表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Eclipse Horizon ―電脳世界で女子高生が「死の戦乙女」と呼ばれるに至るまで―  作者: 野兎
第一章 青天の霹靂

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/43

第二十七話 スキル作成は慎重に

 ドルヴェラクといっしょにビュッフェを食べた。その殆どがステーキ等だったがところどころ中華料理と思われるようなものも置かれている。このゲームは本物そっくり、いや味覚が感じづらい人などからしたら本物以上に味わうことができる。本来VRゲームでの食事が本物とほぼ同じであれば現実世界で実際に食事を摂る人は減るだろう。そのような自体に備えてVRゲーム内での食事に関しては制限がかかっているはずなのだが…いや、きっと法の穴をかいくぐったか金で買収したのだろう。

 このような普通だったら目に向かないだろって言うところまで「リアル」を追求しているこのゲームは、狂気すら感じられるが私にとってはすごくタイプだ。なぜならもともと入院中の退屈さに飽き飽きして始めたゲームなのだから、現実世界に似ていれば似ているほどよい。


 そんなこんなでビュッフェも食べ終わり客室に戻る。客室といってもよくあるクルーズ船の3等室などではなく、スイートルームのような広さがあった。大きなシングルベッド2つにゆったりとできるソファ、大きな浴場とバルコニーまでついていた。きっとレイドを成功したお陰でこのような特別待遇となっているのだろうが少しむず痒い。

 食後すぐに横になると牛になっちゃうなと思いながらベッドに飛び込む。ここからはお待ちかねのスキル作成の時間だ。今まで私はスキル作成という人族の特性がありながら天翔龍以外作ってこなかった。まぁひとえに私のプレイヤースキルと二つ名持ちとの戦闘、そレに加えて質の高い武器のおかげだろう。だが、ノトスとの戦いでは苦戦を強いられた。この先ノトスの親玉のような存在に果たして私に勝つことができるのか。私はそうは思わない。

 今まで二つ名持ちと戦ってきたのはあくまで初心者エリア。二つ名持ちの強さも弱くなっているとしたらこの先詰むことは言わずもがな。ということでこれから新しいスキルを作っていくとしよう。


 「我は人類の意思を継ぐもの、我の望みに答えて世界の摂理を作り変えよ!」


 ポンと胸に右手を当てて唱える。久しぶりに見たシステム画面が前に展開される。保有SPとスキルルビーを入れるロット、そして作成されたスキルが現れるロットの3つだ。現在の保有SPは破格の2720。そして持っているスキルルビーは全部で6種類。二つ名持ちである破刃のベルセルク、剛柔のイプシオン、そして南風のノトスと難風のノトスのスキルルビー。あとはワイルドボアとフォレストモンキーのスキルルビーだ。

 どうやらノトスは第一形態と第二形態で存在が変わっているらしく南風と難風の2つがあるようだ。もうすでに見たベルセルクを除く他のスキルルビーの説明を見ることにする。


 〈アイテム説明〉

 ・「剛柔のイプシオンのスキルルビー」

 『二つ名持ち(ネームド)モンスター、剛柔のイプシオンとの戦闘経験が詰まった宝玉。

 使用するとネームドスキル《剛柔のイプシオン》を得ることができる。


 月夜が照らす銀色の狼の群れ、月は光り輝く太陽によってしか輝けない。かの銀色の狼を率いるものもまた黄金を司りし狼である。どんな苦悩にも耐え忍び、時に格上との戦闘も行い生き残った歴戦のものは世界に名を刻むだろう。力を弾く「剛」と受け流す「柔」を兼ね備えた毛並みを扱う黄金の狼は今日もまた月と太陽の光をその身に蓄えるのだ。』


 ・「南風のノトスのスキルルビー」

 『特異二つ名持ち(オリジンネームド)モンスター、南風のノトスとの戦闘経験が詰まった宝玉。

 使用するとオリジンスキル《南風のノトス》を得ることができる。


 風と空を司る天帝は4柱の忠実な下僕を従えていた。北風、東風、南風、西風はそれぞれその身に天帝からの使命を帯びていた。北風はとある書物の破壊を、東風はとある国家の破壊を、南風は目障りな使いの撤退を、そして西風はとあるものの護衛を。たとえその座が長年引き継がれてきたものであろうと主からの信頼には変わりない。今日もまた南風は自分の使命を果たそうとする。』


 ・「難風のノトスのスキルルビー」

 『特異二つ名持ち(オリジンネームド)モンスター、難風のノトスとの戦闘経験が詰まった宝玉。

 使用するとオリジンスキル《難風のノトス》を得ることができる。


 世界に認められた存在の更に上が存在することを知っているだろうか?南風もまたその格に足を一歩踏み入れたばかりだが一時的に移り変わることはできる。体内に貯蔵されたとあるエネルギーの奔流が存在の格を引き上げ全く別の存在にする。それはもはや南風ではない。付近に存在することすら許さず、近づくものをことごとく破滅し尽くす暴虐の化身、それこそが難風と言われる所以だ。もとは誇り高き獅子であった南風が自身の力に酔いしれることで本当に守るべきものを失ったとき、彼の心が新たな自分を作り出したのだ。』


 ・「ワイルドボアのスキルルビー」

 『ワイルドボアとの戦闘経験が詰まった宝玉。

 使用するとランダムでワイルドボアの使うスキルを得ることができる。


 古くから存在するワイルドボアは昔は騎獣として使われていた。獲物めがけて走り抜く姿は馬を凌駕し、食料が尽きたときはいつでもワイルドボアの肉を食べることができる。しかしワイルドボアもまたモンスター。人類にモンスターを制御するすべがないようにワイルドボアも異常繁殖し群れをなして人類の管理下から離れていった。いにしえより刻まれた本能に従って今日もワイルドボアは人類を襲うのだ。』



 ・「フォレストモンキーのスキルルビー」

 『フォレストモンキーとの戦闘経験が詰まった宝玉。

 使用するとランダムでフォレストモンキーの使うスキルを得ることができる。


 森に住む猿、フォレストモンキーとは長い尻尾と手足の鉤爪で獲物を蹂躙するモンスターである。群れ単位で行動し木々の間より立体戦術を仕掛ける。だが昔のフォレストモンキーは樹海ではなく平原にいた。なぜ移動してしまったのか?平原に身の恐怖を感じるほどの強敵が現れたからだ。ソルジェ樹海にいるモンスターは昔一匹のモンスターから逃げてきた者たちの進化の果ての姿なのだ。』


 

 一つわかったのはスキルルビーの説明にはモンスターの説明も兼ねているということだ。今まで戦ってきた相手のバックストーリが少し垣間見える。しかしそんなのはどうでもいい。

 いちばん大切なのはどんなスキルが作れるのかだ。とりあえず今回作るスキルはすべて二つ名持ちか特異二つ名持ちのスキルルビーを核にしたものにしよう。


 「ミリィ、ネームドスキルって何?」


 『ネームドスキルはねぇ、もらえるスキルは一つに確定しているんだけど他のスキルルビーから出るのよりも遥かに強いんだよ。なんせその存在を表すようなものだもの。これはオリジンスキルにも言えるんだけどね。』


 予想通りネームド、オリジンスキルは他よりも強いらしい。まずは破刃のベルセルクのスキルルビーを一つ追加してみる。作成されるスキルの予想欄にはネームドスキル《破刃のベルセルク》と書いてある。このスキルの効果は発動後30秒間物理攻撃のダメージを50%カットし、STRに補正を入れるというもの。はっきり言って強すぎる。物理ダメージをそんなに削減できるならノストの戦いだって楽だっただろう。

 

 それに他のスキルルビーを追加してみる。まずはワイルドボアのスキルルビーを七個。結果は「防御力上昇」が2つ、「移動速度上昇」が3つ、そして「猪突猛進」と「クラッシュ」があった。どうやら一般のモンスターのスキルルビーからは自己バフ系と戦闘に使える系のスキルが得られるらしい。今回に関しては前にしか進めない代わりにAGIを+30する猪突猛進と破壊属性を持った攻撃をするクラッシュが戦闘系に該当する。ちなみに破壊属性とは武器を破壊できる属性であるらしい。

 なんだか全部相性が良さそうだし突っ込んでみるか。


 すると作成されるスキルの名前が変わる。スキル「傍若無人」。効果は発動中物理ダメージを50%カットしVITとAGIに補正をかける。また効果時間中の全攻撃に破壊属性が付与される。効果時間は30秒、クールタイムは20秒。


 なんだか思っていた数倍の強さのスキルができてしまった。このままじゃんじゃんスキルを作成していこう。ちなみにこのスキルを作るのに使ったSPは約300。消費がえげつないなと思いながら次のスキルルビーに手をかける。

 

次はどんなスキルとなるのだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ