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転生して未来を変えろ  作者: ゲンタ


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アシストロボット開発で社会貢献

もっと直接的に人助けになって、戦争にも関係なく、産業革命的なインパクトもない開発といえば――アシストロボットの開発が良いのかもしれない。


アシストロボットのように、対象とする人ごとにヒューマンインタフェースのチューニングが必要になる技術は、ビジネス化が難しい分野だ。


皆がやりたがらないからこそ、俺たちがやるべきことなのだろう。


具体的に何をアシストするロボットにするかだが、「目の役割を果たす」ようなアイ・アシストロボットなんてどうだろう。


まずはプロトタイプを開発して、方向性を探ってみるか。


プロトタイプを早く作りたいので、スマートフォンを活用しよう。

スマートフォンと通信するAIシステムを作れば良い。


実験協力者が必要だが、ご近所で探せるかな。

優子と彩乃ちゃんに相談していたら、美月さんも協力してくれるそうだ。


「ソフィアちゃんがいいよ。彼女は10歳、目が見えないけど、すごく前向きで陽気な子だよ。両親ともよく話すから、聞いてみるね」

――近所との交友関係が広い彩乃ちゃんが、実験協力者の目星をつけてくれる。


美月さんと彩乃ちゃんが、ソフィアちゃんとその両親に話をしに出かけていく。

ソフィアちゃんとご両親は「面白そうだから、ぜひ参加したい」と言ってくれた。


プロトタイプの概要だが……


カメラが内蔵されたメガネを用意する。

ソフィアちゃんの視線方向のカメラ映像を、無線でパソコンに取り込む。

そのパソコンにAIソフトを組み込んでおく。


学習したAIソフトが、「カメラに何が写っているか」「指定した対象物までの距離」などを解析し、パソコンからスマートフォンへ、スマートフォンからスピーカーを通じてソフィアちゃんに音声で伝える。


ソフィアちゃんが対象物を声で選択し、手を伸ばせば、目的の方向や距離を音声で伝えてくれる仕組みだ。


もうひとつの機能は、カメラで撮影した画像から、今目の前で起きているイベント――たとえば「お母さんが本を読んでいる」などを教えてくれる機能。


さらに、AIが文字を音声に変換してくれるので、紙媒体の本も読めるようになる。


もちろん、学習を重ねるほどAIは賢くなり、やがてソフィアちゃんの話し相手や相談相手にもなれる。


そうなれば、ただのツールから「相棒」へと昇格するだろう。


半月ほどでプロトタイプが完成したので――

ソフィアちゃんにカメラ付きメガネを着けてもらい、日常生活を過ごしてもらう。


パソコンに送られる画像を教師データとしてAIに学習させ、どんどん賢くなっていく。


AIが賢くなれば、家の中であれば視線方向にあるものを認識できるようになる。

次のステップは、ソフィアちゃんの「手」と「目標物」との距離をAIに推定させること。


推定精度が高まれば、ソフィアちゃんが「マグカップはどこ?」とスマートフォンに問いかければ、「テーブルの上、右手の右側、20cmだよ」とAIが答えるようになる。


この対話を繰り返しながら、ソフィアちゃんの使い方にAIが慣れていくことで、アイ・アシストロボットもどんどん賢くなっていく。


家の外でも使用できなくはないが、不慮の事故などがあっては困るので、屋外使用は禁止にした。


このアイ・アシストロボットは、使用者の安全を保証できるわけではないため、儲かる開発とは言えない。

だが、社会貢献として、目に見える形で人助けになる開発だ。


プロトタイプを使ってみたソフィアちゃんの評価は、最高だった。

日常生活の便利度が向上するからだ。


それに、自分の目では見えないけど、ロボットと対話しながら、家族が目の前で何をしているかが分かる。

家族とのコミュニケーションも、より深まると思う。


ソフィアちゃんは子供の好奇心で、アイ・アシストロボットの新しい使い方をいろいろ発見していくだろうし、

それによってロボットも進化していくだろう。


アイ・アシストロボットは、俺たちの住むコミュニティで話題になり、ケーブルTVで取り上げられたり、ファンさんが学会や企業に紹介してくれたりして、どんどん有名になっていった。


こういう開発は、お金にならないから、企業はやりたがらない。

だからこそ、俺たちがやるべき開発なのかもしれない。

良かった、良かった。


もう少しAIが賢くなったら、アイ・アシストロボットの構成をもっとスマートにしていこう。


このAIシステムは、自動運転などにも使える。

だが俺たちは、ビジネスになりにくくても、社会貢献になるような開発を、コツコツ続けていくことにしよう。


前世では、こんなことを全く考えなかった。

ただ、自分が興味あるものを、遊びとして研究していただけだったから。


そんな中、大企業の“グ……”が、社会貢献の研究として、この開発にお金を出してくれることになった。


この話をまとめてくれたのが、美月さんだ。

本当に助かる。俺たちだけなら、そういう展開には絶対になっていなかった。


前世では美月さんがいなかったから、鈴森会長以外からの話は吟味もせず、全部断っていた。

それに違和感すら持っていなかった。


美月さんが来てくれたことで、いろいろなことがきちんと整理され、スムーズに進むようになった。


連絡が来ている企業との交渉も、美月さんが進めてくれて、要点をまとめて俺に知らせてくれる。

本当にありがたい。


前世の未来技術研究所は、かなりポンコツだったかもしれないな?

ちなみにファンさんの研究室とも、美月さんが打ち合わせしてくれて、

アイ・アシストロボットに関連した開発を、ファンさんも一緒にやってくれることになった。


鈴森会長との連絡も、美月さんのおかげでとてもスムーズになっている。

以前は、俺がいきなり電話していたからな。

あんなに忙しい人に、突然かけていた俺の方が無神経だったと思う。


とにかく、美月さんは未来技術研究所にとって、必要不可欠な存在だ。

前世の未来技術研究所がポンコツすぎただけかもしれないけどね。


大企業の“グ……”が資金を出してくれるとなると、アイ・アシストロボットがスマートフォンのアプリになる日も近いかもしれない。



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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