないんだけどなぁ。
「ミリィちゃん!この称号って何?」
『称号はねー、珍しいことだったりとてつもなく良いことだったり、世界から観測されるに足る行動を行ったものに送られるもののことよ。あなたのステータスにのるのは取得してから1日のものしか自動では載せられないけど、任意的に称号を載せ続けることは可能だよーん!あ、ちなみに称号の効果はオンオフできなくて、ずーっと続くからねー。』
「まじかー、ネームドハンターとかいらないよ。時々のスリルでいいよー」
『そんなこと言っちゃってー、ホントは楽しかったんじゃないの?胸踊る戦闘、首筋を伝う汗、戦闘特有の緊張感!!そーんなスリル、ホントは心の何処かで楽しんじゃってるんじゃない??」
んぐっ、たしかに楽しいと思っている自分はいるけれど……かといって、自分から倒しに行くのと相手から探されてなし崩し的に戦闘になるのはぜんっぜん違うからね!そう、なんというか心構えが?気持ちの整理が?ちょっと違ってくるんだよね。
「一旦置いといて、いざ街に向かってみようよ。森の中で自給自足はちょっとナンセンス!とりあえず初心者たちが集まる街みたいなのがこの近くにあるんじゃないの?」
『うーん、探索者のみんなはこの森からなんだけどねー。この近くの街といえばここかな!
城塞都市ヨルムンガルド!!この森をずーーっと西に進んでいけばたどり着けるはずだよー。」
「城塞都市?かっこいい響きだね。よし!我々は城塞都市ヨルムンガルドに向かって歩きだそう!!
しゅっぱーつ、進行!」
『あいあいさー!!』
「西ってどっちだっけ??」
『こっち!!』
初投稿日で話をある程度まで進めたかったので5話まで投稿してしまいました。明日からは午後6時10分に2話ずつ、毎日投稿をしていこうと思います。ブックマークと高評価お願いします!!




