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転生して未来を変えろ  作者: ゲンタ


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誰も死なせない

「村岡さんの弟夫婦が、迷惑も考えずに村岡さんの自宅に来たことで、再び裏社会部隊が周囲をうろつき始める可能性があります。しばらくは、3家族ともこの秋葉原ビルで様子を見ていただくことをお勧めします」と調査部の野口から提案される。


「そうなるよな……」という諦め顔を皆がしている。

無意識にため息が漏れる。


調査部の野口が帰っていった後――


「皆で一杯飲みますか? アメリカで土産に買ってきたお酒もありますし、ビーフジャーキーもあります。とにかく深刻に考えていても仕方ありません。まずは落ち着きましょう。ここは殺し屋も撃退した要塞ですから」


(さすが母さんだ。その言葉で、みんなの元気が少し戻ってきている……!)

しかし俺と優子は、前世で爆殺されたことを思い出し、複雑な思いなのだ。


すべて順調に進んでいたのに、あの疫病神の弟夫婦が、いらない凶運を引き寄せてしまった気がする。

まあ、心配しても仕方ないか……横を見ると、優子も心配そうにこちらを見ている。


「優子ちゃん、匠くんの方を見つめて怪しいな」と、彩乃ちゃんが冗談を言う。

そういうことで見つめているわけじゃないけどね。

でも、みんなの暗い気分を切り替えるにはグッドジョブだよ。


彩乃ちゃんが「どうだ」と……ニコニコ顔だ。

「そんなことないわ……」と優子が言うと、みんなが分かっていながら冷やかしたり冗談を言ったりしているうちに、皆の気分が落ち着いてきたようだ。


「父さん、このビルの横に建っているビル、かなりオンボロだけど、土地を売ってくれないかな? 交渉してみてくれない?」

「……売ってくれるなら新しいビルに建て替えて、下の階にはSS警備に入ってもらおうよ。上の階に坂下家と村岡家に入ってもらえば、これからも安心だからね」


「匠がそう言うなら、父さん進めるけど、いいのだな?」


「進めてください。お願いします」


「未来の花嫁の家だからな」と、父さんがニヤニヤと冷やかしている。


「うちの彩乃を花嫁にしてもらってもいいよ」と雅人さんが冗談を言っている。


そんな話をしながら、皆の笑顔が少しずつ戻ってくる。


しかし、前世のように……皆が一箇所に集まってしまったことで、俺と優子は心の中の不安がどんどん膨らんでいく。


***


その後、裏社会部隊が俺たちの周りをうろつくようなこともなく、7月も終わろうとしている。


両親たちは、8月の第1週まで様子を見て、それぞれの自宅に戻ろうかという話になってきた。


***


2013年8月――


前世で俺たち家族と保が殺された、因縁の8月がやってきた。


優子と彩乃ちゃん、お母さんたちに、いろいろアメリカ行きの理由を作って勧めてみたのだが、ダメだった。

いまだに秋葉原ビルに全員が集結している状態なのだ。


優子に小さい声で――

「なぜ家族とともにアメリカに逃げないんだ……逃げていいんだよ……」と告げる。


「最後まで付き合うわよ」と答えられてしまった。


「ありがとう」と、それしか言えなかった。


坂下社長には、「鈴森会長からの情報だ」と嘘をついて、8月は警備体制MAXでお願いしますと伝えている。

まさか「前世で家族が爆殺されたから」とは言えないからね。


前世で俺たち家族と優子と保が殺された日が近づいてくる……

このまま何も起こらないでくれ!


***


しかし……事件が起きる。

坂下社長が、俺の研究室に飛び込んでくる。

急いで来たということは、良くない知らせに違いない!


「ビルの玄関口に、ガソリンタンクとライターを持った不審者がいます。“相馬和也はいるか!”と叫んでいます」

俺じゃなくて……父さん?


「和也さんには状況を連絡したのですが、“家族がビルにいるのに自分だけ隠れてはいられない”と、こちらに向かって来ています」


俺から父のスマートフォンに連絡をしたが、応答がない。

(出てくれよ……父さん……!)


しつこいな、悪運、凶運……そんなに俺たちの人生を終わらせたいのか!

死んでたまるか。誰も死なせない!


「ビル入口は施錠済み。ガソリンを撒かれた時のために、加圧式粉末消火器を大量に準備しています。警察にも消防署にも連絡済みです」


もう一度、父さんのスマートフォンに連絡したが、応答がない……

「犯人は父さんの顔見知りかもしれません。とにかく父さんが犯人と出会わないように、父さんを何としても取り押さえるよう指示してください。乱暴に捕まえてもいいです」


坂下社長が連絡を取っている。


「ビルに火が付いてしまった時、緊急脱出シュータは使えますか?」


「もちろんです。緊急脱出シュータで、このビルの屋上から隣のビルの屋上に逃げられます」


「ビル内のSS警備の人たちは逃げられますか?」


「部下たちは、こういった想定での訓練をしているので大丈夫です」


「とにかく屋上に移動しておこう」

指揮をとる坂下さん以外は、屋上に移動する。


「母さん! あの犯人に見覚えは?」

屋上から道路の犯人を指差す。


「あいつは千葉 実だわ! 父さんの会社で横領を働いた奴よ。損害賠償させられた逆恨みなのね」



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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