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転生して未来を変えろ  作者: ゲンタ


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リーマン・ショックの予想

俺たちで量子コンピューターを開発しようとしても、理論の構築はできるけれど、デバイスや素材の開発となると、設備も経験もない俺たちには無理な話だ。


けれど、K社と一緒に開発できれば、量子コンピューターが本当に完成してしまうかもしれない。


鈴森会長も、きっとそう思ったのだと思う。

俺としては、完成した量子コンピューターで、AIの学習計算をさせてみたい。

何か、すごくワクワクする。


ところで、来月になるとリーマン・ショックが起こり、不況に突入するのだ。

不況になると、まず真っ先にブレーキがかかるのが半導体部門……。

K社の経営も、苦しくなるかもしれない。


せっかく量子コンピューターの開発を始めようという勢いがついているのに、もし半導体部門が大赤字になったら、開発が中止になるかもしれないな。

それは嫌だ……もうやる気満々なのに。


神様からは「前世の記憶を誰かに話してはいけません。未来に起こることを話すことになるからです」と念を押されている。


だから、リーマン・ショックのことを鈴森会長に伝えることはできない。

何か良い方法はないかな?


「経済的クラッシュを予測するAIシステムを試作してみたら、9月頃に世界的な経済的クラッシュが来るという推定結果が出ました」

――こう伝えるのはどうだろう。


偶然だが、試作したAIシステムが経済的クラッシュを予想している。

「試作AIがそう予測しました」と言えば、前世の記憶を漏らしたことにはならない……よな?


俺は、お付きの人に「会長に内密の話がある」と伝えて、部屋から出てもらった。


「試作したAIシステムが、9月頃に世界的な経済クラッシュが起こると予想しています」


会長にそう伝える。

さあ、会長はどう反応するだろうか。


鈴森会長も、俺でなければ無視したかもしれないが、スーパー天才児と認めている俺が言うので、もしかして……と、思い始めているようだ。


「アドバイスありがとう。しかし、今すぐにいろいろな設備投資案件に急ブレーキをかけるのは無理だ。どうすればいいと思う?」


「もしクラッシュが来ると信用していただけるのであれば、ドル資産の余剰金でナスダック先物を8月中に空売りする。また、円資産の余剰金で日経先物を8月中に空売りしておく。それぞれ10月末頃にでも精算すればいいと思います」


「匠くんは、株もやっているのか?」


「4歳の頃からやっています」


「儲かっているか?」


「そんなには……でも、このビルはそのお金で建てました」


「お母さんが言っていたことは本当だったのだな。分かった……アドバイスありがとう」


「会長、このことは他の人には言わないでください」


「秘密にしよう」


投資詐欺みたいな会話になってしまったけど、会長は信じてくれたのかな……。


話を聞いていた保君が、ポカーンとしている。

保君はこういうのには興味ないはずだよね。


でも、すごく心配になってきた。

保君には、最初から席を外してもらうべきだった!


「保君、今の話は内緒だぞ! 絶対だぞ」

「うん。分かったよ……」


保君は大きな製薬会社の後継ぎだから、お金には興味がないだろう。

しかし――これが大失敗だったと、後から分かるのだが……


***


2008年10月――


空売りしていた銀行株を買い戻し、法人口座が300億に増えた。

俺から未来技術研究所に融資していた50億円は返してもらい、これで研究所の運転資金は250億円に増えた。


コンサルタント契約で収入もあるし、法人税の申告も必要になるな。

平山弁護士に税理士を紹介してもらって、自分でも本を読んで税の勉強をしてみよう。


株式投資は、これで一旦終わりにする。

俺自身の証券口座に現金を140億円残して、残りの100億円は長期保有用の資産として、S&P 500とナスダックのドル建てETFをそれぞれ50億ずつ買っておく。


優子ちゃんにも、俺のアドバイス通り、S&P 500とナスダックのETFをそれぞれ5,000万円ずつ買うよう勧めておく。


そんなある日、鈴森会長から電話がかかってくる。

いつもと違って、少し興奮気味だ。


「匠くん、ものすごく儲かった。ありがとう……」

どうやら、会長は俺の話を信じてくれていたようだ。


「試作した未来予想AIシステムを、10億でもいいから売ってくれないか? 社内に資産運用チームを作ろうかと思っているんだが……」


これはさすがに売ることはできない。

リーマン・ショックの予測は、本当に偶然当たっただけだと思う。


「もっと信頼性の高いAIシステムができるまで、販売は控えさせてください」


「そうだな。売れるレベルになったら、連絡をくれるかな。10億以上でもいいからな」


「もちろんです」



ここまで、お読みいただきありがとうございます。


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