表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メランコリアな転生者は何もしないでグダグダ寝たい  作者: 蔵前
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/136

大吉の次は凶だからおみくじは中吉を引くべきなんだ

俺が転生したこの世界の宗教は、唯一神ではなく多神教だ。

六体いる神様について、結婚の時はこの神様、葬式の時はこの神様、豊穣を祈るのはこの神様と、必要に応じて祈り分けているのである。


今回の五歳児への祝福と能力鑑定(ステータスオープン)を担うのは、天秤を持つ公正の神様ユースティスである。他の神様でもステータスオープンできるのだが、豊穣の神様だったら農業系、戦勝の神様だったら武力系が加算されるのでは? と思い違いされての不幸があったことでユースティス一本になったのだ。


どこぞの貴族の次男が戦勝神から祝福を受けようとしたら、武力の値を増やして跡継ぎを殺しに来るのかと脅えた長男側勢力による兵が神殿前に居座って次男達を神殿に入れなくさせた。なんてことが数えきれないぐらいにあったとか。

それで神殿前に屍が積み上がったとかなんとか。


それで、五歳の子供の祝福と能力鑑定はユースティスで、と王からお触れが出されたらしい。公正な神ならばステータス弄らないでしょ、と。


でもな、と俺は思う。

本当に神殿によってステータスに加算があるなら、体が弱い子は慈愛と健康の女神のアマテリア様から祝福を受けたほうが良いのかも、とか思うんだ。

特に俺みたいなのは。


「では、伯爵。ご子息にこの水晶玉に手を触れるようにと」


俺は父に持ち上げられた。

俺の目の前には大人の頭の大きさぐらいの水晶玉だ。

これに触れれば、俺の人生が決まる。

途端に不安になり、俺はゲオルグに縋りつこうとしたが、ゲオルグはそんなの許さねえって顔をしていた。


希望と期待に溢れた顔で俺に笑いかけていやがる。


これでは俺が彼の恥になることは許されないだろう。彼ではなく空気的にね。ゲオルグだったら俺が泣いたら許してくれそうだもの。いや、今日は泣いちゃったから別日で、とか、お父さんがその手を支えてあげるよ、という感じかな?


「さあ、フィール」


「がっかりしないでね」


「お前がお前であればいいんだよ」


俺はぎゅうと両目を瞑り、水晶玉に手をくっつけた。

水晶玉から眩い光が輝き、大きな大きなガラス板みたいなものが出現した。


フィール・バルバドゥス

ゲオルグ・バルバドゥスとその妻アリシアの三男

魔力属性 水


……それだけ?

なんか称号とか有効スキルは? ないの? 俺には無いの?

力、素早さ、体力、知性、精神、魔力とかの表示は?

俺はモブだからこれでイイの?


ゲオルグは俺を床にそっと降ろした。

俺は急に心細くなる。

もしかして兄さん達はもっとすごいステータス表示で、俺がモブでしかなくてこんなステータスだったことに情けないって思われたのかな。

それで、追放だって言うのかな?

おどおどと見上げれば、大きな手が押しつける感じで俺の頭に乗った。


「お前は水かあ。魔法の授業は十歳からだが、今からお前がどんな水魔法を見せてくれるのか楽しみだ」


俺は父親に対して両手を上げていた。

もっと抱っこ、という風に。


ほんとうのおとうさんは子供をいらないってしないんだ。


「おと、おとうさま」


「どうした? フィール」


ガーン、ガーン、ガーン、ガーン、ガーン。


町中に響くだろう大鐘の音に、俺も俺の家族も、司祭だって耳を塞いだ。

全員の目には同じ恐怖の色が浮かんでいる。


だって、これは魔物襲来(スタンピード)が起きた事を知らせる鐘なのだ。


「どうして。ここから魔の森までどれだけ離れていると――」


ガタン!!


乱暴に礼拝室の扉が開け放たれ、僕達の警護についていた騎士が飛び込んできた。


「伯爵!!ワイバーンです!!ワイバーンの襲来です!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ