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解像度×理解度  作者: 霧科かしわ
29 我を通し手を伸ばす
820/1022

29-24 「楽しんで、楽しませて(前編)」

「正気に戻りやがれ!」

 出来るだけ動きを最適化しろ、解析者くんフル稼働させて隙を生み出せるだけの余裕を捻り出せ。リソースは解析に振って、俺自身はひたすら目の前の攻撃を捌く……!ああ脳がぶっ壊れそう!

「恵斗っ……!」

恵斗……セコムの方の恵斗が隙を縫いつつ呼びかける。本体の方の恵斗は無気力に見えるというか、確かに正気じゃないんだろうな……みたいな気配を纏ってるのよね。そんな気配を纏ってるのにこんな強いの詐欺です詐欺。

「せめて行動に見合うだけの狂気を見せろっての……!」

「いやそれフラグ――――」

「――ふふっ」

「!」

反応あった!?いやこれ反応っていうか……いや反応ではあるけど!なんだかとっても嫌な予感!

「痛いね?苦しいね?厳しいね?辛いね?――――楽しいね!」

「ああやっぱやべー状態だァ!!!!!」

「おい恭也!!!!」

「ゴメーン!!!!」

 爆速フラグ回収!!!!目に光が宿った恵斗は更に攻撃を加速させる。おいヤメロこちとら今ギリギリのラインで優位取ろうと必死なんだぞ当然のようにレベルを上げるな。

 距離を詰めて振られた刀にステラさんぶち当てて止めつつ跳躍、空中を踏みしめて放った蹴りは首を傾げるだけで避けられた。足掴まれる前に体勢整えつつ退避。

「樹どうにかしてぇ!」

「どうにかしたいけどどうにもならん!」

「苦しいねぇ!」

「そう思うんなら止まれや!!!」

「楽しいねぇ!」

ナチュラルバトルジャンキーやめい!!!ニッコニコで攻撃してくるのこんな状況じゃなかったらホラーすぎて樹が気絶しちまうよ!

「意識を落とす……!」

「つまんないね!」

「っうわ!」

「恵斗!」

お前ソイツ自分のセキュリティ部分……!強く打ち据えられた恵斗は勢いよく吹っ飛んでった、結構な砂煙上がってますけど、大丈夫だよなアレ。

「オーケー分かった、お前が楽しみたいのは分かったからちょっと数秒止まる気はないか」

「ないねぇ!」

「いやそんなこと言わないで別の遊びしようぜ。だるまさんがころんだとかどうっすか」

「やだねぇ!」

クッソ絶妙に会話出来るの腹立つわ!意識を逸らすのは無理っぽい、っつーかこの感じ、止まったら正気に戻されるって気付いてそうよね。ここから導き出される結論は……この恵斗相手に口頭で作戦会議とかしたら内容が筒抜けってことだ。

「さてはお前めんどくせぇな!?」

「そうだねぇ!」

「これで本能なの納得いかねー……」

「多分ジャンルが恭也と赤毛玉とかそういう方向性なんだと思う」

「ああ成程……」

「それで納得すんの!?」

確かに赤毛玉って本能部分ではあるけど会話出来るけどさぁ!因みにこんな会話してる最中でも恵斗は俺に斬りかかりつつ吹っ飛んでくる樹と奏さんの攻撃を捌いてるんですよ。そんだけの強さが何故正気だと発揮出来ない、どんだけ普段セーブしてるんだよ恵斗。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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