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第十六話 不正の対処は素早く、丁寧に

 朝、目が覚めると目の前にでかでかとメッセージが送られていた。

 

 【Eclipse Horizon をプレイしている皆さまへのお知らせ】

 Eclipse Horizonをプレイして下さる全探索者の皆様にお伝えしたい点が2つございます。

 1つ目は全モンスターの挙動の一部修正、ならびに溺死の判定の一部変更でございます。詳しい変更点は公式サイトに掲載しておりますのでそちらをご参考にしていただけると幸いです。


 2つ目は第一回公式イベント「武闘大会(バトルトーナメント)」の開催です。Eclipse Horizonの正式リリースから早4日、既に序盤の街のモンスターでは飽きている人が多いようです。ということでこれから10日後、正式リリースから2週間経過した日の午前9時から午前11時にかけて「武闘大会(バトルトーナメント)」を開催いたします。現時点での探索者皆さんの強さ、自分の腕前を試したいと考えている皆様は是非参加していただけると幸いです。参加の際はインベントリに入っております「第一回武闘大会(バトルトーナメント)エントリー用紙」を使うことで参加することができます。また、武闘大会(バトルトーナメント)の会場に規定時間に自動転送されます。それに加えて武闘大会(バトルトーナメント)会場内では思考加速を行い現実時間での負担を減らすため、事前にエントリー用紙に同封されている安全規約も読んでからのエントリーをお願いします。


 今後ともEclipse Horizonのプレイを楽しんでくれることを祈っています。



 これを読んだ瞬間昨日のアダマンタートル狩りの事を思い出した。小石をぶつけて突進してくるアダマンタートルに衝撃を与えて溺死させる。やはりこの攻略方法は運営の想定しているものではなかったのだろう、即日修正されてしまった。もうおそらくこの方法ではアダマンタートルを倒すことはできないだろう。

だとしても、昨日倒した分15体のアダマンタートルからのドロップ品を私は持っている。あれだけ硬い素材をすべてギルドに売りに出すのは馬鹿だろう。もし本当にお金がなくなるまでこの甲羅たちは売りに出さないで自分で持っておこう。


 〈アイテム説明〉

 ・「アダマンタートルの甲羅」

 『アダマンタートルの圧倒的な防御の要であり、その硬さは幻の鉱石であるアダマンタイトとも遜色がないといわれることから名付けられた。推定買取価格5000万サリー。


 アダマンタートルとはその爆発を扱えるという習性からもわかるように炎を扱うことができる。また、アダマンタートルの甲羅とは彼らが捕食した動物や植物に含まれている元素を抽出し、硬い鉱石となるように再編されることで作られたアダマンチウムによって構成されている。アダマンチウムは焼入れを行うことで硬度を増すという特性があり、アダマンタートルが内部で爆発を行いアダマンチウムを加熱し周囲の水で瞬間冷却を行うことで物理的硬度を手に入れている。』


 このアダマンタートルの甲羅の説明を見たときに1つビビッときたことが存在する。それは運営のこのゲームにかける思いの深さだ。普通1モンスターの設定をこんなに練るだろうか?おそらくこの説明でさえも氷山の一角でしかなくもっと深い設定、例えばアダマンタートルの餌事情なども精密に決めているに違いない。それならばこれまでの情報も何処かでつながるのだろうか、もしかして武器の説明もか?このゲームは考察が好きな人からしたら最高のゲームかも知れない。


 そうは言ってもだ、このアダマンタートルの甲羅をただお金に変えるのは忍びない。きっとこの硬さを活かした武器はとても強いのだろう。そう思い私はドルヴェラクの工房に行った。


 「すいません、すっごい素材取りましたよ!」


 「何だ?嬢ちゃん、ってこれは………アダマンタートルの甲羅じゃねえか!!こんなものどこで見つけたんだ?これさえあれば構想だけだったあの武器もこんな防具だって…」


 「あ、これは自分で倒した分のものです。ですけどもう当分は倒せないと思いますが。」


 「だとしてもすげぇ、このアダマンタートルの甲羅はな神の鉱石とも呼ばれるアダマンタイトと同じぐらいの硬度、それでいて魔法耐久力とマナとの親和性がとてつもなく高い最高の素材だ。多分全鍛冶職人がこの素材を見たら震え上がるぜ。」


 「それで、これを武器とか防具に使ってもらうことはできますか?」


 「ううん……難しいな。俺じゃ技術が足りねえ、実際に行えるのは俺達のボスだけだと思うぜ。」


 「ボス?誰ですか?」


 「俺達ドワーフの国を束ねているお方だ。ドワーフの国は小さな島国だが鍛冶技術はピカイチでその統治者となればいかなる武器も作れるって言われているぐらいだ。俺でも国内で十番目ぐらいの腕だったしな。」


 「ドワーフの国、島国かぁ。なんていう名前なんですか?」


 「錬金国家ドワルニアだ。たしかドワルニアへの直通便が交易都市ジョーヌから出ていたはずだが、行ってみるか?」


 「はい!行きたいです!」


 「良し、俺に任せとけ。これでも昔は火入れのドルヴェラクってことで有名だったし国王とも謁見したことがある。俺に任せてくれればすぐ国王に合うことができるがどうする?」


 「どうするって聞くも何もおまかせしますよ。ドルヴェラクさんにはお礼ってことで1つアダマンタートルの甲羅をあげますよ。」


 「それは本当か?ありがてぇ、なんて言ったってこれは俺達の憧れだからな。いつか俺の腕がこいつを扱うに足る時が来ればすごい武器を作ってやるぜ。

 話は変わるが、今日は準備に当てて明日に出発ってことでいいか?交易都市ジョーヌへは1日程かかると思うからな。」


 「はい、それでお願いします。ジョーヌからはどうやってドワルニアに行くんですか?」


 「それは錬金国家ドワルニアの技術の粋を集めた長距離移動用飛空艇を使うんだ。これにかかればドワルニアへ1日程度で着くことができる。」


 「飛空艇…ワクワクしますね。今日は各々準備をするってことで明日の早朝にここで会いませんか?」


 「もちろんだ。俺もドワルニアに帰るのはひさしぶりだからな、少しうれしいぜ。」


 「はい、楽しみです」


 ドルヴェラクと錬金国家ドワルニアに行く約束を取り付けたあとに私は自分の準備を整えることにした。まず1つ目は地図の確保。この世界がどの様になっているかを正確に捉える必要がある。第一ジョーヌへの行き方もわからない以上地図を探すのは必須だろう。2つ目は食料の調達。これはゴールデンウルフの毛皮により潤沢な資金があるので大丈夫。

 

 最後が自身のレベル上げだ。初めの内容がショックすぎて忘れかけていたが、運営からのメッセージにはあと10日後にプレイヤー同士での大規模な大会が行われるらしい。今一度自分が全プレイヤーの中でどれぐらいの強さを持っているのかを知りたいし出るからには優勝を狙いたい。今回アダマンタートルを加工できるものを求めてドワルニアに行くのもその一環ということで強い装備を手に入れたいからだ。しかし、装備だけでは結局のところ他のプレイヤーがいつか手に入れることがあるかもしれないため絶対的なアドバンテージとはならない。そうであるならばまだ他のプレイヤーが知らない人族の「スキル作成」という特性と唯一職業の「執行人」を有効活用しなければならない。特にスキルの作成にはスキルルビーが欠かせないのでモンスターの討伐が必須。ということで今日の空いた時間はモンスターをたくさん倒すこととしよう。


 「ミリィもドワルニアに行くのは楽しみ?」


 『うん!なんせ始めていくところだもんね。こう胸の高まりが抑えられないって感じかなぁ?』


 「じゃあ早速地図を探しに行ってみよう!!」


 こうして私のドワルニアへの訪問が決まった。


 

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