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77話 青い毛玉


そこへ別の兵士が駆け込んできた。


「た、大変です!」

「南街道から、巨大な青い毛玉が――」


全員が空を見上げた。

レナが静かに言う。


「もう国として終わってない?」


西門広場。

白ぽむ。

赤ぼむ。

その間で眠るノヴァ。

噴水で濡れているゼルク。

そこへ響いた兵士の報告。


「南街道から巨大な青い毛玉が接近中!」


沈黙。

レナが遠い目をした。


「……仕事辞めたい」


フィリアは静かに頷く。


「わかる」


数分後。

一行は南門へ向かっていた。

ノヴァは白ぽむの上。

赤ぼむは後ろから転がって追従。

ゼルクは乾かしながら飛行。

通行人たちは大歓声だった。


「毛玉行進だー!」

「祭り!?」

「黒いの乾けー!」


ゼルクが叫ぶ。


「応援の質が低い!」


南門前。

地平線の向こうから、水しぶきが見えた。

街道なのに。

次の瞬間。

青い毛玉が川のような勢いで転がってきた。

周囲に水を撒き散らしながら、門前で華麗に停止。

しゃあああっ。

煙ならぬ水蒸気。

現れたのは――

巨大な青い毛玉。

毛先は波打ち、つぶらな瞳は涼しげ。

口を開く。


「ぷむっ!」


レナが顔を覆った。


「また一文字違い……」


フィリアが分析する。


「ノヴァは可愛い」

「白は癒し」

「赤は情熱」

「青は清涼感」


ゼルクは苛立つ。


「なぜ我だけ属性説明がない!」


レナが即答する。


「不憫」


ゼルクが膝をついた。


白ぽむが前へ。

赤ぼむが前へ。

青ぷむも前へ。

三体の巨大毛玉が円陣を組む。


「ぽむ」

「ぼむ」

「ぷむ」


真剣な声色。

周囲は静まり返る。

王国の命運が決まるような空気。

数秒後。

三体は一斉に跳ねた。

もふん!!

抱き合った。

レナが叫ぶ。


「結局それぇ!!」


ノヴァは迷わなかった。

助走。

跳躍。

三体の中心へ着地。

白・赤・青の毛に包まれ、その場で丸くなる。

秒で寝た。

フィリアが頷く。


「完成された判断」


ゼルクは空から見下ろし、震えていた。


「なぜ白いのだけ自然に中心へ入れる……!」


レナが肩を叩く。


「才能よ」


ゼルクは決意した。


「我も埋もれる!」


急降下。

黒い毛玉形態で突撃。

だが直前で青ぷむが水流を放つ。

しゃああっ。

ゼルクだけ洗われて吹き飛んだ。


「またぁぁぁ!?」



夕方。

掲示板更新。

第一位:ノヴァ&ぽむ&ぼむ&ぷむ(カルテット)92%

第二位:ゼルク(洗)8%

ゼルクが震える。


「洗って何だ!」


フィリアは説明する。


「清潔感ポイント」


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